【進撃の巨人】第26話『好都合な道を』考察・解説・感想【ネタバレ】

タキ

XYouTube もやってます。

進撃の巨人26話『好都合な道を』のあらすじ

エレンの回想の続き。
エレンは巨人化実験のときに、特別作戦班のメンバーが自分を信じてくれたことを思い出す。
エレンは逡巡した末、目の前の犠牲を許容し、巨人化しないで先に進むことを選ぶ。
その先でトラップを貼っていたエルヴィンたちの活躍により、女型の巨人捕獲に成功する。

【時期】850年
【場所】パラディ島 巨大樹の森

進撃の巨人26話『好都合な道を』で発生した伏線・謎

Q
(6巻26話)

A
(巻話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(6巻26話)

A
(巻話)

進撃の巨人26話『好都合な道を』で解決した伏線・謎

進撃の巨人26話『好都合な道を』の表現・対比

進撃の巨人26話『好都合な道を』の考察・解説

進撃の巨人26話『好都合な道を』の考察・解説動画

サブタイトル『好都合な道を』の意味

化け物扱いされて辛いエレンにとって、
仲間を信じる選択肢は、「好都合」だったと認識する
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

パニック状態のリヴァイ班

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンはまだ巨人の力を使いこなせていないのでリヴァイ班の監視のもと、ハンジと巨人化実験を行います。しかし、それは失敗に終わるのでした。休憩していたエレンが落としたスプーンを拾おうとした時、爆発が起こり右腕が巨人化します。

ここでリヴァイ班のメンバーがパニック状態になります。セリフが多いことや、それぞれのコマの集中線でスピード感や切迫感が出ています。

キャラクター毎にセリフの特徴があるのも面白いです。キャラ紹介はこちら

リーダー的なイアンは巨人化した理由を聞いていて、真面目なグンタは敵意がないことを証明させたい(また第10話の悪魔の証明問題)、兵長思いのペトラは兵長を心配している、小心者のオルオは去勢を張って攻撃的な言葉を言っている、というように性格が表れています。

アニメの演出としては先輩たちが矢継ぎ早にセリフが飛び交っていて、まさにパニック状態ということが分かります。

冷静なリヴァイ

吹き出しの形に注目してみると吹き出しが大きくギザギザして勢いがあり、大声のセリフという感じです。一方でリヴァイの吹き出しは、小さく丸い形で落ち着いてる感じが出ています。リヴァイのコマだけ集中線がないのもポイントです。ページ全体が強調されていることでリヴァイの冷静さが際立っています。

現場はどんどんヒートアップしていく様子が文字量の多さに表れています。エレンの「黙ってて下さいよ!!」のセリフで緊張感は最大になります。

落ち込むエレン

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ハンジの登場で場の空気が変わります。エレンは巨人の体から抜け出し、パニック状態は収まります。「気分はどうだ?」とリヴァイに聞かれたエレンは「あまりよくありません」と答えます。これは体調的にも精神的にも良くない、ということです。エレンが突然、巨人化したことでリヴァイ班の先輩から怖がられて敵意を向けられたことがショックだったのです。エレンが仲間だと思っていた先輩達から自分は信頼されていなかったことを知り、傷つくシーンです。

リヴァイがフォローする

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

 

「あそこまで自分は信用されてなかったとは…」と落ち込むエレンにリヴァイが寄り添います。リヴァイ班のメンバーは第20話「特別作戦班」で語られた通り精鋭部隊です。彼らが地獄のような状況で何度も生き延びて成果をあげられたのは生き方を学んだからだ、とリヴァイは語ります。

「巨人と対峙すればいつだって情報不足だ。いくら考えたって何一つわからないって状況が多すぎる。ならば努めるべきは迅速な行動と、最悪を想定した非常な決断。かといって血も涙も失ったわけではない。お前に刃を向けることに、何も感じないってわけにはいかんだろう。だがな…後悔はない。」

リヴァイ班のメンバーがエレンに敵意を示してしまったのは迅速な行動非常な決断であり、残酷な世界だからこそ起きてしまった衝突だったのです。「そういう奴らだから選んだ」ともリヴァイは言っています。この件は悪意のないエレンが警戒される対象になってしまうという可哀想なことでした。けれどこのメンバーを選んだことや今回の件について「後悔はない」とリヴァイは断言します。取るべき行動は正しさではなく「後悔はないか?」であり、様々なことを想定して決断し行動することが重要だと伝えようとしています。

巨人化の条件

一連の出来事からハンジが巨人化の条件を見出します。

  • 目的意識を持っていること
  • 自傷行為をしていること

この2つの条件が揃うことで巨人になれることを発見します。自然発生したものではないことや道具のような性質であることを推測します。そして「人を食べる存在」としての無垢の巨人についても謎が深まります。

先輩たちの謝罪

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ハンジの話を聞いてエレンが許可を破って巨人化したのではないことが分かります。それに敵意を向けたことに対して謝罪として自分たちも「手を噛む」というシーンがあります。

詫びる気持ちを言葉ではなく行動で示す、というのが良いシーンです。「すまなかった」と言うだけではわだかまりも残るでしょう。かといって、自分たちを処罰してくれとか、給料を減らすというのも本質的な問題ではありません。エレンを信頼するから監視を甘くする、というのもおかしい話です。

