【進撃の巨人】第100話『宣戦布告』考察・解説・感想【ネタバレ】

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進撃の巨人100話『宣戦布告』のあらすじ

マガトとヴィリーは「宣戦布告」イベント前に、固い握手を交わす。
パラディ島の襲撃計画を予測し、逆に利用する算段を立てていた。

ヴィリーが巨人大戦の真実を明かすその裏で、ライナーは自身の罪を、エレンは自分の考えを告げる。
ヴィリーの「パラディ島敵勢力への宣戦布告」と重なるように、エレンもまた「オレは進み続ける」とライナーに語る。
そして、エレンがついに巨人化。ヴィリーを殺し、世界の要人が集う会場にその姿を現す。

【時期】854年
【場所】マーレ国 レベリオ収容区

進撃の巨人100話『宣戦布告』で発生した伏線・謎

Q
(25巻100話)

A
(巻話)

Qヴィリーの発言「(メイドと近衛兵を見て)お前を犠牲にした」
(25巻100話)

A
(25巻101話)

Qエレンの発言「どうして何もしていない人達があんな目に遭って 大勢の人が食い殺されてしまったのか オレにはわからなかったんだ」
(25巻100話)

A
(34巻139話)

Qエレンが「何で母さんは食われた?」とライナーに聞く
(25巻100話)

A
(34巻139話)

Qエレンの発言「世界を救うためだったら 仕方ないよなぁ」
(25巻100話)

A
(34巻139話)

Qヴィリーの発言「エルディア人の根絶を願っていました」を聞いているジークの眼鏡が曇る
(25巻100話)

A
(29巻115話)

Qヴィリーの発言「私がこの世に生まれてきてしまったからです」を聞くエレン
(25巻100話)

A
(30巻120話)

Qエレンの発言「(ライナー)お前と同じだよ」
(25巻100話)

A
(33巻131話)

Q
(25巻100話)

A
(巻話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(25巻100話)

A
(巻話)

進撃の巨人100話『宣戦布告』で解決した伏線・謎

進撃の巨人100話『宣戦布告』の表現・対比

進撃の巨人100話『宣戦布告』の考察・解説

進撃の巨人100話『宣戦布告』の考察・解説動画

サブタイトル『宣戦布告』の意味

ヴィリーがパラディ島に宣戦布告する。
エレンが世界に宣戦布告する。
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

ポイント

今回の第100話「宣戦布告」は第99話「疾しき影」とセットで読むことをおすすめします。ライナーとエレンの会話、ヴィリーの演説などが跨って描かれています。

記念すべき第100話目ということで特に力を入れて描かれているように感じる芸術的な回です。会話劇としても、物語全体におけるメッセージとしても、超重要回です。じっくり見ていきましょう!

重なる3人の描写たち

エレン、ライナー、ヴィリーの3人それぞれが大義名分を持って動いています。そして、どうにもできない境遇に直面し「生まれてこなければよかった」と思った。しかし、生まれながらにして求めるものがあるから「進み続ける」ということが共通しています。

それぞれの「大義」

ライナーはマーレ国という『世界』を救うため壁に入った

ヴィリーは『世界』を救うためパラディ島を攻め入る

エレンは仲間を救うために地鳴らしをする

「生まれてこなければ…」

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ライナーはまたパラディ島に行くことが決まった後、銃を口に咥えて死を選ぼうとしました。エレンに会った直後も懺悔し殺してくれと頼みます。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ヴィリーも演説で「生まれてこなければよかった」と発言しています。さらに、自分自身もエルディア人でありながらも「エルディア人の滅亡を願った」とも発言しています。 ※安楽死計画の伏線

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンも16巻66話「願い」で「もう辛いんだよ、生きていたって!!」と泣き叫ぶシーンがありました。

それでも進み続ける

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

苦悩しながらも3人はそれぞれ進み続けています。それは共通して生まれながらに求めるものがあるからです。

ライナーは一度は死を選ぼうとしましたが、ファルコによって命を救われました。そして、自分にはガビやファルコたちがいること、家族や後世など守るべき存在がいること、守る役目があることを認識して前に進むことを選びました。

