【進撃の巨人】第16話『必要』考察・解説・感想【ネタバレ】

タキ

XYouTube もやってます。

進撃の巨人16話『必要』のあらすじ

847年、訓練兵団時代の回想。
ライナー・ベルトルトはエレンとアルミンに「何故兵士を目指すのか?」を尋ねる。
一方で自分たちは「ウォール・マリア南東の山奥の村出身」とウソを付く。
エレンは破損している立体機動装置にも関わらず、姿勢を保ち、適性検査を突破する。

【時期】847年
【場所】パラディ島トロスト区

進撃の巨人16話『必要』で発生した伏線・謎

Qライナー・ベルトルトの「ウォール・マリア南東の山奥の村出身」発言
(4巻16話)

Aライナー達の嘘。彼らはパラディ島ではなく、マーレ国出身だった。ライナー達3人はパラディ島に潜入後、開拓時代に「(自ら命を絶った)おじさん」と色々と話をしていた。その時の彼の出身地「ウォール・マリア南東の山奥の村」の話を参考にしていた。
(24巻96話)

Qベルトルトの回想の「巨人が窓の外にいた」描写
(4巻16話)

A開拓時代に出会った「(自ら命を絶った)おじさん」の話を参考にしていた。おじさん目線での回想が、ベルトルト目線に置き換わって描かれていた。
(24巻96話)

Qエレンの「巨人を一匹残らず殺さなきゃならない」発言を受けるベルトルト・ライナーの表情
(4巻16話)

Aライナー・ベルトルトこそが、エレンが殺さなきゃならない敵だった。エレン発言を聞いた二人の心境が苦しい。
(10巻42話)

Qライナーの強い目的意識「帰れなくなった故郷に帰る」とは?
(4巻16話)

A故郷はウォール・マリア南東の山奥の村ではなかった(ミスリード)。マーレ国戦士として「始祖の巨人」奪還の使命を背負ったライナー達。成果を残して、マーレ国の故郷に帰ることが彼らの行動理由となっている。
(24巻96話)

Q何故キース教官はエレンの父親グリシャのことを知っている?
(4巻16話)

Aエレンの父親グリシャが初めて出会ったパラディ島民は、壁外調査に出ていたキースだった。キースとグリシャは、長い付き合いだった。
(18巻71話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(4巻16話)

A
(巻話)

進撃の巨人16話『必要』で解決した伏線・謎

進撃の巨人16話『必要』の表現・対比

進撃の巨人16話『必要』の考察・解説

進撃の巨人16話『必要』の考察・解説動画

サブタイトル『必要』の意味

兵士に「必要」な素質である立体機動装置の扱いが問われる
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

ライナー、ベルトルト、エレンの会話

前回の話でエレンが立体機動装置が全く使えないことが判明し、ライナーとベルトルトにアドバイスを貰いに行くことで会話が始まります。そして会話は出身地や兵士を目指したきっかけへと行き着きます。

ベルトルトの嘘

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ベルトルトはアルミンに出身地を聞かれて汗をかきながらライナーに目線を送ります。エレンやアルミンには、恐ろしい思い出を話すことを躊躇う表情にも見えていたでしょう。しかし、ベルトルトとライナーがマーレ国の戦士であることを知ってから読むと「(まずい…)」と言った表情にも見えます。

そして、ベルトルトは機転をきかせて嘘をつくのです。その嘘というのがウォール・マリア南東の山奥の村の出身であることです。そして、その時の状況を詳細に話します。普段は無口なキャラクターのベルトルトが嘘つくために饒舌になっているのもポイントです。
こんなにも詳細に嘘が語れた理由は元ネタがあったから、というのが後に判明します。24巻96話「希望の扉」でマーレの戦士3人が開拓地で過ごしていた場面です。その時に出会った男性の話をそっくりそのまま話していたことが分かります。彼は村の最後の生き残りで、ベルトルトたちにその話をした翌日に自殺します。ベルトルトが嘘を言っていると証明する人が誰もいない、ということもベルトルトの対応力の凄さです。
回想シーンもまったく同じ構図で描かれています。

