【進撃の巨人】第91話『海の向こう側』考察・解説・感想【ネタバレ】

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進撃の巨人91話『海の向こう側』のあらすじ

戦士候補生のファルコが、鳥に手を伸ばす。

エレン達の戦いから3年後、マーレ国は中東連合と4年に渡る戦争をしていた。
戦いは佳境を迎え、スラバ要塞の攻略できるか否かが、戦局を左右する。
戦士候補生のガビは、装甲列車を無力化するために、捨て身の攻撃を仕掛ける。
中東の兵士の反撃にあうが、顎の巨人ガリアードに助けられる。

【時期】854年
【場所】中東のスラバ要塞

進撃の巨人91話『海の向こう側』で発生した伏線・謎

Qファルコが鳥に手を伸ばす
(23巻91話)

A
(34巻135話)

A
(34巻139話)

Q戦士候補生が戦士に選ばれるには成績だけでは足りない
(23巻91話)

A
(24巻95話)

Qマガトの戦士候補生への態度
(23巻91話)

A
(32巻129話)

Q
(23巻91話)

A
(巻話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(23巻91話)

A
(巻話)

進撃の巨人91話『海の向こう側』で解決した伏線・謎

進撃の巨人91話『海の向こう側』の表現・対比

進撃の巨人91話『海の向こう側』の考察・解説

進撃の巨人91話『海の向こう側』の考察・解説動画

サブタイトル『海の向こう側』の意味

パラディ島の海の向こう側のマーレ国の物語が開始
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

ポイント

マーレ編への舞台切り替えと表現の巧みさ

進撃の巨人は22話までパラディ島の内側で物語が進みましたが、23話から一気に舞台がマーレ国へと切り替わります。この変化を巧みに示す表現がいくつも用意されています。

例えば、マーレ編の主要人物の一人であるファルコが「ここ危ねえぞ」と発言し、意識が少し混濁している状態でいる場所は、すでに壁の外側、つまりパラディ島の壁の外側であることが示されています。

また、マーレ編冒頭の舞台「スラバ要塞」の描写は、パラディ島の壁を想起させる構造であり、壁から飛び立つ鳥が調査兵団の「自由の翼」を象徴しています。こうしたシンボリズムはパラディ島の物語からマーレ編への移行を印象付けています。

諫山先生はマーレ編を「一つの挑戦」と位置付けており、読者に受け入れられるか不安を抱えながらも、新キャラクターは「どこかで見た奴ら」として描き、舞台がガラッと変わることを意識していました。


マーレ編の主要キャラクターとその特徴

マーレ編の中心となるのは、ファルコとガビという二人の若いエルディア人です。

  • ファルコ

    ファルコはエレンと同じく、一人称を「俺」とカタカナで表現する珍しいキャラクターであり、意図的にエレンとの共通点を強調しています。彼の視点はマーレ編の主人公的な位置づけとなり、物語を牽引します。

  • ガビ

    一方、ガビは女性版エレンとも言えるキャラクターです。エレンのように強い決意を持ち、パラディ島のエルディア人を「島の悪魔」と呼び、彼らを皆殺しにする覚悟を持っています。アルミンも後の展開でガビとエレンを重ね合わせて見ています。

この二人のキャラクターを通じて、物語は「敵対する側も普通の人間である」という視点の反転を描きます。


マーレ国の社会構造と戦士たちの序列

マーレ国はマーレ人が支配し、エルディア人は差別的な扱いを受ける二層構造の社会です。軍隊の中でもマーレ人が上位に立ち、エルディア人は下位の存在として扱われます。

  • マガト隊長

    唯一のマーレ人であり、戦士隊を指揮しています。

  • ジーク・イェーガー

    獣の巨人の継承者であり、戦士長として非常に高い地位を持ちます。

  • ライナー・ブラウン

    鎧の巨人の継承者で副長的存在。

  • ポルコ・ガリアード、ピーク

    それぞれ顎の巨人、車力の巨人の継承者。

  • 戦士候補生たち

    コルト・グライス、ガビ、ファルコ・グライス、ウド、ゾフィアなどが後継者として育成されています。

このような階層構造は、マーレ編における対立や葛藤の基盤となっています。


パラディ島とマーレ国の対立と4年間の空白

物語の時間軸では、22話で描かれたパラディ島の物語から4年が経過しています。この4年間、マーレ国と中東連合の間で長い戦争が続いていました。パラディ島側はエレンたちが内側で奮闘していましたが、マーレ側はパラディ島への侵攻を試みつつも失敗に終わっています。

こうした時間差と視点の切り替えは、読者に新たな緊張感と物語の深みをもたらします。


マーレ編の人間ドラマと群像劇としての魅力

マーレ編は単なる敵サイドの描写に留まらず、海外ドラマの群像劇のように多様なキャラクターの内面や葛藤が丁寧に描かれています。

読者は誰が主役というよりも、「この人物は何を考えているのか」に注目しながら読み進めると、より一層物語を楽しめるでしょう。


世界の現実とマーレ国の立ち位置

マーレ国は資源に乏しく、陸軍は巨人の力で強大ですが、海軍や空軍の技術はそれほど発展していません。一方、中東連合など他国は技術面で優れており、巨人の力に頼らず海空戦力を強化しています。

こうした国際的な力関係の違いも物語のリアリティを高めています。


物語のシンボルと表現の細やかさ

マーレ編23話の表紙は、4話の表紙と似た構図で描かれ、ライナーとエレンが似た立ち位置で描写されていることから、二人が似た運命をたどる「表」と「裏」の主人公として位置づけられていることが示唆されています。


まとめ

マーレ編への切り替えは、舞台やキャラクター、物語の視点を大胆に変えることで、進撃の巨人の物語に新たな深みと複雑さをもたらしました。

エレンをはじめとするパラディ島側の視点から、敵対するマーレ国の人間ドラマへと視点が広がることで、単なる「敵」と「味方」の対立ではない、人間同士の葛藤がリアルに描かれています。

これにより読者は、物語全体のテーマである「自由」や「差別」「憎悪」の問題をより多面的に考えさせられるようになっています。


進撃の巨人91話『海の向こう側』の感想・ネタバレ

進撃の巨人91話『海の向こう側』の感想動画

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