【進撃の巨人】第84話『白夜』考察・解説・感想【ネタバレ】

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進撃の巨人84話『白夜』のあらすじ

シガンシナ区内(外側)

リヴァイと104期生は、アルミンとエルヴィンのどちらに巨人化注射を使うかを巡って、激しく対立する。
リヴァイは、エルヴィンの思い、アルミンの夢、ケニーの言葉を思い出し、アルミンを生かすことを決める。
注射を打たれたアルミンは巨人化し、ベルトルトを食べることで、復活する。
一方エルヴィンは、少年時代に父へ質問した場面を思い浮かべるように腕を上げ、息を引き取る。

【時期】850年
【場所】パラディ島

進撃の巨人84話『白夜』で発生した伏線・謎

Qフロックの発言「悪魔を再び蘇らせる…それが俺の使命だったんだ」
(21巻84話)

A
(27巻109話)

Qエレンの発言「人類を救うのはオレでも団長でもない!アルミンだ!」
(21巻84話)

A
(34巻139話)

Qエルヴィンの発言「…に…いないって………やって調べたんですか?」
(21巻84話)

A
(21巻85話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

進撃の巨人84話『白夜』で解決した伏線・謎

進撃の巨人84話『白夜』の表現・対比

進撃の巨人84話『白夜』の考察・解説

進撃の巨人84話『白夜』の考察・解説動画

サブタイトル『白夜』の意味

白夜の定義は「真夜中になっても薄明になっているか、または太陽が沈んでも暗くならない現象」のこと。
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

リヴァイの選択と葛藤

リヴァイはエルヴィン団長とアルミンのどちらを助けるか、決断を迫られていました。最終的にはアルミンを選び、彼に命を託します。アルミンを生かした、というよりエルヴィンを死なせる選択をした、という方が解釈しやすいと思います。今回はなぜエルヴィンを死なせたのかについて解説します。ポイントは3つあるので、諫山先生のインタビューも踏まえて見ていきましょう。

  1. エルヴィンを生かす意味
  2. ケニーの言葉
  3. アルミンとエルヴィンの夢

1.エルヴィンを生かす意味

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

諫山先生はこう語っています。

「当時は『みんななにかの奴隷だった』と考えながらネームを描いていました。エルヴィンの場合は、”夢”に囚われた奴隷というか、そして生きている限りはそこから解放されることはなく、解放されるには死ぬしかなかったんです。リヴァイが蘇生を諦めくれたことで、エルヴィンは死によって奴隷的状況から解放されたんでしょうね。」(「進撃の巨人 キャラクター名鑑」、諫山創、講談社)

組織的な観点ではエルヴィンが極めて重要でした。調査兵団の団長であり、夢を追い続ける姿は仲間にとっての支えでした。リヴァイは団長としての責任や友情もあって、エルヴィンを生かすつもりでした。

しかし、エルヴィンを生かすことの意味についてフロックの言葉がリヴァイの考えを揺さぶります。

「この人にはまだ地獄が必要なんじゃないかって…」とフロックは語ります。多くの仲間を犠牲にし、悪魔のような存在になったエルヴィンには、地獄の苦しみを味わいながら戦い続けさせるべきだと言うのです。

これに気づいたリヴァイは、エルヴィンが生き返ることは再び地獄の苦しみに戻ることを意味し、彼を救うことが本当に「救い」になるのか迷います。

2.ケニーの言葉

諫山先生がケニーの最期についてキャラクター名鑑で語っていました。

「リヴァイにしてみれば利己的に生きてきたケニーが最期は利他的な行動を選んだことにとても驚いたんです。その時の経験から、リヴァイはエルヴィンを蘇生させるのではなく、人間として接して、彼の死を選択したのでしょうね。」(「進撃の巨人 キャラクター名鑑」、諫山創、講談社)

ケニーは「みんな何かに酔っていないとやってられなかった」と語っていました。つまり、エルヴィンは「夢の奴隷」であり、夢に囚われて走り続けてきた人間でした。そして、その夢を叶えるために多くの犠牲が伴い、エルヴィン自身も罪悪感と苦悩を抱えていました。

