【進撃の巨人】第32話『慈悲』考察・解説・感想【ネタバレ】

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進撃の巨人32話『慈悲』のあらすじ

エレンの回想の中で、女型の巨人がアニだと見破ったのはアルミンだと判明。
兵士に取り押さえられながらも、アニは指輪に仕込んだ刃物で巨人化する。
エレンは現実を受け入れられず、巨人化を躊躇う。
しかし、世界の残酷さを受け入れ、覚悟を決めて巨人化する。

【時期】850年
【場所】パラディ島 ストヘス区

進撃の巨人32話『慈悲』で発生した伏線・謎

Q
(8巻32話)

A
(巻話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(8巻32話)

A
(巻話)

進撃の巨人32話『慈悲』で解決した伏線・謎

Qアルミンがアニの立体機動装置を見る
(5巻21話)

Aアルミンは、仲の良かったマルコの立体機動装置を、アニが持っていることに疑問を持っていた。
(8巻32話)

Qジャンの「死に急ぎ野郎」発言をアニ・アルミンが聞いている。
(5巻21話)

Aアルミンが104期生にしか通じない「死に急ぎ野郎」という言葉を使う。女型の巨人が反応したことから、その正体は104期生だと推測する。
(8巻32話)

Qマルコの最期が謎。立体機動装置もつけていないで、人知れず死んだ
(5巻22話)

Aマルコは口封じのためにライナーたちに殺された。その際に、立体機動装置をライナーに外された。アニは、ソニー&ビーンを暗殺するときに、マルコの立体機動装置を使用した。
(8巻32話)

Q女型の巨人の正体は?
(5巻22話)

A104期生のアニ・レオンハートが女型の巨人だった。
(8巻32話)

Qエレンが女型の巨人の何かに気づいて「……ア」と発言
(7巻29話)

A女型の巨人の戦い方を見て、アニを想起した。「ア」はアニのことを言いかけた可能性もある?
(8巻32話)

Q女型の巨人は格闘術を使える。足技でエレン巨人がやられる
(7巻29話)

A女型の巨人の正体はアニ。エレンに格闘術を教えたのはアニだった。女型の巨人の蹴り技がエレンの脳裏に残る。
(8巻32話)

Qアニがアルミンの提案に乗りながらも、指輪をつけた理由
(8巻31話)

A指輪の中の刃物を使えば、指先だけ動かして、巨人化が可能。アルミンの提案に乗った時点で、アニは最悪のケースを考えていたと分かる。
(8巻32話)

進撃の巨人32話『慈悲』の表現・対比

1ミカサは幼少期から見てきた「この世界の残酷さ」を思い出し、目の前の無垢の巨人と戦う覚悟を決める。
(2巻7話)

2エレンは「世界が残酷」であることを受け入れて、アニ巨人と戦う覚悟を決める。
(8巻32話)

進撃の巨人32話『慈悲』の考察・解説

進撃の巨人32話『慈悲』の考察・解説動画

サブタイトル『慈悲』の意味

エレンは、女型の巨人であるアニに慈悲・情けを感じて、戦うことに躊躇する。
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

時系列

今回、回想シーンが入るので時系列が少し複雑になります。

1.〜6.が実際の時系列です。

①〜④が漫画で描かれている順番です。

  1. 第57回壁外調査で「女型の巨人捕獲作戦」が失敗【A】
  2. 【A】の数日後、アルミンがエルヴィンに女型はアニが怪しいと報告。
  3. リヴァイとエレンがテーブルで話している←③第32話「慈悲」回想シーン
  4. 女型はアニ、地下通路捕獲作戦を立案「決行日は明後日」←④第32話「慈悲」回想シーン
  5. 憲兵団ストヘス区支部で寝坊するアニ←①第31話「微笑み」前半
  6. アニVS調査兵団←②第31話「微笑み」後半〜第32話「慈悲」前半
  7. エレンが巨人化←⑤第32話「慈悲」後半

