【進撃の巨人】第132話『自由の翼』考察・解説・感想【ネタバレ】

タキ

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進撃の巨人132話『自由の翼』のあらすじ

地鳴らし3日目夜(オディハ)

オディハについた一行は、飛行艇の準備ができるまでの時間をそれぞれ過ごす。
ファルコは目を覚まし、マガトの死やレベリオの被害を知り、泣き叫ぶ。
アニは、ミカサと恋愛話をする。
リヴァイ達はイェレナにエレンの行き先を聞き出す。
イェレナは「エレンは、カリファ軍港の次にスラトア要塞を目指す」と推測する。

地鳴らし4日目朝(オディハ)

ライナーはアニに謝罪と別れを告げる。
アニ、ファルコ、ガビ、そしてアズマビト一同は、飛行艇には乗らず、見送る。

離陸準備1時間前、飛行艇に乗る準備を済ませるパラディ兵士とマーレ戦士たち。
そこに突如フロックが現れて、飛行艇の燃料タンクに穴をあける。
ミカサの反撃にあって、フロックは死亡。

近づく地鳴らし巨人を止めるために、ハンジは殿を務める。
アルミンを調査兵団15代目団長に任命し、リヴァイと別れを済ませて、巨人の群れに立ち向かう。
ハンジの命を賭けた巨人の足止めによって、飛行艇は無事に飛び立っていく。

死ぬ間際あるいは死後に、ハンジは飛行艇が飛び去る姿を見送り、エルヴィン達調査兵団の仲間に愚痴をこぼすのだった。

【時期】854年
【場所】パラディ島

進撃の巨人132話『自由の翼』で発生した伏線・謎

Qイェーガー派が飛行艇に巻きつけていた爆弾を、飛行艇に持っていく。いつ、誰が使う?
(33巻132話)

A
(34巻137話)

関連進撃全話の伏線・謎まとめ

残された謎

Q
(33巻132話)

A
(巻話)

進撃の巨人132話『自由の翼』で解決した伏線・謎

進撃の巨人132話『自由の翼』の表現・対比

進撃の巨人132話『自由の翼』の考察・解説

進撃の巨人132話『自由の翼』の考察・解説動画

サブタイトル『自由の翼』の意味

諫山先生によると「空を飛ぶことじは、自由を求めることの象徴」「皆が頑張った結果、空を飛ぶことができた」
参照YouTube『進撃の巨人』大山ダム銅像除幕式 ライブ配信
関連進撃全話のサブタイトルの意味を考察

ハンジの幻の世界

今までの進撃の巨人ではなかった描写です。死ぬ間際の走馬灯か死後の世界、あるいは道の世界です。または記憶同士の交流かもしれません。 ハンジはキースが死んだことは知りませんが彼がいることを考えると漫画的表現であり、長い走馬灯や「道の世界」、死後の世界でしょう。

ハンジとエルヴィン

調査兵団の仲間たちはハンジの長い話を聞くことを嫌がります。 57話「切り裂きケニー」でエルヴィンがハンジに「結論から聞こう、問題はなんだ?」と言う場面があります。当時はハンジの話を聞く時間もなかったし、余裕もなかった。しかし、この死後の世界には時間がある、という点が良かったです。 調査兵団団長を任命された時も、エルヴィンは「ピクシス司令との交渉は決裂した。司令には頼るなと。」目先の作戦に関わることだけを言い残して去っていきます。ハンジを団長に選んだ理由を説明する暇はなかったのです。 しかし今回は、ハンジとエルヴィンが語り合う時間がある。「ゆっくり聞くよ」と言っているのが、時間はいくらでもある、というハンジとエルヴィンの死を再実感できて切ない所でもありました。

モブリット

シガンシナ区決戦の時にハンジさんが生き残ったのはこのモブリットが助けたからでした。右手でやってハンジさんのことを井戸に突き落としたモブリットですが、その右手で再びハンジさんの手を取ります。起こす役目、サポートする役目はいつも側にいたモブリットでした。ハンジからすると、あの日握れなかった手を握ったという描写です。

その他の登場人物

まずこのキース・シャーディス教官です。彼は過去に調査兵団団長を努めていた彼は訓練兵の教官でした。死ぬ間際にはマガトと共に着ていた調査兵団側の人物として描かれています。 あとはこのモブリットの隣にいる黒髪の女性サシャです。飛行艇に乗っている104期生達の姿をサシャは見ているのでしょう。他にも、ネス班長が愛馬のシャレットと共にいる、あとはゲルガーも端っこで酒を飲んでいます。このお酒も、死に際に持っていた物とは別物ですが酒を飲んでいるという姿もありました。 過去の登場人物何人か出てきていて調査兵団同窓会のような光景です。

黒い「シミ」の正体は?