ヴィリーはマーレ国を裏で操る存在であり、軍国主義やエルディア人の迫害を黙認してきました。それは罪悪感も伴っていたでしょう。そして、ヴィリーの世代になってパラディ島を滅ぼす、という役割が与えられたのです。多くの犠牲が出ることも承知でしたし、世界を滅ぼす可能性のある重すぎる操舵輪に対して「握りたくなかった」という逃げたい意思も示していました。しかし、「私は生きたい!なぜなら私がこの世に生まれてきてしまったからです!」と宣言します。

エレンは仲間のために、そして自由のためにレベリオ襲撃を計画し、進み続けます。この「進み続ける」という言葉、元々は訓練兵時代にライナーがエレンに語った言葉だったのです。ライナーに対して「オレは進み続ける」とエレンは語りますがこれは皮肉ではなく本心で語っているのでしょう。

ライナーの心境

怯え

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

11巻46話「開口」にてライナーとベルトルトがエレンを連れ去ろうとした時、エレンは2人に対して「お前らができるだけ苦しんで死ぬように努力するよ」と怒りながら語りました。 なので、わざわざマーレ国に会いに来たのはそのためだろう?と責められのでは…と怯えています。

裁いて欲しい

ここで第99話「疾しき影」の冒頭のシーンが響いてきます。 ベルトルトが開拓地で首を吊ったおじさんの話をするシーンです(詳細は24巻96話「希望の扉」)。ベルトルトのおじさんは「誰かに裁いてほしかったんじゃないかな」というセリフに被せてエレンとライナーが対峙するシーンに移り変わります。 ライナーも誰かに裁いてほしかった…という目線にも受け取れるシーンです。

孤独

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

罪悪感に苛まれ、自分は生きていていいのか?と思っていたライナー。そんなライナーの対して、エレンは「お前…ずっと苦しかっただろ」「今のオレにはそれがわかると思う…」と語ります。この言葉はライナーにとってどれだけ救われた言葉だっただろう、と思います。

ライナーは自分の行いは歴史・環境・教育のせいではなく、 自分の考えのせいだと語ります。マルセルが食われた後に始祖奪還作戦を実行したのは保身もあるが「自分のせいだ」と断言するのです。

自分の意思、自分が始めた物語が招いた結果であると責任を負おうとします。 大義名分があったとしても、なにかを救うために人を殺すということは許されざる行為です。英雄になりたいと思っていたライナーが思い描いて英雄とは違う人物になってしまった。

しかも、その苦悩が誰にも理解されない状況というのも辛いです。 ライナーはパラディ島では兵士のフリをして過ごしていました。マーレ国とは違い成績も上位で仲間たちにも慕われていました。

しかし、始祖奪還作戦に失敗してマーレ国に帰国後、マーレの戦士として振る舞う必要がありました。同じ調査兵団として気持ちを共有していたベルトルトは死亡してしまい、苦悩を分かち合う仲間はもういません。それは死を選ぶほどの苦しさでした。

ガビの「私なら理解できる」という発言もありますが、パラディ島の人間は悪魔であるという思想を持つガビには到底理解できないことが分かります。ガビがライナーに寄り添おうとする心はありがたくも、より孤独さが強調されるシーンでもあります。

そんなライナーのもとに「加害者」の辛さの理解者としてエレンが現れます。そういったことでライナーは涙を流していたのだと思います。

エレンの心境

ライナーに対して

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

復讐に来たのでは…と怯えるライナーに対して「あぁ、言ったけ?そんなこと」と照れながらも言います。いわゆる黒歴史的な表現であり恥ずかしそうにしています。これはエレンの本心だと思います。

当時の発言は壁の外の世界を知らない「幼い自分の考え」でした。そして、「壁の外も壁の中も同じだが、自分の目的のために攻撃しなければいけない。それは、仕方ない行為であったと語ります。「オレとお前は同じだ」という心境を伝えます。

エレンという人物はすでに「元のエレン」+「過去の継承者達の記憶」が混ざった状態です。人格が記憶や経験から形成されるものであれば、不可逆的なものであり以前のエレンとは変化しているということです。 例えるならば…以前のエレンが「赤色」で他の継承者が「青色」ならば「紫色」の人物になっている、というイメージです。

