この記事の目次
進撃の巨人14話『原初的欲求』のあらすじ
アルミンの呼びかけでエレンは目を覚まし、大岩で穴を塞ぐ作戦を再開する。
多くの兵士がエレンを守るために犠牲になる。そんな中で、エレン巨人は進撃を続ける。
大岩で穴を塞ぎ、人類は初めて巨人に勝利する(領土を取り返す)。
壁外調査から帰ってきた調査兵団と、駐屯兵団工兵部の活躍により、ウォール・ローゼは巨人の侵入阻止に成功した。
進撃の巨人14話『原初的欲求』で発生した伏線・謎
(4巻14話)
Aエルヴィンが「壁の破壊」だけが目的ではないと推測。エレンが巨人化したために、マーレ戦士は「エレン誘拐(知性巨人確保)」に目的が変更された。
(7巻27話)
残された謎
(4巻14話)
A恐らく無垢の巨人にとっては「ただの人間」よりも「知性巨人」のほうが優先度が高い。巨人から人間に戻ろうとする本能のようなものがあるのだと推測される。
(巻話)
進撃の巨人14話『原初的欲求』で解決した伏線・謎
進撃の巨人14話『原初的欲求』の表現・対比
進撃の巨人14話『原初的欲求』の考察・解説
進撃の巨人14話『原初的欲求』の考察・解説動画
サブタイトル『原初的欲求』の意味
少年エレンを突き動かす「欲求」。
自由のために青年エレンは犠牲を支払う
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
アルミンの発言「壁の外の世界は地獄」
アルミンの発言「壁の外の世界は地獄」は、諫山先生のブログを読むと意味がわかる。
この映画特電で感銘を受けたのは、西洋諸国に根付く考え、
神、秩序、体勢、に従う事への恐怖や抵抗感、
人間の根源的な自由意志、
「奴隷の幸福か、地獄の自由か」ってヤツです、前者が、現状に満足して壁の中で日常を過ごす人々、
後者が、現状に不満を懐き命を懸けて自由を求める人々、
かっこいいのは言うまでも無く後者、つまり、この漫画で言う神様ってのは巨人のことです、
超大型巨人のキャラデザは、結構時間をかけました、あの見開きは
一回出来た原稿を没にして、書き直したぐらいです、他のページも
がんばれよ!っつー話ですなんですが、超大型巨人だけは他と同等の
扱いはできなかった、
何故なら神に見えなければいけなかったからです、主人公や、調査兵団は、自我に目覚めたアダム・サタンです、
巨人と言う絶対的な支配者、神に従わない人達です、
「たとえ地獄でも自由でいたい!」、ってのが町山さんの話を受けて
やりたかった事なんですが、どうも壁が壊されて以降は
このテーマ設定が生きない気がします、家畜だった大半の人々も、待ってるだけでは
普通に食われるってことに気づいてしまってから、少数派が
体勢側になってしまうからです、ロックじゃない…どげんかせんとね
ポイント
前回の話ではラストでエレン巨人が暴走してミカサに殴りかかりました。今回はその後の動きの様子が描かれます。動きが複雑なのであらすじに関しては「トロスト区防衛戦の解説」の図解をご覧ください。
「原初的欲求」
サブタイトル「原初的欲求」という言葉が印象的です。 この意味についてですが、アルミンが巨人エレンを起こそうと語りかけるシーンで分かります。
「壁から一歩外に出ればそこは地獄なのにどうしてエレンは外の世界に生きたいと思ったの?」
「オレが!!この世に生まれたからだ!!」
これは「進撃の巨人」屈指の名言です。人は生まれながらに自由を求めてしまうということです。
自由を得るための「命」
エレン巨人が大岩を運ぶときのモノローグがエレンの思想を理解するのに重要なポイントです。
オレたちは皆、生まれた時から自由だ
それを拒むものがどれだけ強くても関係ない
炎の水でも氷の大地でもなんでもいい
それを見たものは この世界で一番の自由を手に入れたものだ 戦え!
そのためなら命なんか惜しくない どれだけ世界が恐ろしくても関係ない
どれだけ世界が残酷でも関係ない 戦え! 戦え!!
