この記事の目次
進撃の巨人84話『白夜』のあらすじ
シガンシナ区内(外側)
リヴァイと104期生は、アルミンとエルヴィンどちらに巨人化注射を使って救うか、強く争う。
リヴァイは、エルヴィンの思い、アルミンの夢、ケニーの言葉を思い出し、アルミンを生かすことを決める。
注射を打たれたアルミンは巨人化し、ベルトルトを食べることで、復活する。
一方エルヴィンは、幼き日に父と過ごしたあの日の夢を見ながら、死んでいく。
進撃の巨人84話『白夜』で発生した伏線・謎
残された謎
進撃の巨人84話『白夜』で解決した伏線・謎
進撃の巨人84話『白夜』の表現・対比
進撃の巨人84話『白夜』の考察・解説
進撃の巨人84話『白夜』の考察・解説動画
サブタイトル『白夜』の意味
白夜の定義は「真夜中になっても薄明になっているか、または太陽が沈んでも暗くならない現象」のこと。
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
ポイント
リヴァイの選択と葛藤
リヴァイはエルヴィン団長とアルミンのどちらを助けるか、長い間迷い続けていました。最終的にはアルミンを選び、彼に命を託します。エルヴィンを選ぶべきだと感じていたリヴァイの思いは、非常に複雑で深いものです。
まず、組織的な観点ではエルヴィンが絶対的に重要でした。調査兵団の団長であり、夢を追い続ける姿は仲間にとっての支えでした。リヴァイは団長としての責任や友情もあって、エルヴィンを生かしたいと思っていたのです。
しかし、エルヴィンを生かすことの意味についてフロックの言葉がリヴァイの考えを揺さぶります。「こいつにはまだ地獄が必要なんだ」とフロックは語ります。多くの仲間を犠牲にし、悪魔のような存在になったエルヴィンには、地獄の苦しみを見せつけながら戦い続けさせるべきだと。
これに気づいたリヴァイは、エルヴィンが生き返ることは再び地獄の苦しみに戻ることを意味し、彼を救うことが本当に「救い」になるのか迷います。
また、リヴァイはケニーとの会話を思い出します。ケニーは「みんな何かに酔っていないとやってられなかった」と語っていました。つまり、エルヴィンは「夢の奴隷」であり、夢に囚われて走り続けてきた人間でした。夢が叶った後のエルヴィンの行く先は不透明で、夢が叶った後も地獄を歩むだけかもしれません。
リヴァイは「エルヴィンが夢を叶えた後、彼は何を頼りに生きていくのか」と思い悩みました。夢を失い、ただ苦しみ続ける存在にしてしまうのは本当に幸せなのかと。
対照的に、アルミンはまだ夢の途中であり、その夢は巨人を全て倒すことです。エレンも「アルミンは戦うだけでなく夢を持っている」と語り、リヴァイも彼の夢を見る姿を陰から見守っていました。
エルヴィンとアルミン、どちらも夢を追う者ですが、アルミンの夢はまだ実現までの時間が長く、希望があるとリヴァイは感じました。
さらに、エルヴィンが最後にリヴァイに「夢を諦めて死んでくれ」と願った表情を思い出します。そのときエルヴィンは、責任を果たして夢を見続けたまま、静かに死ぬことを望んでいました。
リヴァイはその願いを受け止め、「エルヴィンを地獄の苦しみから解放する」という選択をしたのです。
フロックの視点と生きる意味
フロックは調査兵団の中でも異端の存在で、エルヴィンの突撃作戦を疑問視していました。彼は「みんなが死ぬことに恐怖しか感じなかった」と語り、犠牲者の悲惨な現実を突きつけます。
フロックにとって、エルヴィンは悪魔のような存在であり、「悪魔を再び蘇らせることが自分の使命だ」と言い切ります。つまり、エルヴィンの復活は地獄を呼び戻すことでした。
しかしフロック自身もまた、生き残った意味を探し求める人物です。彼は「自分だけが生き残った理由」を知りたくて、エルヴィンの復活を強く願っていました。
結果的にフロックはその願いが叶わず、後にエレンに加担する形となり、自身の生きる意味を模索し続けます。
仲間の反応と残酷な選択
104期生たちはアルミンが瀕死の状態にあったとき、どう接するべきか悩み、反応は冷淡とも言えるものでした。エレンはアルミンを助けることを最後まで諦めませんでしたが、ミカサや他の仲間たちは諦めに近い態度を見せていました。
フロックは「104期生はかわいそうで、残酷な世界の中で起きた仕方のない結果」と述べています。
リヴァイはこの状況の中で、エルヴィンを殺しアルミンを選ぶ決断を下しました。それは決して簡単な選択ではなく、人間としての葛藤の深さが描かれています。
このようにリヴァイの選択は、組織の論理だけではなく、友情や夢、責任、そして人間としての苦悩が絡み合った複雑なものです。エルヴィンとアルミン、それぞれの夢と運命が物語の核心に迫る重要なテーマとなっています。
進撃の巨人84話『白夜』の感想・ネタバレ
進撃の巨人84話『白夜』の感想動画
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