この記事の目次
進撃の巨人15話『個々』のあらすじ
847年の回想。
エレン達は訓練兵団に入団する。104期生の同期たちの人となりが描かれる。
「巨人を駆逐する」という強い目的意識を持つエレンは、立体機動装置の扱いが全くできずに動揺する。
進撃の巨人15話『個々』で発生した伏線・謎
(4巻15話)
Aアニ・ライナー・ベルトルトはマーレの戦士だった。エレン・ミカサは強盗撃退の経験から面構えが違う。
(10巻42話)
Aそばかすユミルは過酷な半生を過ごしていた。
(巻話)
(4巻15話)
Aキースが立体機動装置に細工をして、機能しないようにしていたため。キースは、カルラの息子エレンを兵士にしたくないと考えていた。
(18巻71話)
残された謎
進撃の巨人15話『個々』で解決した伏線・謎
進撃の巨人15話『個々』の表現・対比
進撃の巨人15話『個々』の考察・解説
進撃の巨人15話『個々』の考察・解説動画
サブタイトル『個々』の意味
104期生たち個々人の人となり
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
第15話から回想が始まる理由
前回までのストーリーは進撃の巨人の第1弾というイメージです。
諫山先生が語ります。
連載開始の時点では4巻の1話めに収録されている展開まではわりとかっちり考えていた。 そこから過去編が描けたらいいな、と。 すぐ打ち切りになる可能性大だと思っていた。 キャラクターの掘り下げなどは後回しで、見せ場だけを持ってくることにした。
このことから、やっとキャラクターの背景などの回想が開始したのです。
時系列について
回想が続くため時系列が複雑になるので内容の年表を見てみましょう。
壁内845年 |
・シガンシナ区に超大型巨人出現 ・ウォール・マリアは巨人の領土になる ・エレンが巨人の力をグリシャから継承 |
壁内846年 | ・人口の2割が命を落とす (人減らしのウォール・マリア奪還作戦) |
壁内847年 | ・エレンたちが104期訓練兵団に入団←第15話「個々」 |
壁内850年 |
・エレンたちが卒業 ・エレンがトロスト区奪還作戦で穴を塞ぐ |
これらが進撃の巨人1巻~3巻で描かれています。今回の4巻第15話「個々」から訓練兵になりたてのエレンたちの様子が描かれます。
訓練兵の通過儀礼
面構えが違う者
キース・シャーディス教官による通過儀礼が行われます。 面構えが違う者としてミカサ、エレン、ライナー、ベルトルト、アニ、そばかすユミルが描かれています。
マーレ戦士はマーレ国で厳しい訓練を受け知性巨人を継承しているので面構えが違っているのでしょう。
そばかすユミルは孤児として幼少期を過ごし、宗教団体の教祖として祀られ自己犠牲の末、パラディ島に送られた後に巨人化させられるという壮絶な経験をした後、顎の巨人を継承することになりました。(22巻第89話「会議」)
エレンとミカサは幼少期に強盗を殺したことがあります。そして、目の前で巨人に家族を食われました。
ここで言う面構えが違う者とは、過酷な人生経験とさらに「人を殺した経験がある者」と考えられます。マーレ戦士は戦士候補生時代から戦争で人を殺していますし、そばかすユミルは知性巨人の継承のためにマルセルを捕食しました。
面構えが違わなかった者
17巻第70話「いつか見た夢」で「面構え」という言葉が再登場します。
訓練兵の同期であるフロックが軽口をたたいている時に「お前ら本当に変わったよな…面構えっていうか」という場面でキースの恫喝を受けていたサシャ、コニー、アルミン、ジャンが描かれます。彼らは王政編で人を殺しています。面構えが違わなかった者が、面構えが違う者になり再び描かれる演出でした。
コニーとキースの身長差
キース・シャディス教官は198cm 、コニーは158cm なので40cmの身長差があります。 比率を見ると漫画的にやや大げさに描かれていて、キース教官の迫力とコニーの小柄さが伝わります。
サシャと芋
サシャのギャグは短いシーンですが手数の多さに注目です。
- なぜか芋を食べている
- 質問されてもまだ食べてる
- 驚くキースが「なっ!?」
- 質問に哲学的に答える
- 舌打ちをする
- 芋を割った時点で明らかに配分がおかしい
- 「半分どうぞ」←半分じゃない
- 「(仕方ないですね)」と本気で思ってる表情…など
合間の訓練兵同期たちの表情もシリアスなのが絶妙な空気感を出しています。この時からサシャとキースの確執が生まれるのですね。ギャグがふんだんに盛り込まれたシーンとなっています。
超大型巨人と鎧の巨人の伏線
超大型巨人
エレンは巨人を見たことのない同期たちに取り囲まれて質問されます。「どんな顔だったの?」というコマでベルトルトがこちらを見ています。よく見るとベルトルトの奥にアニが描かれているのも細かいです。
鎧の巨人
「鎧の巨人」について質問されたコマにライナーが描かれています。ベルトルトとは違い、そっぽを向いていますが、恐らく聞き耳を立てているでしょう。
パンを食べるエレン
「普通の巨人」について質問されたエレンは、カルラが捕食された場面を思い出して吐き気を催します。同期たちはその様子を見て絶望の表情になります。一旦、解散の雰囲気でしたが、エレンは「違うぞ…」と言ってパンを食いちぎります。絶望の空気を断ち切るように、エレンは恐怖を乗り越えてパンを豪快に食べます。
そして、そのパンを持つ右手の震えを左手で抑えるようにして「あんなの敵じゃない」と強がりを言います。その姿を見て同期たちは驚きつつも空気が和らぎます。
この食事を通じてキャラクターを描く演出はフード理論と言われるもので諫山先生が参考にされている演出。詳細はこちらの動画で語っています。
ジャンの恋敵エレン
ジャンはエレンに対して食ってかかりますが仲直りします。そして、通り過ぎるミカサに一目惚れしたジャンは「とても綺麗な黒髪だ…」と照れながらもミカサの髪を褒めます。
ここまでは素敵な流れですが…ジャンは直後に絶望の顔になります。
まず、ミカサがエレンに駆け寄って仲睦まじく会話をしています。そして、エレンが「髪を切ったほうが良い」とミカサに言うとミカサが「わかった、切ろう」と即答するのです。 ジャンの褒めた黒髪がエレンの一言によってあっさり切られることになります。さらにジャンの褒めた言葉もミカサに1ミリも届いていないのも悲しいです。これにはジャン、激オコです。
ジャンは右手をコニーの背中で拭います。その手は、さきほどの仲直りの証としてエレンに触れた手です。シリアスな絵柄でのギャグが秀逸です。
進撃の巨人15話『個々』の感想・ネタバレ
進撃の巨人15話『個々』の感想動画
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