ハンジさんの現実世界での死体的な表現です。131話「地鳴らし」の残酷描写ではラムジーとハリルが踏みつぶされた場所が黒く塗りつぶされています。同様に巨人の足跡をまず描いていてその中にハンジさんの踏みつぶされた現実の残酷な姿があります。 場所は二段構えになっていて、ハンジの奥で立っている人たちは一段高いところにいます。これは巨人の足跡の縁の部分です。この幻の世界の方では綺麗な姿でいる。しかし、現実世界ではハンジさんの肉体自体はこの残酷な黒いシミの部分にあるのが切ない部分と残酷な部分です。

ハンジとリヴァイ

調査兵団の団長であり、104期生達より先輩的な立場です。それ故に104期生たちに見せる顔と親しきリヴァイに見せる顔は違う。イメージとしては部活の同学年には「おい、リヴァイ!」のように接しますが後輩たちには先輩っぽく振る舞うように相手によって自分の見せ方を変えています。 ハンジの気持ちが分かる部分でいうと、例えば口元です。「アルミン・アルレルト15代調査兵団団長に任命する」という直前には口角が上がっています。一方でリヴァイ相手には、口角が「へ」の字で下がっています。ここは無理をしていない様子が対比的に描かれています。 目元についてはアルミンに対しては強い目力で接して「頑張れよ、任せたよ」という顔を見せています。その後にリヴァイには、明らかに動揺して汗もかいて、切ない顔をしています。アルミンには虚勢を張って力強い目をしていたのです。 発言についてもリヴァイには、自分の死を理解して恐怖心もあり、死にたくない気持ちもある。それでも強がっているハンジが「今、最高にカッコつけたい気分なんだよ、このまま行かせてくれ」と言います。「私は行く」ではなく、「私に行かせてくれ」と言います。ここで引き止められたら、恐怖に負けて進めなくなる…。それをリヴァイはすべて理解した上で「心臓を捧げよ」とエールを送ります。 ハンジは基本的に弱さを見せません。パラディ島の内紛の場面でもフロックたちに「君が正しいのかもしれない、全ては私の責任だ、これ以上勝手な真似は許されない」と言います。この時も調査兵団団長として毅然とした覚悟で挑んでいました。しかし、一人になった後は、切ない目をしています。ハンジは人によって見せる顔を変えて、立場を全うしています。 ハンジが唯一弱さを見せたのはリヴァイです。「いっそ二人でここで暮らそうか」という発言が一番わかりやすいです。全ての責任を放り投げてしまいたいという本心や弱さをさらけ出せる相手がリヴァイでした。

リヴァイの辛さと優しさ

リヴァイは雷槍の爆破により大怪我を負っています。基本的に座っている描写が多く、アルミンが水を持ってきたり、立つときには手すりが必要なほどです。ハンジとの別れのシーンでは自分の足で立ってましたが、かなりの辛さを我慢している。どうしても言わなければいけない言葉があるからこそハンジに会いに行っています。 一問一答コーナーで諫山が先生答えていました。 Q.何でリヴァイはハンジのことを「クソメガネ」と呼ばなくなったのですか? A.ハンジが団長になってからは、リヴァイもさすがに組織の長の立場を重んじているようです。 ハンジが団長に任命されたあともハンジがピークに振られた際に「相変わらず巨人とは片思いのままだなクソメガネ」と言っています。そして最後に呼びかける時に「おい、クソメガネ」言います。組織の関係ではなく、あくまでもリヴァイとハンジというプライベートな関係に戻って、対等な立場で話していることがこの呼び方から分かります。 ハンジが覚悟を決めていく直前には、リヴァイ側の余裕のなさもあります。さらに、エルヴィンに「建前を使うな」と言ったように「このクソメガネ」という発言も「もう建前使うなよと、俺とお前のこの一番近い距離感で、しっかり本音を話せよ」という思いも込めての表現でもあります。 リヴァイの心境は切ないです。「わかるだろう、リヴァイ。ようやく来たって感じだ、私の番が」と言われた時に、「死んでほしくない。本当にこいつが行く必要あるのか?」と考えたはずです。ハンジの選択を、尊重しようという、様々な言葉が脳裏を駆け巡った結果、一瞬目を閉じて、開きます。ジークとの戦いの時に仲間の兵士たちを殺す選択をしたのと同じような表情です。眉間のシワも切ないですし、光が灯ってないこの目も切ないです。不甲斐なさもあるかもしれません。自分が怪我をしていない万全の状態であればリヴァイが矢表に立って、殿を務めることもできたでしょう。団長であるハンジではなく戦闘能力の高い自分が巨人を止める役目だったはずなのに…と。リヴァイは強い人なので一瞬でもこんな後悔が出ても打ち消すことができたでしょうが、様々な考えが巡っていたでしょう。

