【進撃の巨人】第6話『少女が見た世界』考察・解説・感想【ネタバレ】

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進撃の巨人6話『少女が見た世界』のあらすじ

844年(ミカサの回想)

エレンはミカサを助けるために強盗を2人殺すが、3人目に取り押さえられる。
ミカサはエレンの「戦え」という声でアッカーマンの血が覚醒し、窮地を脱する。
両親を失い、寒さを感じるミカサに、エレンはマフラーを巻いてあげる。

850年(トロスト区攻防戦)

回想が終わり、トロスト区攻防戦で上官の指揮下にいるミカサの描写へ。
ミカサはエレンが巨人に食べられたことを知らない状態で、エレンを探しに前線に出る。

進撃の巨人6話『少女が見た世界』で発生した伏線・謎

Q東洋の一族とは?
(2巻6話)

Aフリッツ家と付き合いがあったヒィズル国の将軍家の生き残り。パラディ島に100年以上前にやって来て、そのまま住んでいた。
(21巻107話)

Qミカサの目線の先にいるエレンの姿
(2巻6話)

Aミカサが直視したくなかった、最初から変わっていなかったエレンの姿。
(31巻123話)

Qエレンは何故大人を殺せた?
(2巻6話)

A生まれ持った性質。生まれたときから”こう”だった
(30巻121話)

Qミカサは何故突然強くなった?
(2巻6話)

Aアッカーマンには覚醒する瞬間がある。ミカサ父は覚醒しないままで半生を過ごし、強盗に殺された。
(16巻63話)

Qエレンが強盗を殺した後、ミカサにマフラーを巻くシーン
(2巻6話)

A道の世界のグリシャの記憶ツアーの中で、大人エレンがこの光景を神妙な面持ちで見ている
(30巻121話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(2巻6話)

A
(巻話)

進撃の巨人6話『少女が見た世界』で解決した伏線・謎

Qミカサの頭痛(1回目)
(1巻2話)

A自分の両親(家族)がいなくなったトラウマを思い出す
(2巻6話)

進撃の巨人6話『少女が見た世界』の考察・解説

進撃の巨人6話『少女が見た世界』の考察・解説動画

このブログの内容は以下の動画でも解説しています

サブタイトル『少女が見た世界』の意味

幼少期のミカサが見た「弱肉強食・残酷な世界」が、現在と地続きであったと気づく
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

エレンの「戦え戦え」

エレンの「戦え戦え」セリフは、26巻106話「義勇兵」で大人エレンが再び発する。

ミカサの家

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ミカサが「家」と発言するのは、このときのエレンの「俺達の家」という発言があったからです。

 

残酷な世界part2

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

エレンが隠れていた盗賊に殺されかけた時に「その時思い出した、この光景は今までに何度も何度も」と言って、過去のことを思い出します。

蝶々がカマキリに食べられている光景。これは自然界の弱肉強食です。勝者しか生きることが許されない、当たり前の日常。それを子供の純粋な好奇の目で見ている。

さらにミカサの父親が鳥を採ってきて「今日は肉が食べれるぞ!」と告げる。この世界では肉は貴重なので、ミカサもミカサの母親も喜んでいる。死んだ鳥を、喜びと共に見ているんですね。ミカサ自身も、弱肉強食の仕組みの中で、人よりも弱い鳥の命を食べて生きています。

ここで言いたいことは「勝者の側に自分自身もいたじゃないか」という話です。ミカサ自身も食物連鎖の中で鳥という生き物を食べる。弱肉強食で言うと強者の側です。さらに勝者の側で、鳥の肉を食べて、家族みんなで美味しい思いをしたのを一度は喜んでいたじゃないかという。

一方で同じように食べられる蝶と、食べるカマキリの関係もある。そこから分かるのは、事実としての現実の世界というのは残酷ということ。弱肉強食は避けられない摂理だと、ミカサは受け入れるのです。生き残るためには弱肉強食の世界で生き残らなければいけないと、再認識するのです。

