この記事の目次
進撃の巨人47話『子供達』のあらすじ
調査兵団が迫ってくることを察知したライナー達は、エレンを連れて逃走を試みる。
追っ手の中にクリスタがいると察したユミルは、クリスタを連れてくる作戦を提案する。
ライナー達は「協力する」or「邪魔される」の二者択一の末、ユミルの提案に渋々乗る。
104期生たちの前に現れたユミルは、クリスタを口の中に入れて逃走。ライナーたちと壁の外を目指す。
進撃の巨人47話『子供達』で発生した伏線・謎
残された謎
進撃の巨人47話『子供達』で解決した伏線・謎
進撃の巨人47話『子供達』の表現・対比
進撃の巨人47話『子供達』の考察・解説
進撃の巨人47話『子供達』の考察・解説動画
サブタイトル『子供達』の意味
ライナー・ベルトルト・ユミルたちの子供時代(幼少期)が一部明らかになる
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
ライナーとベルトルトの計画
計画を成功させるためにはライナーが戦士のままでいてもらうことが重要です。ベルトルトが「ライナー…君は…今…何だ…?」と確認しているのはそのためです。
計画の内容について見ていきます。現在の2人の目標は4つあります。
- 座標を探す
- エレンをマーレ国に連れて行く
- ユミルをマーレ国に連れて行く
- クリスタもマーレ国に連れて行く
これらについて細かく見ていきましょう。
1.座標を探す
これはライナーたちの最も優先するべき事項です。ライナーとベルトルトが語っている「座標」とは「始祖の巨人」のことです。これを奪うことを目的にマーレの戦士はパラディ島に乗り込みました。これをマーレでは「始祖の奪還作戦」と銘打っています。
現時点でライナーたちも読者も「始祖の巨人」を誰が持っているかは不明です。ライナーたちはその手がかりをずっと探していましたが未だライナーたちは分かっていない状況です。
2.エレンをマーレ国に連れて行く
エレンは知性巨人を持っていることが判明しているのでマーレに連れて行こうと考えています。
エレンは「9つの巨人」のいずれかを所持していることは確実です。「始祖の巨人」でなかったとしても重要な巨人の中の1人のはずと考えたでしょう。
マーレ国は「進撃の巨人」の行方も分かっていなかったのでどこかに潜伏していると想定していたでしょう。そのため知性巨人を見つけ次第、確保するという教育がされていたと想像できます。
3.ユミルをマーレ国へ連れて行く
ユミルの「顎の巨人」を持ち帰ることも優先度が高いです。「顎の巨人」は元々、マーレが保持していたものがユミルに奪われてしまったので確実に持ち帰る必要があります。
4.クリスタをマーレ国に連れて行く
クリスタを連れて帰る理由は2つあります。1つ目はユミルをマーレに連れていく交渉のため、2つ目はクリスタがウォール教の重要人物(王家の一族)だからです。
この2点があるのは好都合です。マーレ国にとってもクリスタが重要人物であり保護対象であるとユミルに伝われば、ユミルとクリスタが一緒にマーレ国に来てくれる可能性があります。
クリスタが重要人物であることについてライナーがベルトルトと語っています。
「忘れたか?訓練所をうろついていた奴をアニが尾けて調べたことがあったろう」「クリスタを監視していた奴は壁の中身を知るウォール教の連中だった」
訓練兵時代、クリスタの監視役がうろついているのをアニが調査していました。さらにアニは調査のために行動しています。
第97話「手から手へ」でアニがケニーを尾行している様子が描かれます。これは先程のクリスタの監視役の調査とは違う任務です。
「彼が王都からどこに向かうのか調べれば…壁の王まで辿り着けるかも……」
この男はケニー・アッカーマンであり「始祖の巨人」を持つ壁の王と協力関係にある中央第一憲兵の人物です。アニの言う通り、ケニーを追跡すればいずれ壁の王にたどり着いたでしょう。しかし、ケニーの方が戦闘力が勝っていたため、ケニーはアニを撃退します。アニはそれ以上、壁の王の調査ができず「始祖の巨人」の行方も分からずじまいだったのです。
これらのことから、ライナーはクリスタはウォール教の重要人物らしいのでもしかして「始祖の巨人」を保持しているかもしれない?そうでないにしても何か知っているかもしれない、という認識です。あくまでもエレンが「始祖の巨人」を持っていなかった場合の保険のような位置づけです。
ユミルの3つの感情
1.クリスタを助けたい
クリスタを助けるためには調査兵団からクリスタを連れ去る必要があります。クリスタが抵抗したり、調査兵団から攻撃されれば不可能です。現在は調査兵団が追ってきている状況でクリスタをさらうことは困難です。ライナーが言うように機会を待つという選択肢もあります。
2.クリスタに会いたい
調査兵団がエレンを助けるためにライナーたちを追撃しに来ます。
ユミルはその調査兵団の中にクリスタもいるはずだと見抜きます。クリスタもマーレ国に連れて行くことを条件にユミルはライナーたちに着いて行くことにしたので「連れ去るなら今だ!」と言います。
ベルトルトはその案を却下します。逃げ切れるかどうか分からない状況でクリスタを連れ去ることは困難です。
しかし、ユミルにとってはクリスタを助けることを最重要であり、将来的に滅ぶであろうパラディ島に残していくよりマーレ国に連れて行きたいと考えています。
