この記事の目次
進撃の巨人22話『長距離索敵陣形』のあらすじ
調査兵団入りした104期生の回想。壁外調査までの期間に「長距離索敵陣形」を学ぶ。
調査兵団は、カラネス区から壁外調査に出発し、巨人を避けつつ進む。
しかし奇行種、更には女型の巨人が現れて、ネス班長達は殺されてしまう。
アルミンは、女型の巨人の挙動から「知性を持つ」と推測。
進撃の巨人22話『長距離索敵陣形』で発生した伏線・謎
(5巻22話)
A地下牢に監禁され、「化け物」扱いされて、仲の良い同期と離れたエレンは不安定な心情を抱えつつ戦いに挑む。その結果、「仲間を信じる」ことを選択する。その結果、リヴァイ班はほぼ全滅。エレンにとっての転機の一つ。
(7巻28話)
(5巻22話)
Aマルコは口封じのためにライナーたちに殺された。その際に、立体機動装置をライナーに外された。アニは、ソニー&ビーンを暗殺するときに、マルコの立体機動装置を使用した。
(8巻32話)
残された謎
進撃の巨人22話『長距離索敵陣形』で解決した伏線・謎
進撃の巨人22話『長距離索敵陣形』の表現・対比
進撃の巨人22話『長距離索敵陣形』の考察・解説
進撃の巨人22話『長距離索敵陣形』の考察・解説動画
サブタイトル『長距離索敵陣形』の意味
エルヴィンが考案し死亡率を大幅に下げた「長距離索敵陣形」の登場
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
時系列を整理
今回の話は現在→回想→現在と場面が切り替わります。まず、前話の第21話「開門」の続きで壁外調査に出た調査兵団とエレンが描かれます。
次ページでエレン回想に入ります。1ヶ月前にあたる解散式の夜の翌日です。エレンがリヴァイ班で作戦を聞く場面になります。そして、エレンは同期たちとたまたま出くわし、調査兵団に入った仲間と死亡した仲間を知ります。そして、現在に戻ってきます。現在の壁外調査の作戦中には長距離索敵陣形の説明をネス班長が講義形式で説明する回想が挟まれるが親切です。
長距離索敵陣形とは…
エルヴィンが考案した調査兵団が行軍する際の陣形と戦術。これにより生存率を大幅に上げることに成功したという。
基本的には5つの層からなる菱形に展開し、巨人が追いつけない速度で行軍、巨人を発見した者が信号弾を撃ち、先頭付近にいる団長が全体の進路変更を信号弾で知らせることで、巨人と直接戦闘を極力回避する。簡単に言えば、人力による電波探知機(レーダー)である。陣形中央に位置するエルヴィンが早期に巨人発見を知ることで、遭遇前に陣営の進路変更が可能になった。
信号弾は、巨人を見つけた場合は赤色、全体が進む方向に緑色、奇行種を発見したり緊急の場合は黒色を上げる。
巨人と戦わずに回避を優先する陣形ではあるが、地形や建造物などによる視界の制限や足の速い巨人に対しては、陣の内部に侵入を許してしまうことがある。
仲間を信じたいエレン
この話ではエレンの不安な様子が描かれます。この時のエレンの感情を整理すると、巨人化する体になっていて、人から「怪物」と言われ恐れられている孤独感があります。それに、104期の同期やずっと一緒にいた幼馴染のアルミンとミカサにも1ヶ月以上会えず、隔離された環境で寂しさもあります。そして、巨人化能力を自分が本当に使いこなせるのか?という不安もあり、エレンの精神状態は不安定です。
そんな中で先輩から聞いた作戦は「なにか別の目的があるかもしれない」というものでした。詳細を兵士に説明すべきではない、と団長が判断したのならその通りにすべきだと言っています。リヴァイ班の先輩はエレンの不安な気持ちを察しているのか「団長を信じろ」と声をかけます。エレンは仲間を信じる先輩の姿を見て、自分も信じられるだろうかと不安になっています。
ジャンの役割
ジャンは一見、性格が悪いキャラクターのように見えましたが、だんだんその印象が変わっていきます。4巻第15話「個々」の初登場シーンからエレンに突っかかっていたのですが、今回は今までと重みが違います。仲間のマルコが死亡したことにショックを受けるエレンに対して、ジャンは俺たちと人類の命がこれにかかってると仲間の前で語ります。みんなの前でエレンを追い詰めるのです。これにはミカサも動揺したように「今ここでエレンを追い詰めることに一体何の意義があるの?」とミカサが止めるレベルです。
