【進撃の巨人】第64話『歓迎会』考察・解説・感想【ネタバレ】

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進撃の巨人64話『歓迎会』のあらすじ

ハンジ、リヴァイ、104期生たちは、レイス家の礼拝堂にたどり着く。
地下室にてロッドを護衛する中央第一憲兵と、戦いを余儀なくされる。

ロッドは、フリーダからグリシャが奪い、現在はエレンの中にある巨人の力についてヒストリアに語る。
盗み聞きしていたケニーが現れて「俺が巨人になってエレンを食っても意味ないのかよ」と困惑した顔で尋ねる。

進撃の巨人64話『歓迎会』で発生した伏線・謎

Q100年前の壁の中の初代王は誰?
(16巻64話)

A
(21巻86話)

Q100年前に作られたレイス家の地下洞窟は?
(16巻64話)

A
(21巻86話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(16巻64話)

A
(巻話)

進撃の巨人64話『歓迎会』で解決した伏線・謎

進撃の巨人64話『歓迎会』の表現・対比

進撃の巨人64話『歓迎会』の考察・解説

進撃の巨人64話『歓迎会』の考察・解説動画

サブタイトル『歓迎会』の意味

調査兵団を迎え撃つ中央憲兵
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

ロッド・レイスの居場所とエレン救出作戦

104期生たちの“通過儀礼”とも言える重要な場面が始まります。

通過儀礼(つうかぎれい)とは成長や変化の節目に経験する重大な出来事です。「進撃の巨人」の世界では「人を殺す覚悟を持つこと」を指すことが多いです。

エレンの居場所が特定され、彼がロッド・レイスによって囚われていることが判明します。彼らは、どうやら教会の地下深くにいるらしいという情報を手にし、エレンの救出に向けて行動を開始します。

「手土産」とは何か

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

その道中、リヴァイは次のように語ります。

「わざわざ寄り道して手土産用意した甲斐があればな」

ここでいう「手土産」とは、戦闘時に敵をかく乱するための準備、つまり煙幕(攻撃の目くらまし)のことを指しています。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社

回想シーンでは、アルミンとハンジの会話が描かれます。

ハンジ「いいアイディアだよ、アルミン。信煙弾も使えそうだ。サシャは弓を使って、我々を援護してくれ」

信煙弾とは、爆発と共に煙を発生させる特殊な武器で、視界を遮るのに有効です。この作戦は、戦闘を有利に進めるための“手土産”として用意されたものでした。

リヴァイの問いかけ――手を汚す覚悟はあるか?

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

作戦に突入する直前、リヴァイは仲間たちに問いかけます。

「……手を汚す覚悟の方はどうだ?」

この言葉は、仲間たちが「人を殺してでもエレンを救う」という現実に直面する、まさに精神的な通過儀礼の始まりを示しています。

104期生、成長の瞬間

仲間たちの表情は、これまでとは明らかに異なっていました。誰もが“覚悟を決めた目”をしており、もう迷いはありません。

これまで人を殺すことに強い抵抗を持っていた彼らですが、この瞬間からは違います。彼らは今まさに「人を殺してでも仲間を守る」という選択を受け入れようとしているのです。

この出来事は、104期生にとっての精神的成長の節目=通過儀礼であり、戦士として一歩を踏み出す重要な転換点でした。

ケニーの目的と野望

ケニー・アッカーマンは、かつて「この世界を万丈ごとひっくり返す」という壮大な夢を持っていました。

物語の中でも、彼は妙にロッド・レイスの側に付き従っており、何かしらの目的があることが暗示されていました。

ロッド・レイスはケニーの存在をあえて不問にし、彼を「信用している」と語る場面があります。しかし、その言葉とは裏腹に、ケニーは明らかに何かを企んでいる様子を見せており、冷静に状況をうかがっているのが印象的です。

部下たちの信頼と忠誠

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ケニーには、中央第一憲兵団の部下たちがついています。彼らもまた、ケニーの思想や信念に共鳴して行動している様子が描かれます。

彼らは次のように語ります。

「私たちが憲兵を選んだのも、無意味な世界と人生に意味を見出すためだった。

最後まで信じてみよう。ここで敵を足止めして時間を稼げば、すべては報われる。

――この世界を万丈ごとひっくり返す、ケニーの夢のために」

この言葉から分かるように、ケニーの部下たちは彼を信頼し、自己犠牲の覚悟を持っていたのです。

始祖の巨人と絶望

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ケニーの真の目的は、「始祖の巨人」の力を得ることでした。