「命」の3段階
この話では「自由」の代償として「命」が3段階に分けて描かれています。
- 相手の命 (エレンはミカサを襲う強盗を殺す)
- 自分の命 (自分が死んででもその前に自由を得られるなら)
- 自分の仲間や周囲の人の命 (食べられる仲間たちを見殺しにする)
これらを解説していきます。
1.相手の命
エレンがミカサを強盗から守るために正当防衛として命を奪った場面が回想で描かれます。「自由(生きる)」ためには相手の命を奪うという場面です。
2.自分の命
これは1.よりも高等で「自分の命」と「自由」を天秤にかけたとき「自由が勝つ」ということです。 11話「応える」でアルミンがエレンの戦術的価値を説いた場面がこれにあたります。守りたい仲間のためなら命も惜しくないという姿です。
大岩を運ぶエレン巨人の「そのためなら命なんか惜しくない」「戦え!戦え!!」とモノローグで語る場面です。命を賭けてでも自分が追い求める世界を追求していく姿です。
3.仲間や周囲の人の命
エレン巨人は仲間達が巨人に食われる姿を見ていますがそれでも前に進み続けます。ミカサとアルミンも仲間を見殺しにしてエレン巨人の護衛に努めます。大事な仲間が死んで行く姿を見ることは残酷ですがそれでも「自由」を得るためには仕方のないことだという場面です。
「奴隷の幸福、地獄の自由」
1巻第1話「二千年後の君へ」の解説動画でも語っています。 ここでいう「地獄」とは「巨人がいる世界」であり、命を脅かす危険な存在がいるというのが、この時点での地獄です。
「自由」と「代償」
世界の真相編では「自由」と「代償」、「地獄」の意味合いも変化します。 22巻88話「進撃の巨人」ではエレンの父、グリシャ・イェーガーがマーレ国で妹と飛行船を見るためにレベリオ収容区の壁の外の世界に行こうとしました。その結果、妹を失うことになります。グリシャはそれでもエルディア復権派として自由を求め続けます。そこで得た代償は想像を遥かに超えたものです。我が子に密告されることで拷問を受けた後、妻や仲間が殺されます。グリシャは「これが自由の代償なら払わなかった」と語り、後悔します。この世界の根底に流れるのは「自由を望むなら、それ相応の代償がついてくる」ということです。そして、その代償は「地獄」と表現できるほど残酷で苦しい世界なのです。
「自由」は良いものなのか?
この時点ではエレンの求める「自由」は素晴らしいものだ!という印象を受けます。「自由」に向かって進み続ける主人公は少年漫画的には賛美される姿でしょう。しかし、徐々にそれだけではないということに気付かされていくのが惹き込まれるポイントです。
22巻第90話「壁の向こう側」のエレンが「壁の外には、自由が…」というシーンがまさにそれを表しています。自由の象徴として、海を見に行くことをアルミンに語った時に、グリシャの記憶がフラッシュバックするのです。それは「自由」を求めた故に「代償」となった妹、フェイが犬に食い殺された姿でした。希望から一気に絶望の縁に落とされるシーンです。
「進撃の巨人」の世界において、自由にはセットで「代償」がついてくるというのは現実世界でも同様でしょう。それを踏まえるとこれらの問いが浮かびます。
- 「奴隷の幸福を求めるのか?地獄の自由のために立ち向かうのか?」
- 「その自由は代償を払う価値に見合っているのか?」
- 「それでもあなたは自由を求めるのか?」
- 「人は幸福でないといけないのか…?」
「命」と「残酷な世界」
エレンを守るために食われる兵士たちが多く描かれます。ミカサとアルミンの2人は助けられないことも分かりつつエレンの護衛のために前へ進みます。助けられる命には限りがあり、それを見捨てる判断も必要である、ということです。
自分の番
上記の「命の3段階」である3.仲間や周囲の命を代償はミカサとアルミンにも該当するのです。自分の命も犠牲になることを覚悟の上で「次は自分の番だ…」という場面がこれです。
駐屯兵団精鋭部隊のリコの援護のお陰でなんとか助かりましたが、あのまま食われてもおかしくない状況でした。アルミンは涙目になっています。 この辺りはセリフがないので読み飛ばしそうですが「順番」というテーマとして重要な意味を持ちます。 14巻56話「役者」でサネスの「順番」の話に繋がっていきます。ハンジがサネスに拷問したとに言われた「こういう役目には順番がある」とも通ずる考え方です。
犠牲の上に作戦が成功する
多くの犠牲を出しつつも大岩で穴を塞ぐ作戦は成功します。最後のアルミンの「いけえぇぇエレン!!」の名シーンです。
エレンはアルミンを調査兵団に行かせたくない
幼き日のエレンとアルミンは夢を語っていました。「炎の水、氷の大地、砂の雪原」を見に壁の外へ行こうという夢です。しかし、エレンはその夢を語らなくなっていきました。
今回の話でその理由がアルミンを調査兵団に行かせたくなかったからだと分かります。これを踏まえて、1巻第3話「解散式の夜」を見返すと「アルミンの表情」の意味がわかります。
訓練兵の前で夢を語るエレンの姿にアルミンは「(あ…)」という表情そします。エレンはずっと壁の外の世界のことを語っていなかったけど忘れてなかったんだ、ということに気づいたのです。そして、気付いたからこそ、兵団の希望をエレンに聞かれた時に調査兵団に入ることを決意するのです。
進撃の巨人14話『原初的欲求』の感想・ネタバレ
進撃の巨人14話『原初的欲求』の感想動画
代償の描き方
以前、人気Podcast「ゆとりっ娘たちのたわごと(ゆとたわ)」にゲスト出演したときに、このシーンの「自由の代償」の凄さについて語っています。
ゆとりっ娘たちのたわごと 第15回「無知は不自由だ。〜進撃の巨人を語る回(ゲスト:タキさん)」
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