ジャンはミカサに対して「エレンのために無償で死ねるわけじゃないんだぜ?」と返します。ジャンの本心であり、仲間の声の代弁です。つまり、仲間たち含めてみんなエレンに自分の命を捧げていいのか?預けていいのか?ということを改めて問いています。
今までもエレンが巨人化能力があると知った時も壁の穴を塞ぐ時も「エレンを助けるかどうか?」で揉めていました。本当にエレンを信じれば全て救われるのか確信を持ちたいのです。特に新人の兵士たちは迷うはずです。エレンに自分を信じていれば絶対人類のためになる、ということを示してほしいのです。そんなジャンに対してエレンは「あ…あぁ…」と返事をします。
ジャンのこの言動はガス抜き的な意味もあったでしょう。仲間が不安を抱えているの中で自分が代弁してあげたところもあると思います。
マルコの言葉である「弱い人間であるジャン」だからこそできた演説とも言えるでしょう。弱い人間の立場からみんなに指揮をするというか、鼓舞するというか、自分も弱い人間だからこそ不安な気持ちが分かる。みんなの気持ちの代弁として、エレンに語りかけることで、みんなの不安を取り除いてあげる。こういうことを意識してやっているのです。
ジャンはこのあたりから個人としてではなく、公のために尽くす人物になっていきます。
「エレンお前本当に頼むぞ」と危機迫った表情で念を押すのは、自分が死にたくないこと以外にも仲間の思いを背負っていることをエレンに確認している意図があります。
エレンは自分が寂しくて104期の仲間たちに話しかけてきた時の和らいだ表情とか態度を見て責任感の重さを感じているのか?本当に大丈夫か?って思ったのもあったかもしれないです。
「女型の巨人」の強さ
ついに「女型の巨人」が現れるのですが、このネス班長とシスの二人組は熟練の兵士で巨人を倒します。その後「女型の巨人」現れてた時に「ついてない」と言いつつもまたやるぞ!と倒そうとします。しかし、「女型の巨人」の圧倒的強さで殺されてしまいます。この流れから「女型の巨人」は普通の無垢巨人や奇行種の巨人とは格が違うことが分かります。
「女型の巨人」は知性がある
アルミンは「女型の巨人」の動きを見て「どうすればいいのですか」「やつは通常種でも奇行種でもありません」「やつは知性がある」「超大型巨人や鎧の巨人とかエレンと同じです!」と言うのです。
この時にアルミンがなぜ気づいたかというと「女型の巨人」は人を食べて殺すことをしてないからです。踏み潰したり、投げとばすなどの特殊な殺し方をしていたのです。アルミンはそれらの点から「あれは知性がある」と判断したということです。
今回の作戦内容
調査兵団に入団した新兵たちは1ヶ月間、この「長距離索敵陣形」や「巨人の通常種と奇行種」について学んでいました。
これまでの訓練兵時代は巨人の倒し方を学んでいたのですが、今後は団体としてどう戦うかということが重要になります。調査兵団の肝となるエルヴィンの考えた作戦であり、1ヶ月かけて頭に叩き込まなければ仲間の命が危ぶまれる作戦とも考えられます。
今回の第57回壁外調査についてエレンはグンタから説明を聞きます。
「極めて短距離であるのはエレンをシガンシナ区に送るための試運転だからだ」「今回はとりあえず行って帰ってくることが目標だ」
上記の内容をエレンは聞かされていました。しかし、実際はエレンを襲いに来る敵をおびき寄せるという目的があります。エルヴィンは兵法会議でザックレーたちにエレンを調査兵団で管理するという話をしたときに「次回の壁外調査でエレンが人類に有益であると証明します」と宣言しています。それを果たす必要性があるので「とりあえず行って帰ってくる」なんてぬるいことを言っている場合ではありません。
小ネタ
ミカサの頬の傷についてです。3巻第12話「群像」のラスト、第13話「傷」にてエレン巨人が暴走したタイミングでミカサは頬に傷を負っています。ジャンが指摘するようにミカサ頬の傷はかなり深いようです。エレンも動揺しています。これ以降、本作ではも最終回までミカサの頬の傷が描かれます。ヒロインの一人でありながら頬にずっと傷があるという特殊なキャラクターとして描かれてい行きます。
進撃の巨人22話『長距離索敵陣形』の感想・ネタバレ
進撃の巨人22話『長距離索敵陣形』の感想動画
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