【進撃の巨人】第53話『狼煙』考察・解説・感想【ネタバレ】

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進撃の巨人53話『狼煙』のあらすじ

新リヴァイ班隠れ家

新リヴァイ班は隠れ家でエレンの巨人化実験を行うが、失敗。
壁を塞ぐための硬質化能力はまだ使いこなせない。
代わりにエレンは「謎の女性」の記憶を思い出す。

エレンを探していた「敵」は、エレンの巨人化実験の煙を見て、隠れ家を特定する。
リヴァイ達は見つかったことを察知し、トロスト区に向かう

トロスト区

街に出た調査兵団リヴァイ達は、一般市民に絡まれる。
そこに馬車が突っ込んできて、変装したアルミン・ジャンが誘拐される。

王都ミットラス

王都ミットラスにて、エルヴィンは憲兵団のナイルと密談をする。
「今この小さな世界が変わろうとしている」「選ぶのは誰だ?誰が選ぶ?お前は誰を信じる?」と揺さぶりをかける。

進撃の巨人53話『狼煙』で発生した伏線・謎

Qエレンの記憶に描かれた「黒髪の女性」は誰?
(13巻53話)

A
(16巻63話)

Qエレンが父グリシャのことを思い出す
(13巻53話)

A
(22巻88話)

Qエレンが「父さんが」「オレを」と書いた意味は?
(13巻53話)

A
(14巻57話)

Qリヴァイの発言「巨人が地面から現れるかも知れねぇし空から降ってくるかもしれん」
(13巻53話)

A
(34巻135話)

Qエルヴィンの発言「選ぶのは誰だ?」
(13巻53話)

A
(15巻61話)

Qリヴァイがトロスト区で見た「やせ細った母親、赤子」の姿
(13巻53話)

A
(18巻72話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(13巻53話)

A
(巻話)

進撃の巨人53話『狼煙』で解決した伏線・謎

進撃の巨人53話『狼煙』の表現・対比

進撃の巨人53話『狼煙』の考察・解説

進撃の巨人53話『狼煙』の考察・解説動画

サブタイトル『狼煙』の意味

エレンが巨人化するときに上がる狼煙。
調査兵団と王政府の戦いが始まる(狼煙が上がる)
【変更】別マガ掲載時タイトルは「信じるバカ」
(リヴァイの台詞「信じるバカは来い」)
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

今回の流れ

  1. エレン巨人の硬質化実験(山奥)
  2. エルヴィンがナイルと会話(馬車)
  3. エルヴィンから手紙が届く(リヴァイ班の隠れ家)
  4. エレンとヒストリアの影武者が攫われる(町)

1.エレン巨人の硬質化実験

硬質化実験は失敗

ハンジは「今回我々は硬質化できないことを知ることに成功した」「連続して巨人になれる時間やその汎用性と限界値の目安も知ることができた」と前向きにとらえています。

後に分かるのですが、硬質化するためには硬質化の脊髄液を摂取する必要があったのです。鎧や女型の巨人が硬質化できたことや、壁が巨人の硬質化の成分と同様であったことからエレンにも硬質化ができるかもしれない、と考えたのですが予想は外れてしまったのです。

フリーダの姿

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

実験終了後、朦朧とするエレンが鏡に映るフリーダの姿を見ます。これはフリーダの記憶を見ている場面であり、エレンが「始祖の巨人」を持っているという伏線となっています。

小ネタ

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

このリヴァイの「(巨人が)空から降ってくるかもしれん……」というのはマーレ編の巨人を兵器として敵国の空から落とす場面で実際に描かれています。

2.エルヴィンがナイルと会話

ナイル・ドーク

憲兵団の師団長、ナイル・ドークが久々に登場します。

彼は審議所でエレンを処分するべきだ、と意見を出していた人物です。

ナイルが「お前はきっと早く逝っちまうもんだと思っていたんだがな…今は右腕あたりを突っ込んだあたりか」「それもガキの頃言ってた妄想を今も信じてるせいか?」と聞きます。

この会話からエルヴィンが右腕を失ったことに対してもうジョークを言い合える仲だということが分かります。

エルヴィンの妄想

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ナイルが言うエルヴィンの妄想の内容については第55話「痛み」のピクシスの会話で明らかになります。

「今から107年前、この壁に逃げ込んだ当時の人類は王によって統治しやすいように記憶を改竄された」

という仮説です。この仮説をエルヴィンは訓練兵時代のナイルに話していました(第85話「地下室」)。

エルヴィンは「その妄想は真実に変わりつつある」と言いますが、ナイルは「それはよかったな」と流しています。

「妄想は真実に近づいている」というのは、人間が知性巨人になれることやコニーの母親が無垢の巨人になったことで人間は巨人になることが分かりました。さらにエレンが巨人を操れるということで人間を操れるという事実も出てきました。さらに、グリシャが残した地下室の秘密があるのでそこを当たれば真実に行き着くということです(詳細は第55話「痛み」)。

この仮説の証明はエルヴィンの子供のころからの夢なのです(第62話「罪」)。

組織についての質問

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

今回、エルヴィンは「王政招集」ということで王都の総統局に招集されています。その道中、ナイルに付き添いを頼む形で2人で密会する機会を作ったようです。そこでエルヴィンはナイルに探りを入れて以下の情報をうかがい知ろうとしています。

  1. 中央第一憲兵団にニック司祭が殺されてことを知っていたか?
  2. 憲兵はなぜエレンが欲しいのか?
  3. 中央憲兵にエレンを委ねることで壁の危機が救われるか?

