この記事の目次
進撃の巨人73話『はじまりの街』のあらすじ
ついに始まったウォール・マリア奪還作戦。
エレンの実家があるシガンシナ区に向けて、調査兵団は夜道を進む。
巨人と遭遇しないまま、順調にシガンシナ区に到着する一同。
エレンが巨人化し、シガンシナ区に空いた大穴を塞ごうと試みる。
一方、その様子をベルトルト・ライナーはどこかで見ていた。
進撃の巨人73話『はじまりの街』で発生した伏線・謎
残された謎
進撃の巨人73話『はじまりの街』で解決した伏線・謎
進撃の巨人73話『はじまりの街』の表現・対比
進撃の巨人73話『はじまりの街』の考察・解説
進撃の巨人73話『はじまりの街』の考察・解説動画
サブタイトル『はじまりの街』の意味
エレンの生家があり、超大型巨人が襲来した「シガンシナ区」
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
壁内の社会問題
引用：『進撃の巨人』（諫山創、講談社
今回の冒頭では今までストーリをダイジェスト形式で振り返られていてクライマックス感があります。
調査兵団の戦いとは別の視点だけでなく、パラディ島内の社会問題も描かれます。市民は職を失い、家を失った人々がいて「仕事をください(シゴトオ クダサイ)」と書かれたプラカードを掲げている者までいます。
これは単なる背景描写ではありません。エレンの怒りから始まったストーリーは、その戦いの裏で犠牲となっている無数の市民が存在しているということです。
現実世界においても共感できる描写として、突然の転勤、仕事の喪失、住環境の不安定化などが連想されます。これらは調査兵団の正義が一筋縄では語れないものであることも示しています。
このように、第73話では戦術の緻密さと登場人物の心理、さらに社会背景に至るまで、多層的な描写が展開されています。エレンの旅路は、今や個人の葛藤と社会の構造的な問題をも包み込む、複雑な物語へと進化しています。
周到な作戦準備と進化する戦術
調査兵団によるウォール・マリア奪還作戦は、単なる突発的な強行ではなく、周到に準備された計画のもとに実行されていました。作戦に先立つ二ヶ月間、兵団は地形や進軍ルートの確認を含め、足場の確保に取り組んでいたのです。
引用：『進撃の巨人』（諫山創、講談社
第70話「いつか見た夢」で説明があったようにレイス家の地下礼拝堂の光る鉱石はエネルギーを消費しない発光物として住民や工業地に供給されています。調査兵団もそれを利用して夜間での行軍も可能となりました。これまでの調査兵団は夜間の移動時は松明を使用しており、視界や移動において制限がありました(第38話「ウトガルド城」)。
加えて、今回の作戦で重要なことは兵士たちがフードをかぶることです。これは誰がエレンであるかを判別しにくくする工夫も施されていました。この戦術は、かつてアルミンが女型の巨人を欺いた際の知見が活かされており、過去の戦いの経験が今なお血肉となっていることを示しています。
エルヴィンの心理戦と敵への情報操作
引用：『進撃の巨人』（諫山創、講談社
作戦において重要な要素の一つが、情報操作です。エルヴィンは、「我々がここへ向かっている時点で、敵は壁の修復が目的と判断するであろう」と語り、さらに「地下室の存在はすでに敵にも知られている」と明言します。
これは、過去にエレンの存在や地下室の秘密を調査兵団内に共有した際に、すでに“敵の中に敵がいる”という前提で情報を流していたことを示唆しています。つまり、敵に地下室の情報が漏れることさえ、あえて利用するという高次元の心理戦を展開していたのです。
怒りを原動力とするエレンの決意
引用：『進撃の巨人』（諫山創、講談社
本話において、エレンの原動力が「怒り」であることが明確に描かれます。彼はエルヴィンが夢を語る姿を見て、「お前は楽しそうに夢を見るのに、俺には何もなかった」と語り、己の無力と不自由さに初めて気づいたと述懐します。
引用：『進撃の巨人』（諫山創、講談社
「俺は鳥かごの中で生きていた」「自由を奪う存在が許せなかった」――こうした怒りの感情が、エレンの行動の根幹にあるのです。
この怒りは、単なる衝動ではなく、過去の経験と重なりながら深化しています。レイス家の事件や父グリシャの記憶を通じて、自信を喪失しかけた彼が、再び自らを肯定するきっかけともなったのが母カルラの言葉でした。
引用：『進撃の巨人』（諫山創、講談社
エレンはこう結論づけます。「俺たちは生まれたときから皆、特別で自由だからだ」と。
このセリフは、エレンというキャラクターの自己肯定の転換点であり、彼が再び「自由への戦い」を前進させる大きな原動力となっています。
進撃の巨人73話『はじまりの街』の感想・ネタバレ
進撃の巨人73話『はじまりの街』の感想動画
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