【進撃の巨人】第43話『鎧の巨人』考察・解説・感想【ネタバレ】

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進撃の巨人43話『鎧の巨人』のあらすじ

鎧の巨人から逃れるために、エレンは巨人化する。
エレン巨人は怒りに震えながら、鎧の巨人を攻撃するが、カウンターを食らう。
一方、調査兵団兵士は、超大型巨人に攻撃を仕掛けるが、熱風に阻まれる。

進撃の巨人43話『鎧の巨人』で発生した伏線・謎

Qエレン発言「人類史上こんなに悪いことした奴はいねぇよ」
(11巻43話)

A
(33巻131話)

Qエレンの発言「本当に気持ち悪いよ」
(11巻43話)

A
(34巻139話)

Qベルトルトがユミルと一般兵士を捕食した理由は?
(11巻43話)

Aユミルの奪われた「知性巨人」をマーレに持ち帰るため。一般兵士の方は、立体機動装置を奪うため。
(11巻45話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(11巻43話)

A
(巻話)

進撃の巨人43話『鎧の巨人』で解決した伏線・謎

進撃の巨人43話『鎧の巨人』の表現・対比

進撃の巨人43話『鎧の巨人』の考察・解説

進撃の巨人43話『鎧の巨人』の考察・解説動画

サブタイトル『鎧の巨人』の意味

エレン巨人vs鎧の巨人の1回戦目。
※知性巨人名3回目
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

実は強かったライナー

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

「てめぇ…相当強ぇだろう」「体が動かねぇよ…」

エレンの体がボロボロになっている場面があります。エレンがライナーの強さを実感しています。ライナーは対人格闘術の訓練で力加減をしていた、実は強さを隠していたことが分かります。

冒頭で描かれいてるようにエレンが壁から落ちながらライナーを殴り、地上へ落下します。

実は、その後に地上でエレンVSライナーでエレンがボコボコにされていた、という描写です。このエレンVSライナーはミカサのモノローグ「(まるで効かない…エレンの攻撃も私の刃も効かなかった)」という場面で説明されています。(※アニメではエレンが殴られるシーンが追加されます。さらに、ミカサのモノローグでは場面を巻き戻しする演出が追加されています。)

エレンが格闘術に秀でていることが分かる場面を紹介します。

第3話「解散式の夜」でライナーが「エレンの対人格闘成績は今期のトップだぞ!」「いや…ミカサに次いでだっけ?」

第17話「武力幻想」の格闘術の訓練でエレンがライナーを投げ飛ばす場面

第18話「今、何をすべきか」でキースがエレンについて「対人格闘術に秀でる」と評価

しかし、実際にはマーレ組のアニも格闘術に長けていましたし、今回エレンが実感したようにライナーがかなり強かったということが分かります。ライナーが実際に強いのにも関わらず手加減していたこともエレンは怒っているでしょう。

ライナーへの憧れ

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

「お前は本当に優秀なやつだった」「どんな時でも冷静に大局を見て…自分より仲間のことを一番に考える奴で…」

エレンの回想で兵士モードのライナーの姿が描かれます。そして、巨人エレンはモノローグで語ります。

「(オレもお前みたいに強くなれたらいいな…とか思ってたっけ……)」

エレンはライナーを尊敬し、憧れていたのです。その反動で「お前らは本当にクソ野郎だよ」「多分…人類史上こんなに悪いことしたやつはいねぇよ」「消さなきゃ……」

です、超大型巨人、鎧の巨人、人類に壁を壊して攻撃してきた彼らにこんなふうな憎悪を持つんです。

「てめぇはこの世にいちゃいけねぇ奴だ 一体何考えてたんだ?本当に気持ち悪いよ」「お前の正義感に溢れたあの面構えを思い出すだけで…」

エレンはライナーが精神的に異常をきたしていることを知らないので、なぜあんな酷いことをしておいて正義面できるのか、吐き気がするほど怒っています。

上手と下手の話

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンとライナーが対峙する場面での位置関係を見てみましょう。漫画作品やアニメやCMなどの映像作品や舞台演出などで使われる用語で「上手(かみて)」と「下手(しもて)」という言葉があります。右側が「上手」、左側が「下手」です。上手は優勢やポジティブなイメージ、下手には劣勢やネガティブなイメージがあるとさえています。それを踏まえると上手には主人公、下手には敵がいることが自然だと思います。