覚醒するミカサ

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

「思い出した、この光景を今までに何度も何度も見てきた」と言って、アッカーマンの力を発揮してエレンを助けます。

ミカサ父はアッカーマン

ミカサの母親は東洋人です。「東洋ってところから壁の中に逃げてきた一族最後の末裔」と書かれています。

ミカサの父親はアッカーマンですが、「アッカーマンの力」を発揮できずに殺されてしまいます。ミカサパパには宿主がいなかった。誰かのために力を発揮するってことが今まで無く、普通に暮らしていため、殺されてしまった。

一方のミカサは「この世界は残酷だ、弱肉強食だ」と気づいてから、体の震えが止まり「その時から私は自分を完璧に支配できた」と言っています。エレンの言葉「戦え戦え」のタイミングで、ドクンドクンって明らかに体に異変が起きています。

普通の少女の力では考えられない「ミシミシ」とナイフを握りしめる音、さらに敵に襲いかかるシーンで「床を蹴り抜く」感じで、超人パワーを得ています。

ちなみにリヴァイも「アッカーマンのパワーが出る瞬間があった」という話がありましたが、ミカサの場合はこの時です。

 

進撃の巨人のキーワード「森」

進撃の巨人の「森」は重要キーワードです。

サシャの父親は、娘を殺したガビのことを憎まずに、許す選択をしました。ここでサシャの父親はこの世界を「森」と捉えています。

世界は繋がり 兵士になったサシャは… 他所ん土地に攻め入り 人を撃ち 人に撃たれた 結局… 森を出たつもりが 世界は命ん奪い合いを続ける 巨大な森ん中やったんや… サシャが殺されたんは… 森を彷徨ったからやと思っとる せめて子供達は この森から出してやらんといかん そうやないとまた同じところを ぐるぐる回るだけやろう… だから過去の罪や 憎しみを背負うのは 我々大人の 責任や

「森」というのは、殺し合いが行われる負の連鎖(憎しみの連鎖)が続く、世界の比喩です。森から出る、憎しみのレン差から抜けることが重要だと、サシャの父親は悟っているのです。

実はこの6話のエレンが初めて人を殺すシーンで「森」が出ています。エレンがミカサを助けに行くときの回想にて、エレンが強盗に「僕は森で迷って…」と言っています。盗賊は「ダメだろう、子供が一人で森を歩いちゃ、森には怖い狼がいるぞ」と返します。

この後に、エレンがブスって刺して殺す。少年エレンは好戦的な性格ではありましたが、人を殺したのは初めてです。

これこそ、まさに殺し合いの連鎖。サシャの父親が言ってた「森」の中にエレンが入った瞬間です。

 

名言「戦わなければ勝てない」

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

この世界は残酷で弱肉強食、勝者のみが生き残る、というのが世界の基本です。エレンは、盗賊に殺されそうになったシーンで「勝てなきゃ死ぬ、勝てば生きる。戦わなければ勝てない」と言います。

この言葉と意思がミカサに受け継がれていく。その後も何度も出てくる、エミカサを支える言葉です。

 

名シーン「マフラーを巻くエレン」

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

両親を殺されたミカサは「寒い」「私にはもう帰るところがない」と言います。

その言葉を聞いたエレンが、ミカサにマフラーを巻いてあげる。「寒いから温める」のはもちろん、彼女の置かれた境遇への理解もあるでしょう。そして「早く帰ろうぜ俺達の家に」と言って、受け入れる。

まさに「つながり」を象徴するのがマフラーです。

一方で、穿った見方もできます。28巻でエレンがミカサに「お前のことは昔から嫌いだった、アッカーマン一族というのは、そういう習性を持っていて、お前は俺の奴隷みたいになってたんだ」と暴言を吐きます。

これはエレンの嘘ですが、マフラーは見方を変えると「束縛する首輪」のようにも捉えることが出来ます。6話でエレンがミカサにマフラーを巻いたのは純粋な優しさに違いありません。

しかしその結果「ミカサが自分に依存する、人生を変えてしまった」とエレンは思い悩んでいたのです。なので、マフラー、更には「優しさ」そのものが、祝福でもあり呪いでもあると言えます。

 

進撃の巨人6話『少女が見た世界』の感想・ネタバレ

進撃の巨人6話『少女が見た世界』の感想動画

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