アニの賭け

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

8巻では「賭け」という表現がよく出てきます。

第31話「微笑み」でアルミンはアニに協力を仰ぎに行った時に「大きな賭けをするしか…もうないんだ」と言っています。さらに、アニもアルミンに正体がバレてしまった時に「私が賭けたのはここからだから」と言って女型になるというように「賭け」という言葉が使われています。

今回のアニは仲間のアルミンや捕獲対象のエレンを殺す覚悟で戦います。地下通路で爆発とともに女型に巨人化しますが、その爆発は人間が死亡するほどです。ミカサの一瞬の判断でなんとかエレンもアルミンも無事でした。地下通路の奥に逃げたエレン達の退路を断つために地上から通路を踏み抜きます。人が死亡している描写があるように一歩間違えばエレン達も踏み潰される所でした。

アルミンはそれを見てこのように語ります。

「賭けたんだ」「エレンが死なないことに賭けて穴を開けた」「アニは死に物狂いでエレンを奪うつもりだ」

この時のアニはアルミンを殺すことも覚悟の上です。さらに、エレンが死亡する可能性があったとしても捕獲しようという責めた戦い方をしています。

エルヴィンの賭け

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エルヴィンもまた賭けに出ています。第28話「選択と結果」で巨大樹の森でアニに逃げられたエルヴィンは「すべてを失う覚悟で戦わなければならない」「そうして戦わなかれば人類は勝てない」というように覚悟を改めた演出がありました。これはエルヴィンの作戦に賭ける精神が増した、ということです。

「これらすべての危機を打開するべくして作戦は立てられた」「これにすべてを賭ける」「次は…無いいだろう」とエルヴィンが語ります。

今の状況としては「女型の巨人」らしき人物であるアニを捕獲する作戦を成功させないとエレンが中央政府に取られて、調査兵団も解体の危機となります。それらの問題すべてを打破するため、この作戦にすべてを賭けていたのです。

今回の作戦の「賭け」の部分は以下です。

  • アニが女型だという証拠がない
  • 捕獲できるか分からない
  • 捕獲したとしても被害が出る可能性がある
  • エレンを奪われるリスクもある

全員がリスクを恐れない作戦でお互いに戦っていく状況になる展開が面白いです。

迷うエレンの心

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンは女型の正体がアニと判明してもすぐに巨人化できません。エレンは同期であるアニを疑いたくもなかったですし、戦いたくないのです。

ミカサとアルミンに「なんでお前らは…戦えるんだよ」と問いかけるのです。

ミカサは「仕方ないでしょ、世界は残酷なんだから」と言います。

ミカサとかアルミンの立場からするとエレンを助けるためには女型の巨人であるアニを倒さないといけないという覚悟が決まっています。

一方でエレンの心はまだ揺れていて、アニが女型の巨人と判明してもアニは実際に3年間共に訓練をしてきた仲間であることに迷いがあります。

しかし、ミカサが語るように世界は残酷です。つまり、何かを得るためには何かを捨てなければいけない。誰かが生きるには誰かが死ぬ必要があるという残酷な世界だ、ということをミカサは語るのです。

エレンの覚醒

「巨人を駆逐してやる」と言っていたエレンが実際に巨人の力を手に入れてみると、周囲から化け物と言われたり、仲間と離れたり、と不安になってしまいます。そんな中、リヴァイ班に励まされて「これから頑張るぞ」という時にアニに敗北します。この辺りからエレンは落ち込み、力を持つことに対して疑問を持ってしまいます。ミカサとアルミンはアニを倒す覚悟はしていますが、エレンは大きな葛藤をしている。そんなエレンがミカサの「世界は残酷なんだから」という言葉によって覚醒します。

エレンは現実に抗うためには残酷な選択をしないと前に進めない、という覚悟を決めるのです。自分がアニを倒さないとアニに殺されるかもしれない、ミカサもアルミンも他の仲間も死んでしまう。目の前の残酷な現実を受け入れて、巨人の力を行使することで役割を背負って、アニを倒すことを決めたのです。