始祖の巨人とは、エルディア人の記憶や血統を操る特別な巨人で、その力を手に入れれば世界の秩序すら変えられるとされています。

しかし、ケニーはある決定的な事実を知ることになります。

始祖の巨人の力は、“王家の血筋”でなければ発動できないという制約があったのです。

この事実に直面したケニーは、失望の中でこう呟きます。

「……俺が巨人になってエレンを食っても、意味ないのかよ」

つまり、彼が長年準備してきた“世界を変える計画”は、この瞬間に破綻してしまったのです。

ケニーの最期とその意味

ケニーは、ロッド・レイスがヒストリアに巨人を継承させようとする場面で、真実が語られるのを待っていました。しかしそのタイミングで、自分の計画が不可能であることを知り、完全に絶望します。

本来なら、ここから「エレン vs ケニー vs ロッド・レイス」という三つ巴の頭脳戦が展開されるかと思いきや、そうはなりません。

ケニーは敗北し、静かに物語の表舞台から退場します。

彼の最期は「報われない結末」であり「残酷な現実」を象徴するものとなっています。

諫山創先生が書籍『Answers』で述べているように、ケニーは「詰めの甘いキャラクター」として設計された存在です。

その人間味と不完全さゆえに、多くの読者にとって「愛すべき悲劇の人物」として記憶されるのです。

始祖の巨人の能力

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

始祖の巨人には、非常に多くの力が備わっています。その一例が「巨大な壁」や「地下空間(洞窟)」を創り出す能力です。

実際、パラディ島に存在する三重の壁は、始祖の巨人の力によって作られたものだと、ロッド・レイスは語っています。

この壁は、他の巨人たちから人類を守るために築かれた防壁でした。つまり、始祖の巨人は単なる戦闘兵器ではなく、「文明の基礎構築」にも関わる存在だったのです。

記憶改ざんと影響を受けない者たち

始祖の巨人の力は物理的な構築だけではなく、「人間の記憶」をも改ざんすることができます。

この力により、王は国民の記憶を操作し、過去の歴史を隠してきました。これは、エルヴィンの父がかつて仮説として唱えていた「人類の記憶改ざん説」と完全に一致します。

実際、この記憶操作はパラディ島でかつて行われていたことでした。

ただし、全ての人がこの記憶改ざんの対象になるわけではありません。

アッカーマン一族、東洋の一族(ミカサの家系)、そして一部の貴族階級の人々は例外で、改ざんの影響を受けていないとされています。

始祖の巨人の継承と「王家の血」

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

始祖の巨人の力は、「継承」によって代々受け継がれます。かつてこの力を持っていたのは、ロッド・レイスの娘・フリーダ・レイスでした。

彼女は王家の血を引いていたため、始祖の巨人の本来の力を発動することができました。

しかし、そのフリーダはエレンの父であるグリシャ・イェーガーによって巨人化され、始祖の力を奪われてしまいます。

ただし、グリシャ自身は王家の血を持っていなかったため、始祖の力を手にしてもその「真の力」を発動することはできませんでした。

エレンとヒストリアの因果

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

その後、グリシャを捕食することで、エレンが始祖の巨人の力を継承します。

しかし、エレンもまた王家の血を持っていないため、彼にも始祖の力は封じられたままでした。

一方、ヒストリア・レイスは正真正銘の王家の血を引く存在です。

もしヒストリアがエレンを捕食した場合、彼女は始祖の巨人の力王家の血という2つの条件を満たし、完全な始祖の力を使えるようになるのです。

始祖の力を発動する条件

始祖の巨人の力を発動するには、以下の2つの条件が必要です:

  1. 始祖の巨人の力を所持していること

  2. 王家の血を持っていること

この両方を兼ね備えていなければ、始祖の力は封印されたままとなります。

ロッド・レイスもエレンに向かってこう語っています:

「お前が“器”であり続ける限り、この地獄は終わらないのだ」

エレンは、自分が巨人の力を持っているせいで多くの悲劇が続いていることを知り、深い絶望に陥ります。

それは、自らの正義が裏目に出ていたという、皮肉な事実に他なりません。

進撃の巨人64話『歓迎会』の感想・ネタバレ

進撃の巨人64話『歓迎会』の感想動画

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