この記事の目次
進撃の巨人34話『戦士は踊る』のあらすじ
ストヘス区
女型の巨人との戦いは終わったが、硬質化したアニから情報を聞き出すことはできなかった。
壁内巨人についてなにかを知るニック司祭は「あの巨人に日光を当てるな」と焦る。
ハンジはニック氏祭を問い詰めるが、なにも情報を得ることはできなかった。
ストヘス区内の憲兵団支部の施設で会議をするエルヴィン達。
そこにウォール・ローゼ内で巨人が発生した情報が届く。
104期生隔離施設(12時間前)
ストヘス区での女型の巨人捕獲作戦に参加していない104期生は、ウォール・ローゼの南区の施設に幽閉される。
ミケは巨人が襲来する気配に気づく。ウォール・ローゼが破壊されたと推測する。
進撃の巨人34話『戦士は踊る』で発生した伏線・謎
(8巻34話)
Aニック司祭は、レイス家が真の王家であること、壁の中に巨人がいることを知っていた。人類の記憶が改ざんされていたことも知っていた可能性がある?
(14巻56話)
(8巻34話)
Aライナー&ベルトルトはマーレ戦士の敵。アニの安否を気にしているので、足止めされている状況をなんとかしたい。ベルトルトは、自分たちが疑われていることや今後の行動について考えていそう。ライナーの「ウォール・ローゼが破壊されたってことだぞ」発言も、自分たちが壁を壊していないのだから、そんなわけは無いだろうという確信に基づくもの。
(10巻42話)
(8巻34話)
Aウォール・ローゼは破壊されていない。巨人が発生したのは、マーレ軍の威力偵察。ジークの脊髄液によるものだった。
(11巻46話)
(8巻34話)
Aアルミンの予想通り。ハンジの分析とも合致する。3重の壁を人間が造ったわけではなく、巨人の能力で造ったことが分かる。
(9巻37話)
残された謎
進撃の巨人34話『戦士は踊る』で解決した伏線・謎
進撃の巨人34話『戦士は踊る』の表現・対比
進撃の巨人34話『戦士は踊る』の考察・解説
進撃の巨人34話『戦士は踊る』の考察・解説動画
サブタイトル『戦士は踊る』の意味
ライナー達戦士が幽閉され、巨人襲来で状況がつかめず「踊らされる」こと?
状況整理
今回の話で抑えておきたいのはストヘス区とウォール・ローゼ内の隔離施設の2箇所でストーリーが展開していることです。★トーマの動きが物語を繋ぐ役割を担っています。
ストヘス区
- エレン、アルミン、ミカサ、ジャンはアニ捕獲作戦後、ベッドで休むエレンの部屋で話をしています。
- ハンジやモブリット達は剥がれた壁の中の巨人についてニック司祭を問い詰めています。
- エルヴィンはストヘス区長に今回の作戦を総括する会議を行っています。←★トーマが巨人の報告
※アニメでは上記が同時進行している。漫画では3.は夜でハンジも同席。
ウォール・ローゼ南区
12時間前、他の104期生はミケ、ナナバ、ゲルガーらによって監視され隔離されています。ここで巨人が発生しトーマがエルヴィンの元へ報告に行きます(そして、12時間後に上記3.の★に到着した)。
地理についてはウォール・ローゼ内に巨人が出現編を参照してください。
※アニメテロップに「ウォール・シーナ」とありますが、 正しくは「ウォール・ローゼ」と旧Twitterで発表がありました。(https://x.com/anime_shingeki/status/848160159008411648)
【お詫びと訂正】
#26 の本編内にて、テロップの誤表記がございました。誤)ウォール・シーナ
正)ウォール・ローゼ深くお詫び申し上げます。 #shingeki
— アニメ「進撃の巨人」公式アカウント (@anime_shingeki) April 1, 2017
なぜ隔離されているのか?