エレンとライナーの共感

「自責」する人間がいることへの喜びもあったのだと思います。ライナーの「俺が悪いんだ」という責任転嫁せず「自分が悪い」という思いは当時のエレンも同様に思っていたでしょう。この言葉でエレン自身も孤独ではない、ということを思ったのではないでしょうか。

エレンの「お前と同じ」の意味

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンの「仕方なかった」という発言、これは高圧的で非難しているようにも見えますがエレンを理解するとそうではないことがわかります。 エレンの気持ちの変化を振り返ってみます。

  1. 巨人許さない!
  2. 裏切ったライナー許さない!
  3. 壁の外も同じ状況(普通の人間もいるし、目的もある)
  4. それでもなお行動する

という変化があります。 次はライナーだけに焦点を当てて振り返って見ます。

  1. ライナー許さない!
  2. 多くを犠牲にしてでも進むか選ぶ (ライナーと同じ)
  3. この辛さはライナーも同じだろう…

つまり、エレンもライナーも「自分で自分の背中を押すやつの見る地獄」を見ているというのが重なり合っています。

エレンのヴィリーに対する思い

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ヴィリー・タイバーに対するエレンの表情にも注目です。ヴィリーの「それは私がこの世に生まれてきてしまったからです」というセリフ、これはエレンが生まれながらに自由を求めたのと同じです。自由を求める気持ちからミカサを襲った盗賊も殺したのでしょうし、巨人を駆逐することもそうでしょう。 環境のせいではない、自分がそう思ってしまったということです。なのでヴィリーのこの発言も理解できてしまうし、ここでの表情は「怒り」ではないのがポイントです。一般的には自分たちを脅威にさらそうとする敵に対して怒りの感情を持つのが自然ですよね? しかし、この表情は相手への理解と諦めの感情のように思います。

エレンがライナーに「オレとお前は同じだ」と語った言葉はライナーだけに当てはまることではなく「皆そうだ」という所まで考えが及んでいるのでしょう。ヴィリーも生きるため、仲間を守るためなどの目的のためにパラディー島を殲滅する選択を仕方なくやったんだな、ということを理解しているし、そんな世界に対して「諦め」という気持ちがあったのだと思います。

重要なことはエレンは世界を率いてパラディ島を攻め入ろうとするヴィリーを非難していないことです。

エレンの諦め

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ライナーとヴィリーを非難せずに話を聞いているエレン。ここで見えてくるのは「諦め」という感情です。 「進撃の巨人」の世界は「残酷な世界」であり、戦わなければ勝てない、奪われる前に奪わなければならない世界です。エレンはそういったことを理解している人間です。 相手側にも事情があり、自分たちが攻撃するもは何かを得ることであり、自分たちが攻撃することも何かを得る為であるということ。そういった世界の構造であり、定めに対しての「諦め」をエレンは持っています。

「諦め」という言葉について考えてみます。語源から言うと〔つまびらかにする。いろいろ観察をまとめて、真相をはっきりさせる。まこと〕 仏教語ではsatya(サティア)の訳語。真実、真理、悟りを意味する。つまり「明らかにする=諦め」ということですね。

ベルトルトの心境と重なる

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

この時のエレンの心境と似ていたのが、ウォール・マリア奪還作戦時のベルトルトです。がいます。19巻78話「光臨」でベルトルトはアルミンたちとわざわざ対話をします。それは破綻してしまったけれど、その心境はエレンがライナーに会いに行ったのと同様だったのだと思います。 ここでのベルトルトも「全部仕方なかった、だって世界はこんなにも残酷じゃないか」とモノローグで語ります。「仕方ない」と理解しつつ「選択」をしたということです。

エレンは何を考えていたのか?

