【進撃の巨人】第81話『約束』考察・解説・感想【ネタバレ】

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進撃の巨人81話『約束』のあらすじ

ウォール・マリア壁内(内側) ※エルヴィン・リヴァイ達 vs 獣

獣の巨人の投石で、エルヴィンと新兵の大半が死亡してしまう。
しかしその捨て身で生まれた一瞬の隙を狙って、リヴァイは獣の巨人に攻撃を仕掛ける。
獣の中の人間を取り出すことに成功したが、突然現れた四足歩行の巨人に連れ去られてしまう。

シガンシナ区内(外側) ※エレン・アルミン・ハンジ達 vs 鎧・超大型

アルミンは、冷静に超大型巨人を分析し、「消耗戦に弱い」弱点を狙った作戦を思いつく。
手分けして巨人を倒すことを提案する。
→エレン・アルミン vs 超大型巨人
→ミカサ・ジャン・コニー・サシャ  vs 鎧の巨人

【時期】850年
【場所】パラディ島

進撃の巨人81話『約束』で発生した伏線・謎

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(20巻81話)

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(巻話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

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(20巻81話)

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(巻話)

進撃の巨人81話『約束』で解決した伏線・謎

進撃の巨人81話『約束』の表現・対比

進撃の巨人81話『約束』の考察・解説

進撃の巨人81話『約束』の考察・解説動画

サブタイトル『約束』の意味

リヴァイがエルヴィンに誓った「獣の巨人を仕留める」約束。
アルミンは「超大型巨人をエレンと2人で倒す」と約束。
ジャン・ミカサ・コニー・サシャは「鎧の巨人を倒す」と約束。
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

今回のポイント

ウォール・マリア内の戦い

  • エルヴィン、新兵達の特攻場面
  • リヴァイが獣の巨人を不意打ち

シガンシナ区内の戦い

  • アルミンとジャンの役割と信頼関係
  • 「エレンを起こすアルミン」のリフレイン

これらが同時進行で進んでいくので見ていきましょう。

マルロの死とヒッチへの想い

前回のラストでは先陣を切るエルヴィンが投石を受ける場面で終わります。今回の冒頭ではその場面を違う角度から描かれています。左の腹部に投石を受けて致命傷を受けていることがわかります。

新兵は「団長が…!!」と動揺しますが元憲兵団のマルロは「振り返るな!!進め!!」と仲間を勇敢に鼓舞します。

投石を受ける直前、ヒッチのことを思い出し「あいつはまだ寝てるのか?」と呟くシーンがあります。ヒッチはマルロの調査兵団入りを反対していた人物でした。第70話「いつか見た夢」でマルロが語っていますが、2人は王政転覆の功労者であり、憲兵団にいれば安全に過ごすことが確約されたはずです。ヒッチはマルロの調査兵団入りについて「お前は向いてない」「弱っちいくせにイキがるな」となじる形で反対していました。

この描写ではマルロが死に際に当たり前にあった日常を思い返す場面となっています。

「自己犠牲の精神、自分で言ってたのがこれだ」というセリフは第72話「奪還作戦の夜」で「新兵が前線に出るべき」とジャンに語っていた作戦のことです。

現実的な死を目前にしたマルロがヒッチや日常を思い返し「死にたくない」という気持ちを表出する場面は感情が揺さぶられます。他の新兵たちも怯えたり、泣いている姿が描かれていて痛ましいです。

これら特攻作戦はエルヴィンの演説と相まって感動的にも見えます。一方で「本当に正しかったのか?」という複雑な問いとも読み取れます。

ジークの心境

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

獣の巨人ジークは、特攻を敢行する兵士たちを「発想が貧困でワンパターンな奴ら」と嘲笑しつつも、どこか同情も寄せています。

この心境は、ジークがエルディア復権派の父親グリシャに憎悪と複雑な感情を抱いて育ったからです。エルディア復権派は巨人になれるエルディア人としての存在意義を主張し、誇りを持った集団でした。

犠牲となる兵士たちを思想を植え付けられた「可哀想な者たち」と見ており、ジークは哀れみを持って投石攻撃、つまり死を与えることをしています。これらは苦悩と使命感を持っているように描かれています。これらは後の安楽死計画にも繋がる思想になっています。

エルヴィンの生き返りとリヴァイの葛藤

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社

ジークを倒した後、その力を使って誰か一人を生き返らせることができるとしたら誰か——。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社

リヴァイはまずエルヴィンを思い浮かべますが、その後の複雑な心情から最終的にアルミンの復活を望む動きへと変化していきます。

この心の動きは、エルヴィンが夢を諦めて責任を全うしたことや、リヴァイの葛藤を深く表しています。

ジーク奪取の失敗とリヴァイの約束

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社

リヴァイはジークの力を奪い取るも、ピーク率いる車力の巨人に奪われてしまいます。

その後、ジークは叫びの力を使い、リヴァイに攻撃を仕掛けます。

しかしリヴァイはエルヴィンとの約束を思い出し、「必ずお前を殺す」と再確認します。

この「約束」は、20巻のサブタイトルにもなっており、エルヴィンとリヴァイの絆、そしてアルミンの決意が織り交ぜられた重要なテーマです。

アルミンとジャンの役割分担

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

アルミンとジャンは、ともに「賢い指揮者」としての側面を持ちながらも、絶妙に異なる役割を果たしています。実は二人はとても似たキャラクターであり、どちらも冷静に状況を分析し、仲間を引っ張るリーダーシップを持っています。

しかし、その成り立ちには面白い背景があります。

キャラクターの元ネタは一人だった?

「2006年にマガジングランプリで佳作をいただいた、最初の『進撃の巨人』に登場していたキャラクターが、アルミンとジャンの2人に分裂した形で生まれました。」(諫山創、進撃の巨人 キャラクター名鑑、講談社)

  • ジャンは状況を冷静に読み、全体の方向性や戦況の把握に優れているので方向性を示す指揮官

  • アルミンは具体的な作戦やアイデアを練り上げて作戦を実行に移す参謀役

このような役割分担をしています。

女型の巨人戦では、ジャンが「この距離ならまだ奴の気を引けるかもしれない」と的確に判断し、撤退までの時間を稼ぐ案を提示。一方でアルミンはその案に乗りつつ、相手に正体を悟られないようにフードを被る作戦を思いつくなど、細やかな工夫を加えています。

こうした「方向性を示すジャン」「具体策を練るアルミン」のコンビは、理想的なチームワークを生み出しています。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社

アルミンが自信を失って指揮役を変わってほしいとジャンに頼む場面があります。ジャンは「状況は把握できる」と前向きに語りっていますがアルミンの能力を見越して「最終的にはお前に頼るからな…」と信頼を寄せるシーンがあります。

リフレインが示す成長とクライマックス

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

意識を失ったエレンをアルミンが起こすシーンがあります。

この場面は第14話「原初的欲求」で暴走して力尽きたエレンをアルミンが起こす場面のリフレインになっています。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンを起こす際のセリフは「外の世界に行くよ」とエレン自身の持つ夢を思い出させる言葉です。

夢を語り合った親友アルミンという存在も強調されていて、エレンとアルミンの成長と繋がりがクライマックスを予感させます。

硬質化能力の広がりとライナーの存在意義

ジークも硬質化能力を持っており、リヴァイに追い詰められた際に使用しています。

他にもライナーやアニ、エレン、さらには始祖の巨人も硬質化能力を操るなど、能力が広く浸透しているため、ライナーの存在価値が相対的に薄れてしまうという側面もあります。

進撃の巨人81話『約束』の感想・ネタバレ

進撃の巨人81話『約束』の感想動画

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