この記事の目次
進撃の巨人11話『応える』のあらすじ
駐屯兵団のハンネスが幼馴染3人の安否を気遣う。
当の3人は、エレンの巨人化で榴弾の攻撃を防いだが、なおも兵団の疑いは晴れない。
自信を失っていたアルミンが奮起し、命懸けで説得を試みる。
駐屯兵団のキッツはなおも規制に従って攻撃しようとするが、ピクシス司令が現れて、攻撃をやめるように告げる。
進撃の巨人11話『応える』で発生した伏線・謎
(3巻11話)
A知性巨人を持つエレンの安否を知りたかったから。エレンが「始祖の巨人」を持っている可能性も考慮している。アニもライナーに続いてエレンを追っている。
(巻話)
(3巻11話)
Aエルディア復権派であるグリシャは、使命を持ってパラディ島に潜入している。壁内に味方は一切いないので、ひと目につかない地下室に情報を隠している。エレンが自分の継承者であると確定したので、地下室の鍵を託した。
(巻話)
進撃の巨人11話『応える』で解決した伏線・謎
(2巻9話)
A845年に超大型巨人が襲来したときに、アルミンが機転を利かせて、ハンネスを呼びに行った。その結果、エレン・ミカサは助かった
(3巻11話)
進撃の巨人11話『応える』の表現・対比
(3巻11話)
2マーレ国のミュラー長官をアルミンが説得しようとする。立体機動装置を脱ぎ捨て「エルディア人に巨人の力はない。敵ではない」と発言する。
(34巻139話)
進撃の巨人11話『応える』の考察・解説
進撃の巨人11話『応える』の考察・解説動画
サブタイトル『応える』の意味
自信の無いアルミンがエレン・ミカサの信頼に応える
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
現在の状況
尋問されるエレンたちと待機中の兵士たち
エレン、ミカサ、アルミンが駐屯兵団に囲まれています。その時、訓練兵の仲間たちは別の場所で待機させられているという状況です。 104期の訓練兵及び、その他の兵士たちは大体3チームに別れます。
- エレンが巨人から出てくるのを見た兵士 →ミカサ、アルミン、ジャン、ライナー、ベルトルト、アニ
- エレンが巨人から出てくるのを見ていない兵士→ コニー、サシャ、他モブ兵士
- エレン巨人の存在自体知らない兵士→ヒストリア、そばかすユミル、その他大勢の兵士
このうち1.の兵士たちには守秘義務が課せられ待機している状態です。 1.の中でもミカサとアルミンはエレンから離れずに守っている、というような状況です。
場所
兵士のセリフにあるように「水門が突破されたのか?」「一番頑丈な箇所だぞ」というようにエレンが巨人化する危険性を踏まえてエレンたちを頑丈な壁の隅に追いやっていることが分かります。
マーレ戦士たちの裏話
ライナーの焦り
第10話「左腕の行方」のラストでエレンが巨人化します。今回はその少し前の状況として兵士たちの会話シーンと巨人化直後の様子が描かれます。 この時に兵士達には守秘義務(アニメではかん口令)が課せられているし、待機命令が出されています。それにも関わらず、巨人化の蒸気を見たライナーが我先に飛び出していきます。その姿を見たアニとジャンが後に続く、という展開です。
漫画ではベルトルトの姿はありませんがアニメではベルトルトも追加されています。なので「マーレ戦士+ジャン」でエレンの巨人化を見届けている状態です。
ちなみに「あの煙の量はなんだ!?」はモブ兵士のセリフで「まさか!?巨人の蒸気!?」はジャンのセリフとなっています。うろたえる兵士たちの中で、ライナーのセリフは無く、驚いた表情ととっさに行動するという演出で感情の変化を表していました。
この時のライナーたちの心境は?