今回のエレンVSライナーの場面ではそれが逆になっています。エレンが敵側、ライナーが主人公側になっているのが面白いです。

エレンがライナーのパンチを受ける場面ではライナーの右パンチが鮮やかに決まっています。かなり主人公っぽく見えませんか?巨大ロボットバトルの作品であれば「正義のロボライナーVS邪悪な怪獣エレン」という感じでしょうか。

エレンは主人公ではあるが完全な正義としては描かれていませんし、ライナーは世界を救う英雄になることを踏まえると見え方が変わってきます。

※日本の漫画は右から左に読む作りになっていますが、海外の翻訳版でも同様の形式が取られています。海外の漫画は左綴じ(左から読む)が一般的なので、進撃の巨人の海外版には右から読むように注意書きがあるそうです。参考:印刷博物館(https://www.printing-museum.org/etc/pnews/08602.php)

ハンジは敵を「彼」と呼ぶ

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ハンジが超大型巨人に攻撃を指示しますが超大型巨人が蒸気を発し続けているため攻撃ができません。

「いつまで体を燃やし続けられているかが見物だがいずれ『彼』は出てくる」「待ち構えてそこを狙うまでだ」「いいか?『彼ら』を捕らえることはもうできない」「殺せ ためらうな」

このようにハンジはアルミンに語ります。

ハンジはライナーとベルトルトとはまだ付き合い浅い状況なので「彼」と呼んでいる部分もあるでしょうが、それ以上に感情移入しないことに理由があるのだと思います。

あえて「彼」と呼ぶことで、個性のない表現で少し遠くの存在として認識する意味があるのだと思います。アルミンが躊躇うことなく殺せるよう心づもりとしての意味もあるかもしれません。

ベルトルトが兵士を捕食

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

「始祖の巨人」を持っているかは分からないけどエレンは知性巨人を確実に持っているはずだから連れて帰ろうとしています。「顎の巨人」を持っているユミルも連れて帰ろうとしています。そして、ユミルがベルトルトに捕獲された時に兵士も一人捕まえています。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ここで一般の兵士が食われた理由は第45話「追う者」で語られるように立体機動装置を奪うための捕食です。

「ユミルと一緒に口に入れた兵士の立体機動装置を着けていたんだ」「ベルトルトはユミルを抱えて鎧の巨人の背中に飛び移った」と語られています。ベルトルトやライナーにとって立体機動装置は重要な物なのです。

第28話「選択と結果」の回でハンジとエルヴィンが推論していた通り、トロスト区を襲撃したベルトルトは立体機動装置で逃げていたようです。さらに、アニも巨大樹の森で一時捕獲された時に立体機動装置を使って逃げています。知性巨人の力がある人間でも巨人の生存地域では立体機動装置が必要であることが分かります。

ちなみにライナーの立体機動装置はエレンから奪った物です(第46話「開口」より)。

コニーの思いやり

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

立体機動装置を着けていないことがいかに危険かということが分かる表現としてコニーの発言があります。さらにこの発言はライナーとベルトルトを思いやった発言なので心をえぐられます。

「ライナーとベルトルトはどこですか!?」「あいつら…立体機動装置つけていないです!どうか…あの二人を助けてください!」

コニーはライナーやベルトルトたちと離れた場所にいたので2人が巨人化した所を見ていないのでしょう。実際はライナーとベルトルトが敵だったということが判明しているので、コニーが事実を知った時のショックを考えると残酷です。

104期生の同期を心配しているコニーの心情と未来の絶望を含ませているセリフとして印象的です。

エレンVSライナー!第1回戦の決着

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

今後もエレンVSライナーの戦いは何度も描かれますが今回はエレンの敗北で決着が決まります。

見開き1ページ使ったライナーのパンチはど迫力です!

今回の戦いでは壁から落ちてからの戦闘だったので頑丈な「鎧の巨人」が優位でした。エレンはまだ巨人の練度も低いのでアニの対戦同様、マーレ組にはかないません。今回は負けてしまいましたが、エレンが巨人の練度を上げていくことや他の知性巨人の能力を得ることで強くなっていくのも面白い点です。

進撃の巨人43話『鎧の巨人』の感想・ネタバレ

進撃の巨人43話『鎧の巨人』の感想動画

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