【進撃の巨人】第19話『まだ目を見れない』考察・解説・感想【ネタバレ】

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進撃の巨人19話『まだ目を見れない』のあらすじ

巨人化する人間がいるという事実で、壁内は混乱する。
地下室に閉じ込められていたエレンは、兵法会議に参加する。
議論の末、エレンは調査兵団のリヴァイのもとで、管理する(=生かされる)ことが決定する。

【時期】850年
【場所】パラディ島トロスト区

進撃の巨人19話『まだ目を見れない』で発生した伏線・謎

Q地下牢に監禁され「化け物」扱いされるエレン
(5巻19話)

A世間から化け物と扱われ、104期生の同期と離れて、青年エレンは不安を抱える。この精神状態が、エレンの判断に影響を与える。
(巻話)

Qミケがエレンの匂いを嗅ぐ
(5巻19話)

Aミケの嗅覚は本当に鋭く、遠くにいる巨人の存在も感知した。巨人化できるエレンの匂いを嗅いで笑っていたのは、ただの癖だった?
(7巻27話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(5巻19話)

A
(巻話)

進撃の巨人19話『まだ目を見れない』で解決した伏線・謎

進撃の巨人19話『まだ目を見れない』の表現・対比

進撃の巨人19話『まだ目を見れない』の考察・解説

進撃の巨人19話『まだ目を見れない』の考察・解説動画

サブタイトル『まだ目を見れない』の意味

エレンは自分をボコボコにしたリヴァイの目を見られない
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

現在の状況

エレンは巨人の力でピクシスの命令で穴を塞ぐ作戦を成功させましたが、あくまでも緊急事態の現場の判断で行ったことです。今までの功績は一旦白紙に戻し、兵団のトップであるザックレー総統が改めてエレンの処遇を定めようとしています。

この話は4巻第14話「原初的欲求」でエレン巨人が大岩で穴を塞いだ数日後の状況です。エレンは人間の姿に戻っても気を失っていました。その間、兵団側は巨人とも人間とも分からぬエレンを恐れ、審議所の地下室に幽閉していました。

これから兵法会議(アニメでは特別兵法会議)でエレンの管理を憲兵団か調査兵団のどちらが行うか決めます。管理する兵団が憲兵団であれば解剖して処分(=死)、調査兵団であれば巨人の力を利用する(=生)ということです。

 

特別兵法会議とは

アニメの現在公開可能な情報より

引用:TVアニメ「進撃の巨人」シーズン1

①特別兵法会議
兵士・兵属を裁くための刑事裁判。
判事、検察、弁護人は、すべて兵属にある者が務める。

引用:TVアニメ「進撃の巨人」シーズン1

②特別兵法会議
通常の兵法会議より政治色が濃く、決定権は3つの兵団のトップ、ダリス・ザックレー総統に委ねられている。

ザックレー総統とは

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

初登場となるザックレー総統(ダリス・ザックレー)は、調査兵団、駐屯兵団、憲兵団の3つの兵団を束ねる最高権力者であり全権を握る存在です。

エレンの頭が冴え渡る

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

地下牢のエレンはまだ人間らしい面があります。自分のことを”化け物”と言われて傷ついたり、仲間にどう思われるか気にかけています。そして、このまま拘束されたままなのでは…という不安も持っています。

混乱しているエレンに対して、ハンジは「あえて」状況や作戦を説明せずも兵法会議に送り出します。そんな中でもエレンは状況判断能力や対応力が冴えていることがわかります。エレンは自分が審議所にいること、ダリス・ザックレー総統などの上層部の人物がいること、これらから自分の発言によって「生きるか死ぬか」が決まる深刻な会議であることを理解します。

発言でわかるエレンの成長

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

「君は公のために命を捧げると誓った兵士である…ちがわないかい?」と質問します。兵団の人間であれば「公のため」にどう活用されるか、今ココで決めるということであり、結果によっては「死刑」もあるということです。「異論はあるかね?」という質問に対してエレンは「ありません!」と答えます。

エレンは、3巻第10話「左腕の行方」で小鹿のようなキッツ隊長との交渉に失敗しているので、その経験を活かし慎重に返答しています。ここで「ちょっと待ってください」「死刑は嫌です」などの反論や質問が無意味であることを理解しているのでしょう。ザックレーからも「察しが良くて助かるな」と好印象です。

憲兵団の意見

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

憲兵団の師団長であるナイル・ドークは「エレンの人体を調べ上げて、速やかに処分するべきだ」と主張します。
壁内はエレンを「脅威」とする者と「英雄」とする者とで混乱しており、内乱が生じかねないと危惧しています。内地の秩序のためならばエレンという一兵士の犠牲も厭わないという考えでしょう。

※ちなみにナイルはエルヴィンと訓練兵時代の同期です。

調査兵団側

エルヴィンは「エレンを正式な団員として迎え入れ」「巨人の力を利用しウォール・マリアを奪還します」「以上です」とだけ主張します。ザックレーは「もういいのか?」と拍子抜けします。切り札はまだ取っておくのです。