ライナーたちの元々の目的は始祖の巨人を持つ人物の奪還です(始祖奪還作戦)。
始祖の巨人は壁の王が保持しているはず、ということで憲兵団となって忍び込もうとしていました。
1回目のウォール・マリア破壊で壁内に侵入し、2回目となる今回はウォール・ローゼを破壊して、始祖の巨人をあぶり出すつもりでした。 しかし、エレンが巨人化できる知性巨人の保持者であることが発覚し、エレンを奪うことの優先順位が上がったのです。
ウォール・ローゼ破壊の作戦については24巻97話「手から手へ」でライナー、アニ、ベルトルトが夜に集合して作戦を立てているシーンがあります。調査兵団が壁外調査に出払う日を狙って緻密に計画を立てていることが分かるので興味深いです。
アルミンを信頼する2人
命が脅かされる窮地の中でエレンは最終的にアルミンの判断に任せようと言います。
エレンは「お前がハンネスさんを呼んでくれなかったらオレもミカサも巨人に食われて死んでた」とアルミンに語ります。この場面は2巻第9話「心臓の鼓動が聞こえる」でミカサがアルミンに「あなたに命を救われた」の内容です。
それを聞いたアルミンがハッとします。
「僕が勝手に思い込んでいただけだ」 「勝手に自分は無力で足手まといだと」 「二人はそんなこと思ってなかったのに」とモノローグで語ります。
実際にアルミンは窮地を脱する作戦として「エレン巨人を利用する作戦」や「7人の一斉攻撃で補給本部から脱出する作戦」を考案し成功させていました。
そんなアルミンがやっと自分を信じることができたのはエレンやミカサの「アルミンを信じる」という言葉があったからなのです。 自分を信用することができなくても、信用する相手は信じることができる。という高度なやりとりです。
【雑談】グレンラガンというアニメの名言があります。自信がない主人公の「シモン」が兄貴のような存在の「カミナ」からかけられる言葉です。
「いいかシモン、自分を信じるな!俺を信じろ!お前を信じる俺を信じろ!!」
自信のないシモンをカミナが勇気づける言葉となっています。
『悪魔の証明』vsアルミン
進撃の巨人の面白さとして「演説」や「ディベート」の会話劇が挙げられます。
アルミンがエレンが人類の味方だと示す、いわゆる『悪魔の証明』のためにどう答えたのか見ていきます。(『悪魔の証明』については3巻第10話「左腕の行方」で解説しています。)
キッツ長官は「エレンが巨人かどうか?」を明確にしようとしています。そこには、「巨人ならば敵」という論理を前提として「エレン=巨人=敵」であるならば「エレンは攻撃対象である」という判断を下したいという思いがあります。
キッツ長官の「巨人ではないことの証拠を出せ!」という問いに対して全ての状況は語りきれないのです。つまり、率直に答えようとしてはいけない問題である、とアルミンは判断し「証拠は必要ありません!」と返します。
そこでアルミンは「エレンが人類の敵か味方か」を焦点に当てるのです。
「エレン巨人が巨人と戦う姿」と「巨人がエレン巨人を捕食する姿」の2つの事実を挙げます。特に巨人がエレン巨人を捕食対象としていたことを強調しました。漫画の吹き出しでもあえて『巨人』と「彼」を分けて強調しているのもポイントです。
そして、何よりエレン巨人が巨人と戦うことで人々が救われた事実を踏まえて「人類にとっての敵ではない」ことを語ります。さらにエレンの「巨人の力」が人類の役に立つと提唱するのです。そして、命を捧げる覚悟のもと見事な敬礼で
「彼の戦術価値を説きます!」
と畳み掛けるように叫ぶのです。
立体機動装置を捨てるアルミン
キッツ長官を説得する際に攻撃の意思がないことの意思表明として立体機動装置を捨てるアルミン。最終回である34巻139話「あの丘の木に向かって」でもリフレインとして描かれます。どちらも攻撃の意思がないことの表現ですが、最終回では少し見え方が変わってきます。
進撃の巨人11話『応える』の感想・ネタバレ
進撃の巨人11話『応える』の感想動画
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