今回のレベリオ襲撃という「目的達成」において、エレンとライナーが対話する必要性はない、という前提を抑えておくと見え方も変わってくるでしょう。

単純にマーレの軍を潰すことが目的であれば集まった時点で早速攻撃すれば良かったですし、ライナーを隔離するなら別の方法もあったでしょう。ましてや、ファルコを連れてくる必要はなかったでしょう。 エレンはライナーに対して「聞こ言うぜ」と言ってヴィリーの演説を聞いていましたが、その必要もなかったでしょう。パラディ島への宣戦布告を待たず攻撃することもできました。

では、なんのためにライナーに会いに来たのか…見ていきましょう。

明らかにする為

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンは何しに来たのか?エレンは「諦めに来た」つまり明らかにしようとしてライナーと会った。

例えるなら…雨が降ることに対して昔の人が怒っていたとします。その場合になぜ雨が降るのか理解できていないから怒るわけです。水蒸気を含んだ空気が雲になり、そこから雨が降る。この一連の流れを理解していれば諦めが生まれますよね?その場合の諦めはネガティブなものではないはずです。

エレンはライナーに「オレにはわからなかったんだ」 「どうしてだライナー」と問います。 エレンは過去にアニに対しても「どんな大義があって人を殺せた?」と問いていました。 エレンは彼らがなぜ多くの人を殺し、仲間を裏切ったのか理解できなかったのです。

しかし、「進撃の巨人の能力」を得て継承者の記憶を見たエレンは過去のエレンと違います。さらに、ライナーと会話をすることでより理解し、共感したのです。 そしてエレンは世界はそういうものなんだ…「仕方ないよな、ライナー」という心境に行き着きます。

エレンの「選択」

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

壁の外側も内側も同じだと理解したエレンは地鳴らしをしてすべての自由を奪う側になる選択をします。なぜなら、エレンは生まれながらにして自由を求める人間だったからです。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

2巻第6話「少女が見た世界」でエレンが強盗を殺したシーンがあります。自由を奪われるくらいなら自由を奪うという人間である、とわかります。 30巻第121話「未来の記憶」でもエレンがその光景を見ながら「オレは生まれた時からこうだった…」と語ります。 それはライナー、ベルトルト、ヴィリーがやっていることと同じであり、自分たちの目的のためなら相手が犠牲になることを知りつつも、選択するという考えと同様です。

ライナーに会うことで覚悟を決める

自分の自由の代償を、他人が受けることを知りつつも、進みつづける。 ライナーと会って「進み続ける意思」をより強固にするための決意ともとれます。地鳴らしという民間人を巻き込む虐殺。エレンはこれを覚悟するため精神的なジャンプが必要だったのかもしれません。

エレンがライナーに手を差し伸べるシーンは過去のリフレインでもあります。 24巻第97話「手から手へ」にて落ち込むエレンをライナーが励ますシーンがあります。今回はエレンがライナーに手を差し伸べます。そして語る一言が「進み続ける」でした。

※この手を取り合うシーンはヴィリーの演説にあるようにこれから手を取り合う世界との対比、あるいは皮肉とも考えられます。

違う見方をすると…

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンがライナーと会った理由として違う見方をしてみるのも面白いです。もし、ライナーが「オレのせいじゃない!!環境のせいだ!!」とエレンに言ったとしたら、エレンも同じ様に責任転嫁して気持ちが楽になったかもしれません。 そういう言葉が欲しかった、という面もあったのかもしれない。後に描かれるエレンの姿では地鳴らし遂行に対して迷い、苦悩している姿を見ると「仕方なく大虐殺をするしかないんだ…」という気持ちを誰かに分かって欲しい、という気持ちに感じられます。 しかし、ライナーの「俺のせいだ!!」と懺悔する姿を見て、すべて自分の責任として、自分の物語を進める覚悟が出来たのかもしれません。

なぜファルコを同席させた?

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ファルコに会話を聞かせた理由として第99話「疾しき影」でも考察しましたが、会話が進むとまた違う側面も見えてきます。エレンなりの教育的な面です。

エレンは過去に海の向こう側がすべて敵にであり、自分たちを侵略する悪魔と思っていました。ライナーたちも同様に「教育(環境、歴史)」により、 壁内人類は悪魔と教えられていました。 しかし、エレンは「進撃の巨人の能力」で過去の継承者の記憶を見たこと、実際にマーレ国に行くことで間違いだったと気づいたのです。無知による不自由をなくすために教えたのではないでしょうか。 あるいは、世界を滅ぼす悪者だとファルコに印象を植え付けるため、ということも考えられます。エレンは「ヴィリー・タイバーが言う通り世界を滅ぼしちまうかもしれない」と語ります。ファルコにエレン・イェーガーが来て、レベリオを襲撃したことについての証言者にさせる意図もあったかもしれません。