アニを倒すことを決意したエレンの心境の変化について諫山先生がインタビューで語っています。

諫山 「最初は根拠のない全能感を抱いていたエレンが、いざ世界を変えられる巨人の力を手にした時に、逆に「自分でいいのか?」といった疑問や責任を感じてしまう。KC8巻でのエレンにとっての”通過儀礼”を経て、そうした思いが「巨人の力を背負って役割を果たそう」という決意に変わっていったんですよ。」

(進撃の巨人 ANSWERS、諫山創、講談社)

この通過儀礼を経てエレンは成長します。諫山先生がインタビューでこのエレンの通過儀礼について語っています。

諫山 アニが正体を明かした時は、エレンの中にあったのは怒りではなく戸惑いでした。なぜ彼に戸惑いを覚えさせたかといえば、物語を語る上で主人公を葛藤させる必要があったからです。あのまま戦いに入ってしまうのではなく、主人公が何かを決断した時に、物語が肯定的に好転するところが描きたかった。そういったカタルシスを描くために、迷わせるというか。

(進撃の巨人 ANSWERS、諫山創、講談社)

エレンが戦いの覚悟を決めて覚醒するまでに時間がかかったのは通過儀礼だったからであり、葛藤の場面は作品上不可欠だったということです。

リヴァイとエレンの会話

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

回想シーンの中でリヴァイとエレンの2人だけの空間が描かれます。エレンの身柄が引き渡されることになり、憲兵団がその迎えに来る予定で、その前に調査兵団たちでアニの地下通路での捕獲作戦について話し合います。この場面は調査兵団が集合する前の時間です。

リヴァイがエルヴィンが遅いことをトイレが長い、などと冗談を言います。それに対して、エレンが「ハハハ…」と乾いた笑いと「兵長…今日は…よく喋りますね」と返します。リヴァイは「俺は元々結構喋る…」とツッコミを入れます。

冗談を言ったり声をかけたりしてエレンを励まそうとしているリヴァイの優しさを感じる場面です。エレンはそんなリヴァイの様子を感じ取って「…すいません」「オレが…あの時…選択を間違わなければ」と謝罪します。リヴァイは「言っただろうが」「結果は誰にもわからんと」と返します。

寂しい部屋

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

リヴァイとエレンの部屋はわずかな擬音と少ない吹き出しから静けが表れています。

第26話「好都合な道を」のリヴァイ班がいる場面では人が集まり、和気あいあいと巨人の力について話したり、仲間の絆を高め合うような前向きな会話をしていました。

それと対比的に今回の部屋は寂しさを感じさせますし、後悔しているエレンの描写が重い空気になっています。

人の密度の変化も寂しいですし、失ってしまった人物の喪失感も感じます。

ただ、この後の展開ではエルヴィンのが指揮により新たなメンバーとともに新たな作戦が始まります。これが過去から前に進む調査兵団を予感させます。

ミカサが怖すぎる

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

女型の正体が判明しても中々、巨人化できないエレン。その場面でミカサはホラーを思わせるような怖い顔をしています。

アニを巨人として倒すことに躊躇している状況のエレンに対してミカサが「あなたの班員を殺したのはあの女でしょ?まだ違うと思うの?」と顔を覗き込んで言ってくるのです。

この場面は見つめたくない真実を怖い顔で突きつけてくるという圧を感じる描写です。

ラブコメギャグ

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ミカサは巨人化できないエレンに「それとも何か特別な感情が妨げになっているの?」と聞きます。

これは「ひょっとしてアニに恋愛感情とかあるの…?」という表現です。ミカサはエレンのことが大好きなのでこんなことを突然エレンに聞くのですがエレンにはアニに恋愛感情は無いので「は!?」と驚きます。

生きるか死ぬかの時にラブコメのような展開になる、というギャグを入れてくるが面白いです。このミカサの様子からエレンがミカサ以外を好きになったら…、あるいはミカサと付き合って浮気でもしたら…恐ろしいことになりそうだぞ、という場面になってます。

 

進撃の巨人32話『慈悲』の感想・ネタバレ

進撃の巨人32話『慈悲』の感想動画

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