32話「慈悲」の回想シーンで「女型の巨人」が104期メンバーの中にいる疑いがかけられました。
アニが女型であるならば、他にも巨人になれる仲間がいるのではないか?ということで104期生の中に敵である巨人がいることを仮定して一時的にある場所に隔離していたのです。
仲間がいると考える理由は
- 第20話「特別作戦班」で巨人の被検体ソニーとビーンが殺された現場から2人以上の計画的犯行と予想される
- 壁外調査で女型の巨人が現れたことからアニに密告した人物がいると考えられること
第22話「長距離索敵陣形」にて女型は右翼側から現れて右翼索敵班を壊滅状態にしました。第23話「女型の巨人」でライナーがエレンは右翼側にいる、と言っていることからライナーがアニの協力者であることを示唆している伏線にも読み取れます。
さらに彼らには立体機動装置やブレードなどの武器を装備しないこと、つまり私服で待機することを命令しています。これは反撃や逃亡のリスクを回避する上で重要です。エルヴィンの考えでは、超大型巨人や女型の巨人が逃亡する際に立体機動装置を使っていたことを仮定しているからです。
そして、この隔離施設では調査兵団のナンバー2であるミケが監視の担当について有事に備えています。ちなみに、調査兵団ナンバー1のリヴァイは今、怪我をしていますが結晶化したアニを監視する役目を担っています。
隔離先のキャラクター
サシャとコニー
コニーとサシャは双子のように左右反転して頬杖をついたポーズをしています。さらに自分の村と自分の故郷が近いという所で似ているというキャラクターです。
ベルトルト
ベルトルトはライナーとチェスで暇つぶしをしているように見えます。しかし、マーレの戦士であること知った上で見返すとベルトルトは現在の状況を冷静に整理しているように見えます。
調査兵団の中でもエレンとミカサとアルミンが不在なことも何か裏がありそうですし、戦闘服を着ずに待機という指示についても不自然です。一体何が行われているのか?と考えています。
兵士ライナー
コニーが夜に抜け出して村に帰りたい、ということを言います。それに対してライナーが「お前が本気なら協力するぞ」と言います。コニーに「なんで?」と聞かれたライナーは的確に答えます。
「何で私服で待機なんだ?戦闘服も着るな。訓練もするなだぞ?なぜだ?俺たちは兵士だぞ!」
この発言を読み返して面白い点はライナーがマーレの戦士であるライナーが兵士モードになっている可能性がある、という点です。この戦える準備をするべき、という発言はマーレの戦士として自分たちが疑われていることを遠回しに言っているのではなく、兵士としての発言という面もあります。
第42話「戦士」以降でライナー自身の自我が「兵士か戦士か」混乱している問題が浮上します。それを踏まえて考えるとこの時のライナーは兵士とも考えられます。つまり、パラディ島側の人間に情が移っていて、自分がマーレ国の戦士で始祖を奪還するという作戦を忘れている状態です。調査兵団の一員として「壁の外の巨人と戦うぞ」と思っている兵士モードになっているので「なぜだ?俺たちは兵士だぞ!」と本気で言っている可能性もある、そんな場面です。
ウォール・ローゼ内に巨人が出現
104期生たちが会話をしている時に巨人が出現します。ライナーが「ここに巨人がいるって言いたいんなら、そりゃ…ウォール・ローゼが破壊されたってことだぞ?」と語ります。
このライナーの発言は状況を分析して危機感を持っているパラディ島の兵士のように見えます。しかし、マーレの戦士としての発言は一体誰が壁を壊したのか?そんなことはあり得ない、というような状況です。ライナーとベルトルトはアニの捕獲作戦が行われていることも知りません。
今回の話は登場人物たちがお互いに状況が分かっていないことや、それぞれが何を考えているかが分からないように描かれているのが複雑です。
ミスリード
ライナーたちを隔離して監視してた兵士が「104期調査兵団の中に巨人はいなかった…」と言うシーンがあります。これはミスリードでもあり、高度なギャグのようにも見えます。監視の兵士たちは超大型巨人や鎧の巨人によって壁に穴が開けられ、巨人が入ってきたと思っているのでこの場にいる104期生の中に超大型巨人や鎧の巨人はいないんだと早合点をしているのです。