仮に夢が叶った後のエルヴィンの行く先は不透明で、夢が叶った後も地獄を歩むだけかもしれません。

ケニーの言葉の通りであれば夢に酔っていたエルヴィンが夢を叶えた後は何にすがって生きていくのか?地獄を生きるだけではないのか?とも考えられます。

3.アルミンとエルヴィンの夢

夢について諫山先生が語っていました。

「『夢は最期まで叶わない方が幸せだ』と仰る方がいますよね。そこには『最期まで夢を目指し続ける』ほうが、その人にとって良い人生になるんじゃないかって意味なんだろうなと、エルヴィンの最期を描きながら考えていましたね。」(「進撃の巨人 キャラクター名鑑」、諫山創、講談社)

アルミンの夢は壁の外に広がる海を自分の目で見ることです。エレンも「アルミンは戦うだけでなく夢を持っている」と語っていました。明るい未来のような夢を見るアルミンの姿をリヴァイも陰から見守っていました。

さらに、リヴァイは「夢を諦めて死んでくれ」と告げた場面を思い起こします。エルヴィンは地下室に行く夢を断念し、新兵たちとともに突撃する決断をしました。

夢を諦めて突撃したエルヴィンを再び戦場へ引き戻すことが、本当に彼のためになるのかという葛藤がありました。

リヴァイはエルヴィンをこれ以上地獄へ引き戻さず、休ませようと考えてアルミンを選んだと読み取れます。エルヴィンがこれ以上、苦しまず団長という責任を全うし夢を見続けたまま眠りにつかせた、ということでしょう。

エルヴィンが死ぬ直前に左手を挙手し質問する姿が描かれます。「先生…に…いないって…やって調べたんですか?」これは幼少期のエルヴィンが教師である父に「壁の外に巨人がいないことが真実であるのか?」と投げかけた場面を想起させます。この幼少期の姿は次の話で回想として描かれています。意識が薄れいく中でもエルヴィンは地下室に行く夢を見続けているのです。

リヴァイは「夢を諦めて死んでくれ」と伝えた時の「ありがとう」と言うエルヴィンを思い浮かべます。その表情は穏やかでした。

この場面の後にリヴァイはエルヴィンを死なせる選択をしたのです。

 

フロックの視点

最期の突撃作戦

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エルヴィンの特攻作戦は最期まで諦めない勇敢な兵士たちと美化されるかもしれません。しかし、現実は恐怖に怯える若者がなすすべもなく自ら命を落とした残酷な真実があります。

フロックは突撃作戦から生還した新兵で、エルヴィンを生き返らせるべきだと訴えました。彼は「みんなが死ぬことに恐怖しか感じなかった」と語り、犠牲者の悲惨な現実を突きつけます。

悪魔を蘇らせる

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

 

彼は、仲間が恐怖と絶望の中で死亡したが自分だけが生き残ってしまったという罪悪感と使命感を持つ、サバイバーズ・ギルトの状態に陥っています。フロックにとって、エルヴィンは悪魔のような存在であり、「悪魔を再び蘇らせることが自分の使命だ」と言い切ります。

つまり、エルヴィンの復活で地獄を呼び戻し、再び悪魔の役割を担えるエルヴィンが必要だと訴えました。

結果的にフロックはその願いが叶わず、後にエレンに加担する形となり、自身の生きる意味を模索し続けます。

アルミンを救うことを諦めた仲間たち

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンはアルミンを救うことを最後まで訴え、ミカサもリヴァイに刃を向けて抵抗しました。一方、ジャンやコニー、サシャ、ハンジらは、エルヴィンとアルミンのどちらを救うかという残酷な選択に直面しました。

ここでハンジがミカサを説得します。アルミンを諦めきれないミカサを後ろから抱きしめました。

ハンジが超大型巨人の爆破の渦中にいても生存できたのはモブリットがハンジを助けたからでした。回想としてモブリットにより井戸に突き落とされている場面が描かれます。

ハンジは「私にも生き返らせたい人がいる」「とてもじゃないけど受け入れられない」「…それでも前に進まなきゃいけない…」

この言葉でエレン以外の104期生は諦めその場を去りました。エレンだけはアルミンを諦めきれずリヴァイにアルミンの夢の話をしています。この場面を後にフロックがアルミンを含めた104期の仲間の前で語るのが皮肉です(第90話「壁の向こう側」)。

このようにリヴァイの選択は、組織の論理だけではなく、友情や夢、責任、そして人間としての苦悩が絡み合った複雑なものです。エルヴィンとアルミン、それぞれの夢と運命が物語の核心に迫る重要なテーマであり、後のアルミンの人格形成にも影響を与えます。

進撃の巨人84話『白夜』の感想・ネタバレ

進撃の巨人84話『白夜』の感想動画

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