様々な意見

エレンを巡る対立は調査兵団と憲兵団だけではありません。民衆も一筋縄ではいかない様子もわかります。主に4つの陣営に分かれて議論されています。

①エレンを「脅威」とする陣営

ナイルの言う「中央で実権を握る有力者」はエレンを脅威と認識しています。彼らは「非ユミルの民」のことでしょう。
24巻第96話「希望の扉」で「非ユミルの民」について語られます。「非ユミルの民」には「始祖の巨人」の力が及ばないので世界の真相の秘密と忠誠を守る見返りに権限を与えられています。彼らは内地の安全な暮らしのため現状維持を最優先としています。

②エレンを「英雄」とする陣営

一方でエレンの巨人の力を英雄視する民衆もいます。ウォール・ローゼの内の民、商会の有力者達が多いようです。ウォール・マリア彼らは内地の保守派への反発を持っています。

③保守派

「すべての扉は完全封鎖するのではないのか?」と言うのは商会の人間です。壁の扉を封鎖すべきと言っています。

④ウォール教

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ニック司祭は壁に手を加えてはならない、と主張しています。「(確か…宗教とか言ったっけ…?)」というモノローグから宗教という概念が普及していないことがわかります。アニメ第1話でニック司祭がわずかに登場しています。

ミカサの証言

ミカサはエレン巨人に二度、命を救われたことを話します。

一度目は、2巻第7話「小さな刃」でミカサを襲おうとする巨人をエレン巨人が殺しました。

二度目は、3巻第10話「左腕の行方」でキッツの命令で放たれた榴弾からエレン巨人の左腕で守りました。

憲兵団の調査報告によると…

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ミカサの証言を受けて、ナイルが語ります。エレンとミカサは過去にエレンが子どもながらに強盗を殺害したことを持ち出し「根本的な人間性に疑問を感じます」「彼に人類の命運・人材・資金を託すべきなのかと」と発言します。これ聞いて人々はどよめき、擬音も「ザワザワ」と書かれています。

そして、ミカサに対しても危険性が疑われ始め、ここでエレンにスイッチが入ります。

エレンの主張

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

「人間かどうか疑わしい」「解剖でもした方が…」とミカサに対しても火種が飛んだことでエレンが徐々に感情的になります。エレンはモノローグで「(これ以上は黙った方が…)」と悩んでいましたが、「(いや言ってやる…思ったこと全部)」と決意が固まり始めると「(この腰抜け共に…)」「この…腰抜け共め…」とモノローグが言葉に出てしまっています。ここは漫画ならでは表現になっています。

そして「いいから黙って全部オレに投資しろ!!」と叫びます。この「投資」はナイルの「彼に人類の命運・人材・資金を託すべきなのかと」という言葉を受けて出た言葉です。

リヴァイ登場

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

リヴァイは調査兵団側として保守派の商会の人物に対して反論していました。壁内は領土が減り食料不足に陥っています。リヴァイは地下街出身であり、厳しい環境で育ちました。飢えの苦しみを知っているリヴァイは己の利益だけを優先する人間たちを「豚共」と蔑みます。

そして、エレンが感情的になり、憲兵団が銃を構えたところでリヴァイがエレンの顔面を蹴り飛ばします。

「躾に一番効くのは痛みだと思う」「今お前に一番必要なのは言葉による『教育』ではなく『教訓』だ」

と言い、何度も蹴りつづています。これは自分以外に誰かエレンを制御でえきるのか?と問うパフォーマンスでもあるのです。

エルヴィンの後押し

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

どよめく場内をエルヴィンが収束させます。感情的になったエレンは大人しく解剖に応じるとはとても思えない、となれば憲兵団が管理することは不可能です。調査兵団であれば、人類最強の兵士リヴァイが管理することが可能であることを証明します。

さらにエルヴィンは憲兵団の主張である「内地の混乱の問題」に関しても策を持っていました。次回の壁外調査でエレンが人類の希望であることを証明できれば、混乱が収まるのではないか、という見通しです。これにはナイルも反論できずにいます。

ザックレー総統がエルヴィンの説得により調査兵団側になびいた様子で「できるのか?リヴァイ」と問いかけます。それに対して、リヴァイは殺すことは間違いなくできると断言し、続けて「問題はその中間がないことにある」と答えます。これが決定打となり、エレンの管理は調査兵団に任されるのでした。
※ここでミカサがリヴァイに対して殺意の籠もった目で睨んでいます。このパフォーマンスがきっかけでミカサはしばらく、リヴァイのことを恨んでいます…。

小ネタ

兵団の階級

各兵団組織で階級の呼び名が異なります。

【調査兵団】

  1. 団長
  2. 兵士長
  3. 分隊長
  4. 班長
  5. 兵士

【駐屯兵団】

  1. 司令
  2. 隊長
  3. 班長
  4. 兵士

【憲兵団】

  1. 師団長
  2. 上官
  3. 隊長
  4. 兵士

兵団内部の警察として、駐屯兵団の上位として振る舞い、兵団のみならず内政のあらゆる部分に隠然たる権力を持つ。 総数2000名程度でありながら、憲兵は”師団”を号している。 これは憲兵団の権威を表すための恣意的なもので、駐屯兵団・調査兵団の両者から忌み嫌われている。

(引用:諫山創、進撃の巨人ー攻ー OUTSIDE、講談社)

民衆の情報源は新聞

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

パラディ島では新聞が重要な情報源です。王政編、パラディ内紛編で新聞社(ベルク社)が重要な役割を果たします。

進撃の巨人19話『まだ目を見れない』の感想・ネタバレ

進撃の巨人19話『まだ目を見れない』の感想動画

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