この記事の目次
進撃の巨人48話『誰か』のあらすじ
それぞれの思惑が交差する。
ライナー・ベルトルトは、エレンを誘拐し壁の外に向かう。
ユミルはヒストリアを説得し壁の外に連れて行こうとする。
ヒストリアは「自分が助かるためにお前を攫った」というユミル嘘を信じ、彼女に寄り添う。
エレンを追って来た104期生は裏切り者のベルトルトを責め立てる。
ベルトルトは「誰が好きでこんなことをしたいと思うんだ」「誰か僕らを見つけてくれ」と涙を流す。
ライナー達が優位な状況だったが、エルヴィンが無垢の巨人を連れてきて、状況は更に混沌に。
進撃の巨人48話『誰か』で発生した伏線・謎
残された謎
進撃の巨人48話『誰か』で解決した伏線・謎
進撃の巨人48話『誰か』の表現・対比
進撃の巨人48話『誰か』の考察・解説
進撃の巨人48話『誰か』の考察・解説動画
サブタイトル『誰か』の意味
ベルトルトの台詞「誰か僕らを見つけてくれ…」
「誰かがやらなくちゃいけないんだよ…誰かが」
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
エルヴィン率いる憲兵団
今回のエレン奪還作戦はエルヴィンが調査兵団と憲兵団を率いてい行われています。
「エルヴィン…!!この悪魔め!!」「また俺達を囮にするつもりか」と怯える憲兵に対して「憲兵団はよく戦っている!兵士の本分に努めよ!!」と鼓舞します。
エルヴィンは犠牲を払ってでも目的を達成する、という考え方の人間です。調査兵団の目線で物語を追っていると感覚が麻痺しますが、憲兵団のような普通の人間は死ぬことが怖いし、仲間の命を犠牲にすることは避けたいと思うでしょう。
憲兵団に対するエルヴィンの「兵士の本分に努めよ」という言葉は「心臓を捧げよ!」ということです。己を捨てて心臓を捧げよ、目的のために自分を犠牲にしてでも進め!ということです。
エルヴィンの作戦
巨人を率いてエレンのもとに向かわせているエルヴィンですが、2つの理由のもと動いています。1つ目は夜までにエレンを奪還するためには巨人と戦闘することに時間を割く時間がないこと、2つ目はライナーたちに対して無垢の巨人たちを使って襲撃する作戦がある、ということです。敵を使って敵を打ち破ろうとするのは悪魔的な発想です。
この無垢の巨人で襲撃する作戦はエルヴィンの敗北の経験から生まれたと考えられます。エルヴィンは巨大樹での「女型の巨人」捕獲作戦でアニに敗北しました。一度は捕獲したものの叫びの力で無垢の巨人を呼ばれてしまい、自身の体を捕食させることで情報を抹消させられたのです。その経験から今回の作戦の発想を得たのだと思います。
ミカサの覚悟とアルミンへの影響
ミカサは、エレンを救うためであれば元々の仲間ですら殺す覚悟を語ります。
「今度は…躊躇うことなく」「奴らを必ず殺す」「私達の邪魔をするなら…ユミルもその例外じゃない」「どんな手を使っても…必ず…!」と語ります。
ミカサはユミルも含めて、ライナー、ベルトルトを殺す覚悟を決めています。
アルミンへの影響
仲間を殺す覚悟を持つミカサを見てアルミンが何か考えています。
「こいつの首を跳ねることだけ集中して」「一瞬でも躊躇すればもうエレンは取り返せない」
このミカサの言葉を聞いてアルミンは「何かを選ぶことは何かを捨てることだ」ということを改めて実感した場面でしょう。エレンを取るのか、ライナーとベルトルトという元仲間への情を取るのか…どちらか選択する必要がある、と考えている表情であり、人間性を捨てたアルミン(ゲスミン)になる影響を与えた場面だと思います。
ヒストリアがミカサを説得する
「ユミルだってライナー達に従わないと殺されるの選択肢なんてないんだって」
ヒストリアの説得に対してミカサが答えます。
「私が尊重できる命には限りがある」「そして…その相手は6年前から決まっている」「ので、私に情けを求めるのは間違っている」
先ほどまでのミカサの勢いなら説得を聞かず問答無用でユミルを殺す勢いでしたがヒストリアの言葉を聞いてブレーキがかかっています。ミカサはエレンを守ることを第一に行動していますが、仲間を思う心もあることが分かります。
ヒストリアを救うための嘘
ユミルがクリスタを連れ去ろうとしているタイミングで2人が会話します。
「いいか、ヒストリア?」「壁外はそんなに悪いところじゃない。お前のことを生まれてこなきゃよかったのになという奴はいないしな」
それに対してヒストリアは「そりゃ巨人はこと言わないだろうけど凄い勢いで食べようとしてくるじゃない」と答えます。
「誰にでも短所の一つや二つはあるだろう!?そこさえ目をつぶれば割といい奴らなんだよ!!」
