この記事の目次
進撃の巨人54話『反撃の場所』のあらすじ
エレンとヒストリアの二人は、敵から逃れるために、隠れ住む。
ヒストリアは夢の中で、謎の黒髪女性との暮らしを思い出しかける。
エレンに変装したジャン、ヒストリアに変装したアルミンは誘拐されて、倉庫に監禁されている。
誘拐したのはリーブス商会の会長だった。
リヴァイの説得の末、会長は中央憲兵や王政に背いて、調査兵団に協力することを選択する。
リーブスらの企みによって、中央第一憲兵を罠にはめることに成功。
ハンジは、ニック司祭を殺したサネスたちに拷問を開始する。
進撃の巨人54話『反撃の場所』で発生した伏線・謎
残された謎
進撃の巨人54話『反撃の場所』で解決した伏線・謎
進撃の巨人54話『反撃の場所』の表現・対比
進撃の巨人54話『反撃の場所』の考察・解説
進撃の巨人54話『反撃の場所』の考察・解説動画
サブタイトル『反撃の場所』の意味
人類が初めて巨人に反撃し勝利した「トロスト区」。
リーブス会長を味方にしてリヴァイ班は王政への反撃を開始する
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
クリスタの回想

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)
今回はフリーダと過ごしていたヒストリアの回想から始まります。
「ダメだよ鼻水たらしてちゃ」「ヒストリアはもうちょっと女の子らしくしないと」
ヒストリアの記憶の中のフリーダは優しいお姉ちゃんで鼻水をたらしたヒストリアの鼻をかんであげます。ヒストリアが「女の子らしくって何?」と質問すると絵本の女の子を見せてこのように語ります。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)
「この子みたいな女の子のことかな。ヒストリアもこの子が好きでしょ?いつも他の人を思いやってる優しい子だから。ヒストリアもこの子みたいになってね。」
「この世界は辛くて厳しいことばかりだからみんなから愛される人になって助け合いながら生きていかなきゃいけないんだよ」
フリーダはヒストリアに対して優しくて、愛される子になって欲しいと言っています。これは自然なやり取りに思えます。しかし、フリーダは優しいお姉ちゃんである反面、抑圧的な一面もありました。第66話「願い」では柵を越えようとしたヒストリアに対して激怒しています。ヒストリアに対して過度に抑圧的だったのです。
そんなフリーダが発する「女の子らしく」というのは呪いの言葉でもあったと思います。ヒストリアは本当の自分を殺してまで愛される人間を演じるようになりました。「クリスタ」という名前を与えられて以降、偽りの自分を過剰に演じていた理由は、ヒストリアの無意識下にこの思い出があったからかもしれません。
フリーダが記憶を消去する

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)
「今日も私のことは忘れてね」「また会う日まで」
フリーダがヒストリアの記憶を消しているところから、フリーダが「始祖の巨人の力」が使えることが分かります。「始祖の巨人」の記憶改竄の能力やフリーダが「始祖の巨人」を保持していることの伏線として描かれています。
隠れ家のエレンとヒストリア

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)
エレンとヒストリアは隠れ家で一緒に待機しています。そこでヒストリアは自分の内面をエレンに暴露していきます。誰からも愛されたことがなく生まれたことを望まれなかったヒストリアはいい子クリスタとは違います。自分のために身代わりになってくれているアルミンを心配なのか?本当の自分を見てくれて守ってくれたユミルを助けたいのか?自分がどうしたいのか分からない状態です。
「みんながっかりしたでしょ?本当の私はこんなに空っぽで」
エレンはいい子ではないヒストリアにがっかりするどころかむしろ前のクリスタが苦手だったと語っています。
「他はどうか知らねえけど俺は以前のお前が結構苦手だった」「いつも無理して顔を作ってる感じがして…不自然で正直気持ち悪かったよ」

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)
「けど…今のお前は何かいいよな」「別にお前は普通だよ」「ただ馬鹿正直な普通のヤツだ」
エレンは以前のクリスタが苦手だったことと共に、今のヒストリアを褒めています。
ヒストリアは自分の人格を否定していました。しかし、それを丸ごと受け入れ、認めているエレンを見て「……え?」と驚いています。
エレンとヒストリアの共通点
王政編ではエレンとヒストリアの掛け合いが重要になってきます。2人の共通点としては以下があります。
- 母親を目の前で殺された
- 大きな役割を与えられた
- 自信喪失する
母親を殺されたショックや突然大きな役割を与えられた重圧、それによる不安や自信の喪失という所が共通しています。違う部分はあれど、分かり合える仲間として共に成長・変化していきます。
ディモ・リーブス

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)
第5話「絶望の中で鈍く光る」にてリーブス商会の会長として初登場しています。巨人から住民を避難をさせる時に扉を荷馬車で塞いでいた商人です。彼はトロスト区の商人をとりまとめるリーブス商会の会長であり、中央第一憲兵とも繋がりを持つ人物です。
リーブスとリヴァイが交渉

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)
リーブス商会は中央憲兵の指示で動いていますがその目的は「すべてを失わないために命令に従う」というものです。リーブス商会は中央憲兵の指示に従いますが交渉や協力関係ではなく「命令」されているのです。
第53話「狼煙」で行った調査兵団の隠れ家の夜襲、そして街でのエレンとヒストリアの誘拐を失敗しています。リーブスは中央憲兵によって商会の財産は没収され従業員や家族は露頭に迷う、自分や部下は殺されるだろうと諦めています。
リヴァイは「巨人と同じだどうせ死ぬなら試してみればいい」と言いますが、リーブスは「ダメだ、失敗して死ぬ部下が増えるだけだ」と返します。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社)
しかし、現状ではリーブス商会が失くなることは街が破綻することにもなります。リーブス商会は住民と仕事を結びつける役割を担っているのでその組織母体が失くなれば住民の生活が立ち行かなくなるのです。
それを踏まえて「あんたの部下と街の住民を死なせて敗北するか人類最高の権力を相手に戦うかどうせ正解なんか分かりやしねえよあんたの好きな方を選べ」と言います。
リヴァイはエレンに言っていたように「選択しろ」という言葉を投げかけます。
選択肢は与えてはいるものの、確実に死にゆく破滅へ向かうか?それともわずかな希望を求めて戦うか?リーブスは部下や街の人を守るという芯の通った人物ですリーブスは戦うことを選択し、リーヴス会長も調査兵団側につくという流れです。
進撃の巨人54話『反撃の場所』の感想・ネタバレ
進撃の巨人54話『反撃の場所』の感想動画
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