このコマで注目なのが「巨人はいなかった」と言いつつも実際には巨人が3人もいることです。ライナーの鎧の巨人、ベルトルトの超大型巨人、ユミルの顎の巨人です。さらには壁内の王家であるヒストリア、家族を巨人にされたコニーと重要人物ばかりというのも皮肉が効いています。
ストヘス区の壁の中から巨人の顔が現れる
ウォール教のニック司祭
ニック司祭は第19話「まだ目をみれない」でエレンの処遇をどうするかという兵法会議で初登場しています。「奴は神の英知である壁を欺き、侵入した害虫だと、今すぐに殺すべきだ」と語ります。このニック司祭が信仰しているウォール教は壁の強化や地下道の建設を拒む姿勢でした。そして、どうやら王政が権力を与えているらしい、ということがこの時点では分かっています。
壁の中の巨人の秘密
壁の中に巨人がいることが判明するとニック司祭はハンジに「あの巨人に日光を当てるな」と言います。これは他の無垢の巨人と一緒で壁の中の巨人も光に反応して動き出してしまうからだと思います。
ニック司祭は壁を守ることにただならぬ使命を持っています。
ハンジに脅された時も「今…!!この手を離せ!!」と言うように、壁の中の秘密は話さない覚悟を見せます。壁の中の巨人の秘密を知っているウォール教とそこに権限を与えている王政が秘密を隠していることが分かります。これらが今後の伏線になっていきます。
ハンジの恐怖
「いつのまにか忘れてたよ…こんなの…初めて壁の外に出た時以来の感覚だ…」「怖いなぁ…」
口を割らないニック司祭に対してハンジが怒りだけでなく恐怖を感じている描写があります。上記のセリフの前に体が小刻みに震えているのです。
この恐怖の種類は巨人への物理的な巨大なものと対峙して命を落とすかもしれない怖さももちろんあります。さらに今回は、未知の物の得体の知れなさ、この世界自体が知っている世界ではなかったという足元が崩れる恐怖もあります。そして、その世界の秘密を知っていて、それを命縣けで守ろうとしている人物がいることも恐怖です。日常生活が変わってしまう当たり前のものが崩壊する怖さや不安に加えて、夕闇が迫っている描写も恐怖を駆り立てます。
その他のストヘス区のキャラクター
アルミン
アルミンの冗談めいた思いつきが当たっていた描写があります。
「少なくとも100年間ずっと立ちっぱなしだったから…そろそろ散歩でもしだすと思うな…一斉に」
この時点で既に地鳴らしに関する話をしています。
「あの壁ってさ…石の継ぎ目とか何かが剥がれた跡とかなかったからどうやって造ったのかわかんないけど、巨人の硬化の能力で造ったんじゃないかな…アニがああなったように効果の汎用性が高い」
145代フリッツ王がパラディ島に来て三重の壁を作ったという話もここでアルミンが予想しています。アルミンの冗談や予想の発言が当たっている点も見返してみると面白いです。
憲兵団のヒッチとマルロ
「アニってばこんな時にサボりやがって…」「あぁ…まったくだ。あいつどこ行きやがった」
このセリフから分かるようにヒッチとマルロがアニが「女型の巨人」だったということを知りません。文句を言う2人の後ろでアニは布に覆われて運ばれている状況です。ヒッチとマルロは後に再登場します。
ジャンの恋心
寝ているエレンの部屋にいたミカサ、アルミン、ジャン。
兵士がアルミン達を迎えに来たことをきっかけに「お前も外に出た方がいいと思うなぁ」と声をかけます。
このセリフから考えられるのはミカサがエレンと二人きりになることを阻止したい、ということでしょう。
他に考えられるのが会議に呼ばれたアルミンを送るフリをしてその後に2人きりになれると期待しているの可能性です。兵士の「ミカサも会議に出られると思うけど?」の所でジャンがのけぞり気味で固まっています。そしてミカサの「私はここにいます」で全力で落ち込んでいるジャンの姿、という一連の流れが見どころです。
進撃の巨人34話『戦士は踊る』の感想・ネタバレ
進撃の巨人34話『戦士は踊る』の感想動画
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