これらの質問に対してナイルは誤魔化している様子もなく自然に受け答えをしています。憲兵団の師団長のナイルは中央第一憲兵団の詳細な実態を知りませんでした。ナイルは「我々は…上のお達しに従ったまでだ。理由など知らん」「俺は俺に与えられた仕事をこなすまでだ」と組織についての疑問を持たず王政府に従っていることも分かります。

家族についての質問

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

「マリーは元気か?今度3人目が生まれるらしいな」

エルヴィンが唐突にナイルの家族について質問します。ナイルは「お前は質問を絞ったらどうだ?」と言っているのですがエルヴィンにとっては重要な質問です。

エルヴィンは「組織に従い地位を守ることが必ずしも家族を守ることに繋がるわけではない」「今この小さな世界が変わろうとしている」「希望か、絶望か」「選ぶのは誰だ?誰が選ぶ?お前は誰を信じる?」とナイルに釘を刺します。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

 

エルヴィンは最後に「俺もマリーに惚れていた」と言ってナイルの反応を見ます。ナイルは「マリーより巨人の方がいいなんてお前はどうかしてるよ!」と返します。エルヴィンが去っていく場面でナイル腕組みをしてそっぽを向いています。

エルヴィンはナイルが家族を大事に思う気持ちやマリーとの関係性を確認しています。後に王政転覆を起こす際に憲兵団師団長のナイルの決断が重要となります。この時点では、王政府に調査兵団が目をつけられていることが分かっているので有事のための情報収集をしているのです。

3.エルヴィンからの手紙

エルヴィンからの手紙をリヴァイ班全員が読みます。全員読んだことを確認してリヴァイは言います。

「エルヴィンの指示だ。お前らはヤツを信じるか?信じるバカは来い…出発だ」

おそらく「エレンとヒストリアが狙われているので今すぐ逃げろ」という内容が書かれていたのでしょう。

安全な場所に避難したリヴァイ班は隠れ家が襲われている様子を見ます。アルミンが「やつらが中央憲兵ですか?」と聞くとリヴァイは「奴らが直接こんな現場に出向くとは思えんが」と答えます。

第54話「反撃の場所」で彼らの正体は中央第一憲兵の手先であるリーブス商会だったことが分かります。リーブスはリヴァイに「夜襲も失敗した」と白状します。

※アニメではニファから手紙を受け取ったリヴァイがすぐに「全員撤収だ、ここは捨てる、すべての痕跡を消せ」指示します。安全が確保された後にリヴァイが手紙の内容を語ります。「中央から命令が出たらしい。調査兵団の壁外調査を全面凍結、エレンとヒストリアを引き渡せってな(#38「狼煙」)」

4.エレンとヒストリアの影武者が攫われる

トロスト区の町を歩くリヴァイ班に対して住民が不満を爆発させている場面があります。ウォール・ローゼの巨人騒動で人が去り商売が成り立たないことや職を失った者がいるのです。調査兵団は度重なる壁外調査の失敗で資金を失っています。これらの財源は住民の税金なのでヘイトが調査兵団に向くのも仕方ないと言えます。

このリヴァイに不満を言っている人物や睨みつけている女性は第72話「奪還作戦の夜」で再度登場するのですが調査兵団への対応が全く違っています。そして、それに対するリヴァイの反応も見所です。

不満を聞かされている調査兵団に馬車が突っ込んできて、エレンとヒストリアが攫われる、という展開になります。しかし、エレンとヒストリアが狙われているのは承知の上でエレンをジャン、ヒストリアをアルミンが影武者として演じています。まんまと騙された王政府の手先はジャンとアルミンを攫って行きます。

王政の組織について

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)

ナイルとエルヴィンの会話で憲兵団と中央第一憲兵団が全く別組織であることが分かります。

「憲兵団が表の顔なら中央憲兵はその逆」「指揮系統も違えば接点もない…我々から見ても何を考えてるのかわからん連中だ」

  1. レイス家
  2. 王政府
  3. 中央第一憲兵
  4. 憲兵団
  5. 商会
  6. 駐屯兵団・調査兵団

壁内での権力の構成としてはレイス家が最高権力者であり、その手先となっているのが王政府です。そして、指揮系統として異質なのは王政府から指示を受けているのが中央第一憲兵です。

憲兵団・駐屯兵団・調査兵団の三兵団はトップがザックレー総統が取りまとめているので、中央第一憲兵が今まで見ていた兵団とは異質だということです。

進撃の巨人53話『狼煙』の感想・ネタバレ

進撃の巨人53話『狼煙』の感想動画

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