エレンは実際に危険な存在であることに変わりはないし、その監視役ができるのはリヴァイ班のメンバであることも変わりはないのです。そこでリヴァイ班として考えた謝罪はエレンの痛みを理解しようとすることでした。この謝罪の方法はエレンが手を噛んで血だらけにしているのを目の当たりにしているリヴァイ班ならではの発想です。

グンタが「判断を間違えた代償だ」と言っています。リヴァイが「やめろお前ら」と止めたのにも関わらず感情的になったことは反省している、ということです。しかし、これらの行動をできる兵士だからこそ、死戦をくぐり抜けて来られたという面もあるのです。

仲間・絆・信頼

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

友情・絆・信頼というのは少年漫画では良いものとして描かれがちです。「みんなで一致団結して戦おう」という場面は多くの人が好きな描写でしょう。

「進撃の巨人」の世界では綺麗事だけではありません。友情・絆・信頼というのは時には悪い結果ももたらすよね?ということが描かれます。

エレンはペトラから「私達はあなたを頼るし、私達を頼ってほしい」と言われます。そして「私達を」の場面で回想シーンから前回のシーンに飛びます。つまり、現在の巨大樹の森でリヴァイから選択を迫られるシーンに戻り、ペトラから「信じて」と実際に言われるのです。そして、ペトラの手には謝罪時に噛んだ歯型がある、という…。ここでどうするエレン!?という場面です。

エレンは少し悩んだあと「進みます!!」と決断します。つまり、仲間を見捨てて逃げ続けることに疑問があるエレンでしたが、みんなを信じてこのまま「進みます」と言うことです。

エレンの心の弱さ

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンが「進む」決断をしたことは仲間を信じたからというシンプルな理由だけではありませんでした。※注意:アニメではこの場面はカットされているので漫画版のみの解説になります。

「もうたくさんなんだ、化け物扱いは…仲間はずれはもう…だから…仲間を信じることは正しいことだって…思いたかっただけなんだ…そっちの方が…都合がいいから」

この時の心象風景として104期の仲間はエレンを優しい目で見ています。一方で、5巻第19話「まだ目を見れない」の審議所ではエレン生かすか?殺すか?という会議の中でエレンを化け物を見るような冷たい目で見ていました。この場面をエレンはトラウマ的に覚えている、ということです。

エレンは新しい信頼とか、仲間、居場所が欲しかったのです。巨人になってしまったことで化け物扱いされるようになったエレンは孤独でした。幼馴染のミカサ、アルミンをはじめ、104期生の仲間と1ヶ月くらい会えずに離れて行動しています。エレンの心の土台となる部分が揺れ動いている状況です。

エレンは生まれた時から自由を求める強い心がある少年でしたが、普通の人間的な側面もあります。

家族にも愛されていましたし、アルミンとかミカサという友達もいます。104期生の仲間もいて、辛いことも多々ありましたが、常に心の拠り所となるような居場所がありました。

兵法会議での調査兵団以降は、初めてエレンの居場所を失っている状態です。知らない人々の中に投げ込まれて、自分の力で人類を使わなきゃいけないプレッシャーもあります。周りから心が強いと思われていたエレンが自分で心の弱さに気づいてしまったシーンです。

その仲間を信じることは良い言葉に聞こえるものです。「仲間を信じよう」とか「しんじるこころ」というのはポジティブな印象があります。しかし、実際にそれって本当に良いものなの?というのが裏テーマで描かれているのが面白いところです。

人間には「本音と建前」と同じように「本心と言い訳」のような部分があって、表面上の言葉ではエレンは「進みます」=「仲間を信じる」と聞こえます。しかし、その根底の部分では少し違うのです。仲間が欲しいから、仲間を信じたいから、さらには仲間外れや孤独が嫌だから信じる、という発想で「仲間を信じる」という結論に至ったことにエレンは気づきます。

作戦は成功…!?

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

表面上とはいえ仲間を信じて走り続けた結果、エルヴィンが裏で指揮していた「女型の巨人生け捕り作戦」は成功します。リヴァイ班のメンバーは何も知らされていなかったので一瞬、何が起きたか分からない状況です。成功した瞬間の表情が驚きや戸惑いなのはそのためです。

歓喜のリヴァイ班!!

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

リヴァイの指示により作戦が成功したことを理解したリヴァイ班は歓喜の表情です。

ここでリヴァイ班の仲間が「どうだ分かったか!」と調査兵団の力を見せつけます。ペトラも「信頼してよかったでしょ?」というような表情です。

エレンも安堵した笑顔で元気に返事をします。このエレンの感情としては、仲間を信頼してよかったし、迷ってよかった。自分の選択は弱い心もあったけど、間違えてなかった!と先ほどまでの考えを少し払拭するような前向きな感情のように見えます。

この選択が今後の展開に影響していきます。「進撃の巨人」の世界では希望に溢れた笑顔のシーンのあとには絶望が付き物です。

進撃の巨人26話『好都合な道を』の感想・ネタバレ

進撃の巨人26話『好都合な道を』の感想動画

関連記事

23話『女型の巨人』
24話『巨大樹の森』
25話『噛みつく』
26話『好都合な道を』

コメントをするのは「自由」だ…