この記事の目次
進撃の巨人110話『偽り者』のあらすじ
巨大樹の森にいるジークは「ガス兵器でラガコ村の住人を巨人化した」とリヴァイに話す。
イェレナはエレンと密会したことを認める。ピクシスはイェレナがまだ嘘をついていると見抜き、会話の詳細を尋ねる。
ハンジはオニャンコポンを信用し「マーレ軍捕虜が働く場所を探りはじめる。
アルミンとヒッチはアニの元を再び訪れる。
ヒッチは、市民たちの暴動を抑えるために、仕事に戻る。
アルミンは、ザックレー総統に、エレンとの面会を申し出るが却下される。
アルミン達が部屋を出た後、ザックレーの部屋が爆発し、ザックレーが死亡。
更には、エレンが脱走。同じく懲罰房から逃げ出したフロック・ルイーゼたちと合流する。
壁内の状況が変化する中、ピークがパラディ島に潜入していることが判明する。
進撃の巨人110話『偽り者』で発生した伏線・謎
残された謎
進撃の巨人110話『偽り者』で解決した伏線・謎
進撃の巨人110話『偽り者』の表現・対比
進撃の巨人110話『偽り者』の考察・解説
進撃の巨人110話『偽り者』の考察・解説動画
サブタイトル『偽り者』の意味
ジークは脊髄液と巨人化に関して嘘を付く。
イェレナはピクシスに嘘を付く。
ザックレーはエレンの扱いについて嘘を付く。
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
ポイント
イェレナの嘘と真実、そして“瞳”の演出
イェレナは当初、エレンと会っていないと主張していましたが、実際には密会していたことが後に明らかになります。また、「マーレを打ち砕く希望がジークである」「安楽死計画を共有していない」なども虚偽であり、ピクシス司令との会話を見返すことでその嘘が浮き彫りになります。
一方で、「エレンに私を知ってほしい」「ジークが希望を見せてくれた」といった発言には、イェレナの本音が含まれていると考えられます。彼女の“瞳”にも注目すべきで、感情がこもっているときには瞳が輝いており、逆に虚無的な時には黒く塗りつぶされたような目になっている演出がなされています。
「心臓を捧げよ」に込められた皮肉
もともと「心臓を捧げよ」は、調査兵団の士気を高める合言葉でした。しかし今回は、一般市民がこの言葉を狂信的に唱え、「新生エルディア帝国に勝利をもたらせ」と叫んでいます。この光景は、戦時中の日本を彷彿とさせるような集団の熱狂であり、「自らを捨てて集団に尽くせ」という危うい思想が垣間見えます。
ルイーゼもこの言葉を唱えていますが、その姿はミカサを模倣したようで、理想に酔いしれる危険性を感じさせます。
歴史は繰り返す──敵と味方を分ける思想
市民たちが信じている「エルディア人はマーレの被害者であり、世界の歴史はマーレの捏造だ」という考えは、マーレ国の教育やエルディア復権派の思想と類似しています。グリシャが息子に受け継いだ教育も、同様の構造を持っており、「歴史の繰り返し」という構図が皮肉的に描かれています。
イェレナの裏の顔とその伏線
イェレナがマーレ兵に銃を向けていたという事実が明かされます。表面上はマーレ人の立場を尊重しているように見せかけていたものの、実際には捕虜として生かし、レストランでジークの脊髄液入りワインを飲ませるための策略でした。
オニャンコポンすらも計画の詳細を知らされておらず、イェレナはジークと密かに安楽死計画を進めていたことが判明します。
イェーガー派の暗躍とフロックの過激行動
フロックを中心としたイェーガー派は、民衆への情報操作、エレンとの連絡、ザックレーの暗殺、懲罰房からの脱走など、過激な行動を繰り返しています。彼らは兵団と真っ向から対立しており、調査兵団からも信頼を失っています。
エレンとフロック──かみ合わない信頼関係
フロックは「このエルディア帝国を救えるのはお前しかいない」とエレンに語りかけますが、エレンの返答は「ジークの居場所を特定するだけ」と素っ気ないものでした。二人の会話は噛み合っておらず、真の信頼関係が築かれているとは言い難い状況です。
なお、この“ジークの居場所の特定”も、エレンとジークが既に会う場所を決めていたことから、実際に必要だったのか疑問が残ります。
アルミンの洞察力──視線に注目
アルミンは調査兵団の新兵を疑い、言葉でも視線でもその疑念を表しています。ザックレー爆殺事件の真相にいち早く気づいたのもアルミンでした。
これは過去にアニが女型の巨人であることを見抜いた時の視線にも共通しており、彼の観察眼と直感力の鋭さは今後も注目すべきポイントです。
進撃の巨人110話『偽り者』の感想・ネタバレ
進撃の巨人110話『偽り者』の感想動画
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