この記事の目次
進撃の巨人67話『オルブド区外壁』のあらすじ
エレンは小瓶を飲んだことで「硬質化の力」を入手する。
ロッド・レイス巨人化による礼拝堂の崩落から、調査兵団メンバーは間一髪で助かった。
クーデターの後に、急いで駆けつけたエルヴィン達と合流。
ロッド・レイス巨人は、人が多く住むオルブド区に向かって進行する。
オルブド区の駐屯兵団と、調査兵団が協力して、巨人迎撃に向けて準備をする。
ヒストリアは自身の運命に決着をつけるため、前線に出ることを志願する。
進撃の巨人67話『オルブド区外壁』で発生した伏線・謎
残された謎
進撃の巨人67話『オルブド区外壁』で解決した伏線・謎
進撃の巨人67話『オルブド区外壁』の表現・対比
進撃の巨人67話『オルブド区外壁』の考察・解説
進撃の巨人67話『オルブド区外壁』の考察・解説動画
サブタイトル『オルブド区外壁』の意味
城壁都市オルブド区の外壁が舞台
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察
エレンの葛藤と回想

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社
エレンは、自分が特別な存在ではないのではないかと迷っています。グリシャの行動によって偶然「始祖の巨人」の力を継承し、さまざまな使命を背負うことになった──そんな自分に戸惑いを感じているのです。
彼は硬質化の能力を手に入れ、仲間たちを救うことに成功しましたが、それでもなお「自分が始祖の巨人の力を持ち続けていていいのか」という葛藤を抱えています。
巨大化したロッド・レイスを前に、エレンはこう語ります。
「オレをあの巨人に食わせれば、ロッド・レイスは人間に戻ります。完全な「始祖の巨人」に戻すことはまだ可能なんです」

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社
それを聞いたヒストリアはロッド・レイスを倒す提案をします。悩むエレンに対してリヴァイは、いつも通り「戦え」とエレンを鼓舞します。そして、オルブド区の兵士たちも、まるで“最終兵器”を見るかのような期待の眼差しを向けてきます。その重圧に対し、エレンは「本当に自分にその期待に応える資格があるのか」と苦悩します。
エレンはこれまで、常に人々の期待を背負ってきました。しかし、この時の彼は自信を喪失しており、その重みを素直に受け止めることができなくなっていたのです。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社
また、回想の中では父グリシャの言葉がよみがえります。
「ミカサやアルミン、みんなを救いたいなら、お前はこの力を支配しなければならない」
このセリフは、後の第89話「会議」や、第121話「未来の記憶」への伏線となっています。実は、クルーガーもグリシャに同じような言葉を伝えており、さらにはこの行動の裏にエレン自身の意志があったことが、後に明らかになるのです。
この回想シーンは、物語の後半を理解するうえで重要な鍵を含んでおり、振り返って見ることで新たな発見がある場面となっています。
小ネタ
印象的な小ネタがいくつかあります。以下に主要なものを紹介します。
1. サシャの方言が復活

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社
エレンの無事に安心したサシャが、久しぶりに方言でしゃべる場面があります。
「正直言うと、あなたが泣き喚きながら、気持ち悪い走り方で飛び出したあの瞬間は…もうこれはダメだと終わりだ終わりだ。このおばんげねぇ奴はしゃんとしないや…本当メソメソしてしてからこんハナ垂れが…と思いましたよ」
このシーンはサシャが素直な感情を出した場面です。内容はエレンをほぼディスっていて最後に敬語になるというギャグ的な演出でもあります。「おばんげねぇ」は「雑な、乱暴な」という意味です。「しゃんとしないや」は「しっかりしなさいよ」みたいな意味らしいです。※アニメではコニーが「おい」とツッコミを入れています。

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社
サシャの方言が登場するのは第36話「ただいま」でユミルに言われた一言が影響しています。
「お前はずっと人の目を気にして作った自分で生きていくつもりかよ。そんなのはくだらねないね!いいじゃねぇか!お前はお前で!!お前の言葉で話せよ!」
このセリフ以降、サシャは徐々に他者を信じ、心を開いていくようになります。今回の方言も、そうした成長の延長線上にある演出と考えられます。
2. リヴァイをイジるギャグシーン

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社
ロッド・レイスに向かって「今すぐ止まれ!ーこのチビオヤジ」と叫ぶエレン。このセリフが結果的にリヴァイへの侮辱になってしまい、エレンが思わずハッとする場面です。
リヴァイの表情が描かれたコマ割りも相まって、意図的なギャグとして演出されています。緊迫した展開の中にさりげなく挟まれており、気づくとクスッと笑ってしまうようなユーモアになっています。
3. 強くなったヒストリア

引用:『進撃の巨人』(諫山創、講談社
かつてリヴァイはヒストリアに「お前に王女をやれ」「逃げるか戦うか選べ」と告げました。ヒストリアはその言葉を忘れておらず、こう言い返します。
「逃げるか戦うか…選べと言ったのは、リヴァイ兵士長あなたです」
そして自ら「自分の運命に決着をつけに来ました」と宣言します。
本来なら王族として安全な場所にいるべき立場のヒストリアが、自ら前線に立つ覚悟を決めたのです。ロッド・レイスという父親に立ち向かう姿は、彼女の成長と決意を強く印象づけるものでした。
以上のように、67話にはキャラクターの内面や成長が垣間見える興味深いシーンが多く含まれています。ちょっとしたやりとりや言葉の背景を意識することで、作品への理解がさらに深まります。
進撃の巨人67話『オルブド区外壁』の感想・ネタバレ
進撃の巨人67話『オルブド区外壁』の感想動画
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