エレンの決意

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンは壁が壊される前から調査兵団に入りたいと思っていたことや、目の前で母親を巨人に食いを殺されたにも関わらず、恐怖以上に「殺さなきゃならねぇと思ったよ…奴らを…一匹残らず」と語ります。

その姿を見るライナーとベルトルトの表情は複雑です。ベルトルトは目を見張っていていてエレンの覚悟に対する驚きにも見えます。一方で被害者側が加害者側に対する言葉だと理解した上で見ると、警戒している表情にも見えます。

ライナーは「・・・・・」と吹き出しがついています。ライナーがどんな思いだったかのかは難しい所です。ライナーはマーレの戦士という素性を隠して訓練兵団と調査兵団で過ごす中で罪悪感などのストレスから、徐々に無意識下で自分を調査兵団の兵士と思い込んでしまうからです。現在のライナーは訓練兵になったばかりなので兵士モードではないと思いますが、罪悪感や同情の気持ちがあったかもしれません。幼少期からパラディ島は悪魔のいる島だと教え込まれていましたが、島にいたのは普通の人間だったことがわかりましたし、その普通の人間の生活を奪ってしまったのは自分たちだ…という複雑な気持ちも入り混じってエレンを見ているのでしょう。

ライナーの覚悟

会話の最後にライナーが「俺にもあるぜ絶対曲がらないものが…」と語りはじめます。「帰れなくなった故郷に帰る」「俺の中にあるのはこれだけだ…」とだけ言います。読者としてはベルトルトが話していた村が故郷であると思わされますが、後にこの意味はマーレ国に帰る、と言う意味だと分かります。

キースとグリシャの伏線

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンが立体機動装置を使えなかったのはベルトの破損が原因だったということが分かります。

ここでの伏線として

  1. なぜベルトが壊れていたのか?
  2. キースの「グリシャ…今日 お前の息子が兵士になったぞ」の意味とは?

について見ていきます。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

キースとグリシャの関係の伏線として、15巻62話「罪」で壁が壊された直後に逃げ惑う市民とともにキースの姿が一コマ描かれます。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

そして、伏線が回収されるのは18巻第71話「傍観者」です。キースがエレンの立体機動装置を壊すシーンが描かれます。
キースとグリシャ、カルラは交友関係があり、キースはカルラに恋心を抱いていました。しかし、グリシャとカルラが結婚しエレンが生まれる。カルラはエレンに対して「特別でなくてもいい、生まれてきてくれただけで偉いんです」と語ります。キースはそんなカルラを見てエレンが調査兵団になって死の危険に合わないよう手心を加えたのです。

しかし、それにも関わらずエレンは自分の力で不安定な立体機動装置を一時的にでも安定させます。エレンのその目を見てキースは「私には何も変えることはできない」とモノローグで語ります。71話「傍観者」はそこで終わり、今回の話の破損したベルトを交換させる展開に繋がるのです。

サシャのギャグシーン

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ミカサはエレンに対して「エレンだけ開拓地にもどれと言っているんじゃない…」「その時は私も一緒に行くので…」「そんなことは心配しなくていい」と1人で語っています。自分と離れ離れになることを心配していると受取り、照れているミカサ…。あなたに私もついて行くという決意を語り、エレンの方を見ると…そこにはサシャが。ミカサが夢中で話しているうちにエレンとアルミンは去っていました。

「つまり?それ もらってもいいってことですか?」

食器を片付けるカチャカチャカチャという音だけが鳴る食堂で、無言で繰り広げられる一連のギャグ。最後のサシャの無表情のコマでオチます。「進撃の巨人」独自の世界観という感じです。

進撃の巨人16話『必要』の感想・ネタバレ

進撃の巨人16話『必要』の感想動画

関連記事

14話『原初的欲求』
15話『個々』
16話『必要』
17話『武力幻想』
18話『今、何をすべきか』

コメントをするのは「自由」だ…