「今あいつに会いたい…このままじゃ二度とあいつに会えないんだろう?」
ユミルはマーレの戦士である「顎の巨人」を捕食したことを伝えられています。マーレ国に行くということは「顎の巨人」をマーレ国に返すこと、つまり次の戦士に捕食されることを意味します。それはマーレ国に着いてすぐに実行されるかもしれないのです。そうなればユミルはクリスタに二度と会えない可能性もあります。
ユミルの「信用できない」はという意味はクリスタがマーレ国へ着いて保護されるのを見届けなければ安心できないという意味です。ライナーは「信じろ!」と言いますが、ここで証明させるために「今会わせろ」とストレートに表現しています。
3.「顎の巨人」を返す気持ちもある
ユミルはベルトルトから誰を食ったか覚えているか?という質問にこう答えます。
「お前らの仲間だったのか?そうか…すまないな…覚えてすらいなくて」
クリスタを第一優先にして行動していますが、それとは別にライナーとベルトルトの仲間を食ったことに対する申し訳無さも感じています。マーレ国にクリスタと行くのであれば、奪ってしまった「顎の巨人」をマーレ国に返そうと考えているでしょう。
以上のユミルの3つの感情、1.クリスタを助ける、2.クリスタに会いたい、3.「顎の巨人」を返す、これらがユミルの中では入り混じっている状態です。この優先順位が複雑で状況によってこの順位が入れ代わり、ユミルの言動が変わるのが注目です。
ユミルの駆け引き
「この地形なら私が一番強い」
ベルトルトの「超大型巨人」は動き遅いです。ライナーの「鎧の巨人」も走ることはできますがユミルの「顎の巨人」の方が素早いです。特に巨大樹の森のような障害物があったり、複雑な地形では俊敏なユミルが戦闘では有利ですし、木を伝って逃げることも可能です。
「今この場を支配できるのは私なんじゃねえかと思わないか?なぁ?」
ユミルはベルトルトを脅しています。今、クリスタを調査兵団からさらいに行くこと、それができないならエレンを奪って逃げるということを言い出します。これはライナーとベルトルト側は断れない状況です。ユミルの案に乗らなければ、ユミルの「顎の巨人」とエレンの知性巨人の両方を失う可能性があり、そうなればかなりの損失です。
「それとも殺し合うか!??」「私が正気か確かめてくれよ!!」
という言葉でベルトルトは怯み、ライナーはユミルの提案を受け入れクリスタをさらう計画を進めます。具体的な作戦はライナーとベルトルトは森の外で待機、ユミルが森の中で調査兵団をおびき寄せてクリスタをゲットしてくるという計画です。
ユミルは104期生には味方だと思われているので調査兵団が攻撃してこないと想定しています。そして、クリスタを見つけ出し、パクっと口の中に捕獲してライナーたちと合流します。
ユミルは敵か味方か?
ユミルがクリスタを食べた場面での104期生のリアクションが面白いです。
「俺は別に…あいつが味方だとは限らねぇと思ってたがな!」
ジャンが俺は知ってた風な素振りで仲間を指揮します。ミカサに目線がいっているあたり、ミカサを意識している感じもあります。
アルミンも「明らかに敵対的だ!ライナー達に協力する気なんだ!僕らはおびき寄せられていた!」と語ります。
アルミンとジャンのは戦局を見極められる人物なので冷静に判断しています。一方でコニーは驚き、ミカサは「なんで?」という反応をしています。短い場面ですが、キャラクターの性格が違うことが伝わってきます。
連合軍
今回、珍しい事態が起きています。調査兵団と憲兵団、駐屯兵団が一緒に行動しており、3兵団が共に戦っている状態です。
今回の目的はエレンを奪い返すためにライナーたちを追撃することです。エルヴィンは「戦闘は目的ではない!」と指揮していますが、逃げるだけでも精一杯な憲兵団は無垢の巨人に捕食されています。
「また憲兵が…」
ジャンのこの呟きは憲兵がここに来るまでも食べられてしまっているということです。憲兵団は巨人との戦闘経験がほぼありません。第45話「追う者」でリヴァイに皮肉を言っていた憲兵団の兵士たちもここで巨人に食われているかもしれません。
ベルトルトのアニへの思い
「故郷に帰ったらアニに自分の思いを伝えろ」
今後の計画を話している時にライナーはベルトルトにそう語ります。
ベルトルトが「な…何を!?」と照れてとぼけていますが、ライナーはベルトルトがアニを目で追っていることに気づいていました。
「先の短い殺人鬼同士だろ?こんなの俺達以外に誰が理解し合えるっていうんだ」
ライナーとベルトルト、アニのマーレの戦士には13年の寿命、つまり「ユミルの呪い」があります。パラディ島に着いてから5年は経っているので数年で死んでしまうことが決まっているのです。
若者同士の恋バナの雰囲気ですが実際には辛い内容です。しかも、この時点でベルトルトとライナーはアニが捕まったことをまだ知らないのです。第48話「突撃」のゲスミンの精神攻撃がベルトルトに効くのもこの前提があるからです。そして、超大型巨人を継承するアルミンがアニを好きになるという展開も心えぐられます。
進撃の巨人47話『子供達』の感想・ネタバレ
進撃の巨人47話『子供達』の感想動画
関連記事
43話『鎧の巨人』 | |
44話『打・投・極』 | |
45話『追う者』 | |
46話『開口』 |
47話『子供達』 | |
48話『誰か』 | |
49話『突撃』 | |
50話『叫び』 |