ユミルは「凄い勢いで食べようとしてくる」ということを短所として片付けようとしているのはギャグ的です。
「お前のこと生まれてこなきゃよかったのにな」という奴はいない、と言っていますが壁外人類は巨人化できるユミルの民を憎んでいる世界のどこかにはいるかもしれません。
ヒストリアがユミルに対して問います。
「ライナーとベルトルトに脅されているのね?」
実際にこれは逆でユミルがベルトルトとライナーを脅しています。ベルトルトも「逆だ」とつぶやいています。ユミルはヒストリアを壁の外に連れていき保護することをライナーたちに約束させました。そして、それを果たさないとエレンを連れて調査兵団の元へ逃げる、あるいは暴れる、と脅していました。
ヒストリアの愛
この場面のヒストリアとユミルの関係性が感動的です。
ユミルはヒストリアを守るために嘘をつき続けていますが、ヒストリアはユミルに対して「事情があって話せないことがあっても!何があっても!」「私はあなたの味方だから!!」と語ります。
ユミルは抵抗するヒストリアに対してさらに嘘をつき続けます。
「お前が壁の秘密を知るウォール教の重要人物だからだ」「この世界の状況が変わった時、お前といれば近い将来…保険になると思っていた」
「死ぬのが怖い…」「何とかして助かりたい」「ただ情けなくて『お前のため』…みたいなこと言ったけど本当は全部私のためだ」
「…頼むよヒストリア…」「私を…!私を助けてくれ!」
この言葉はユミルの本心ではありません。ユミルは自分が助かるためではなくヒストリアを守るために連れ去ってきましたが、ヒストリアに対して正直に「お前を守るため」と真実を言っても納得しないと考えています。ヒストリアは優しいので「私よりもエレンを助けて壁の中の仲間を守ろう!」と言いかねないのです。
ユミルの言葉を聞いたヒストリアの表情に注目なのですが髪の毛で表情が見えない、という表現になっています。
髪の毛が風でなびき表情があらわになった時、そこにはユミルを全力で肯定するヒストリア表情が見えます。
「言ったでしょユミル…」「何があっても私はあなたの味方だって!」
ヒストリアは自分を利用して自己保身しようとする情けないユミルの姿を見てもなお「あなたの味方」と言ってくれています。
これは無償の愛とも言えますし、この愛があったからこそユミルはその後、ベルトルトの「誰か僕らを見つけてくれ」の言葉に応えることができたのかもしれません。愛で満たされたユミルだからこそベルトルトやライナーに愛を与えることができたのでしょう。
ベルトルトと104期生の会話
鎧の巨人に追いついた104期生たちは鎧の巨人の手の中に守られているベルトルトに声をかけ追い詰めます。
ジャンは「あんなことした加害者が…被害者達の前でよく…ぐっする眠れたもんだな」という言葉にベルトルトの表情が固まります。
マーレ国の情勢などを踏まえた上で読み返すと、果たしてベルトルトやライナー、アニは一方的な加害者だったのか疑問です。
幼い彼らは作戦を実行せざるを得ない状況でした。一方から見たら加害者ですが、見方を変えると被害者の一面も持っています。この時点では104期の仲間にはベルトルトたちの気持ちを理解することは不可能だったでしょう。
ベルトルトの苦悩
ベルトルトは104期の仲間に責められ感情が爆発します。
ベルトルトは「誰がッ!人なんか殺したいと!!」「…思うんだ!!」「すべてが嘘じゃない!本当に仲間だと思ってたよ!!」と語ります。
「頼む…誰か…お願いだ……」「誰か僕らを見つけてくれ…」
このコマが描かれた後にユミルの顔が映ります。ベルトルトの「見つけてくれ」とは僕たちを救ってくれ、助けてくれ、ということでしょう。
この言葉を聞いたからこそユミルは最終的にヒストリアと一緒に逃げずに無垢の巨人に殺されそうになっているライナーとベルトルトを助けたのです。
ライナーの膝裏
戦闘のシーンで細かい設定がされているのが鎧の巨人の膝裏です。
この部分を柔らかくすると動きが速くなるという設定が第44話「打・倒・極」で説明されます。
ハンネスさんが「鎧の巨人」の膝裏を狙って攻撃していますが「ガキン」という擬音とともに刃が通らない様子が描かれています。
今回も膝裏の硬化を解いて速く走って逃げたい所ですが、調査兵団に追いつかれてしまったので硬化して防御力を高めています。膝裏を斬られてしまっては動けなくなるので機動力よりも防御を優先していることが分かります。
進撃の巨人48話『誰か』の感想・ネタバレ
進撃の巨人48話『誰か』の感想動画
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