ヴィリーとマガトとの会話

2人の会話の内容を見ていきましょう。

それぞれの目的

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

  • ヴィリー:マーレ国、エルディア人を救いたい
  • マガト:マーレ国の存続・再建

これを2人は目的としています。移動中に怪しい人影がありますが、おそらくはパラディ島勢力の協力者かと思われます。アニメでは真っ黒のスーツではないので他にも可能性はありそうです。

2人が想定している敵

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

パラディ島勢力 + 協力者 →それ以外の国の可能性もあり? 敵の攻撃を知りつつも…

・一箇所に幹部をまとめておく→無能な幹部が犠牲になることで軍の再建を図る

・ヴィリータイバーが演説する→敵をおびき寄せる、マーレ国のエルディア人が犠牲者

さらには共通の敵を設定することで他国と協力関係を結ぶことができる、というのが大きいでしょう。

 

「宣戦布告」のまとめ

長くなったので一旦まとめると… キャラクター達は生まれながらの定め、過去からの因果というところで苦しんでいます。それを解消するために行動をしているのです。そして、世界の構造を理解し、それでも自由や大義のために行動しているということです。 ①それぞれの定め ②無知ゆえの行動 ③選択 で分けて見てみます。

①それぞれの定め

マーレ戦士→エルディア人というだけで迫害される

パラディ島民・エレン→壁の外に行く自由がない、滅ぼされる運命

②無知ゆえの行動

マーレ戦士→パラディ島に攻め入る

パラディ島民→巨人を滅ぼす

エレン→巨人を駆逐、裏切り者が「苦しんで死ぬように努力するよ!」

このフェーズでは代償や犠牲は見えておらず、自分たちこそが正義であると信じてそれぞれが行動しています。

③選択

マーレ戦士→パラディ島に住む人間を知りながらも虐殺する

パラディ島(調査兵団)→巨人は人間と知りながらも討伐、レベリオを襲う

エレン→壁の中も壁の外も同じと知りながらもレベリオを襲う

このフェーズでは壁の中も外も同じであるという世界の真理を知ったエレンやライナーが他者の犠牲を知りながらも自分や仲間の利益のために選択をするということです。

自由と代償

22巻第88話「進撃の巨人」にてグリシャが「これが自由の代償だとわかっていたなら払わなかった」というセリフがあります。生まれながらに置かれた環境や理不尽な状況から打開するためにエルディア復権派に入り、自由を求め行動したグリシャ。

しかし、その代償を払うことを知らなかったのです。 一方でエレンやライナーは自由や自分の正義に対する代償を理解した上で選択をしていく…これが「自分で自分の背中を押す」ということでしょう。 「進撃の巨人」の世界で度々、描かれる自由と代償。代償がある上でも果たして選択しますか?というのが1つの大きなテーマなのだと思います。

小ネタ

ライナーにファルコの言葉が刺さる

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

過去を振り返ると、ファルコの言葉がライナーを苦しめる、という辛さが見えてきます。 訓練兵時代のエレンもライナーを尊敬していたが、騙されていました。このファルコの言葉はエレンだけでなく、ライナーにも刺さっているということです。 24巻の解説動画でも語りましたが、ライナー、エレン、ファルコと「進撃する意思」が受け継がれているように、「エレンを裏切ったライナー」と「ファルコを裏切ったエレン」が似たような関係として描かれています。

悪魔の末裔と悪魔

エルディア人は悪魔の末裔と呼ばれています。ベルトルトがアルミンの挑発を受けていった一言であり、マーレ国では常識とされている表現です。 マガト、ヴィリーが「我々は悪魔に違いない」と語りますが、これは誰かが犠牲になることを知っていながらも、 自分たちの目的を遂行するということが「悪魔」であるということです。 エレンがファルコに語る「オレは世界を滅ぼす悪者」という発言とも重なっています。 「悪魔」について詳しくは別動画で語っています。

 

アニメ解説記事でもっと詳しく

アニメの対応話数はファイナルシーズンPart1-5(64話)「宣戦布告」です。こちらの記事でも詳しく解説しています。

進撃の巨人100話『宣戦布告』の感想・ネタバレ

進撃の巨人100話『宣戦布告』の感想動画

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