リヴァイがハンジに送った「心臓を捧げよ」

リヴァイの信念と異なる言葉です。リヴァイからすると「弱いやつはすぐ死ぬ」と言います。これは人が死ぬたびに心に傷を負っていたからです。リヴァイが仲間の死に対し、立場もあるので、心を強く保って表明には見せていませんでした。リヴァイは多くの人の死を経験してしていました。その結果、他者には「生きろ」や「生き残れ」と言うのが基本的なスタンスで命を尊重する、存在でした。自己犠牲や仲間の死も望んでいない人物なので「心臓を捧げよ」は狂信的な何かのために命を投げ捨てること。この行為への肯定でもあるので、その言葉への距離感があります。 エルヴィンの詐術も知っているので、人を動かす大きな力を持つ言葉「心臓を捧げよ」が強さと責任という言葉と知っているので迂闊に使わない部分もあったでしょう。 「心臓を捧げよ」は、リヴァイの命への見方であり、言葉への強さから普段は使わない。リヴァイ自身の信念とは違う言葉でしたが、ハンジには最後に「心臓を捧げよ」と言っています。 この意味は自身の理念を穿け、お前の心の奥底の選択を尊重するという意味です。リヴァイは、相手の心情を察するキャラクターです。エルヴィンとリヴァイが80話「名もなき兵士」にてウォール・マリア奪還作戦の時の会話で「俺はもう地下室に行きたいんだ」「全ては俺の頭の中の妄想に過ぎないのか」とエルヴィンがリヴァイに聞きます。その時、エルヴィンが一瞬リヴァイの方を見てリヴァイに委ねます。リヴァイからすると、このエルヴィンの心境を察してを「俺は選ぶぞ、夢を諦めて死んでくれ」と話します。これはエルヴィンがかけて欲しかった言葉なのです。ハンジに「心臓を捧げよ」と言ったのも一歩踏み出したい彼らが望む言葉を察したからです。 リヴァイ自身の考えではなく、あくまでも相手の背中を押す言葉を掛ける辛い役割でした。自分の死んでほしくない、相手の死にたくないという気持ち、全てを理解しながらも、「心臓を捧げよ」とハンジのために言いました。

リヴァイの辛さ

※ブログリンク http://blog.livedoor.jp/isayamahazime/archives/10311596.html 兵長のこの包帯の下の表情ですが右目は無事に見えるが失明しているなど、表情が切ないです。公式見解によると泣いてはいないようです。悲しい気持ちはあるでしょうし、最後の別れを集ましてたからこそ、ギリギリまで、ハンジさんの姿を見ないで座っていました。「見ててくれ!」とリヴァイは最後言っていましたが、このセリフも普段は使わないです。「お前の意思は俺が受け継ぐ」「約束しよう」など死にゆく仲間のために言葉をかけていました。 しかし、「見ててくれ」はハンジの思いを受け継ぐ意思、側面もありますが、ベクトルが相手のためよりも自分のための言葉です。今の自分には見えないかもしれませんが、死者が自分を見ているかもしれない。「ねえ、リヴァイみんな見てるかな、今の私たちを死んだ仲間に誇れるかな」と、ハンジが言っていたからこそ、ハンジも、自分のことを見ているのかなと思っていたかもしれません。そうであれば「俺の側にいてくれ」という気持ちもあり、ハンジがリヴァイにだけ弱音を吐けたように、リヴァイもハンジにだけ本音、弱音を吐けた。その言葉が「見ててくれ」だったのかもしれません。

ハンジの最後の戦い

雷槍を使って巨人に挑んでいきました。世界連合艦隊でもまともに一匹も倒せなかった、壁内巨人ですが、このハンジさんの発明した雷槍で何匹か倒すことができました。 調査兵団の英知の結晶で巨人を倒す。無謀な試みの象徴的なシーンです。この死に行く姿のところで雷槍が重なって、十字架の形になりまし。そして「巨人って素晴らしいな」という発言。自分が死ぬことを理解して恐怖心もありながらもリヴァイの「心臓を捧げよ」の言葉で勇気をもらって覚悟を決めました。おちゃらけたハンジに戻って「君が言ってんの初めて聞いたよ」と、勇気と元気を取り戻して巨人に向かって行きました。この死に際の一言は、リヴァイの「心臓を捧げよ」という一言がなかったら、出なかった言葉です。「心臓を捧げよ」という言葉を聞いて、責任ある14代団長という立場もすでに降り、本来の巨人好きの一人の兵士として、向かって行きました。アルミンに託して、自分は一兵士に戻り、ハンジは最後に一度だけ、純粋に巨人を見ることができたのです。純粋すぎる眼差しで巨人を見ていました。「巨人って素晴らしいな」この言葉は自分の忘れていた世界の見方を、再び思い出すことができた。巨人を見るという様々な夢が叶わなかったとしても、ずっと追ってきた、巨人を研究したいとか、夢に最後にもう一度向き合えたのです。巨人は素晴らしいということは、人生の肯定という側面もあります。ハンジの死ぬ間際の表情は燃え落ちる表情を逆転すると分かりますが、口元の口角が上がっているような、表情をしています。うっすらとした微笑みは、悔いなき選択といいますか、ハンジさんにとっての人生の肯定だったということです。

フロックの死

長いこと活躍してきたフロックが遂に死亡しました。飛行艇に被害を与えたのが間接的な原因になってハンジさんが死亡しました。反イェーガー派の代表であるハンジを倒したことはイェーガー派代表としての役目を果たしたことになります。最後のセリフは「行かないでくれ、島のみんなが殺される、俺達の悪魔、それだけが希望」という発言。最後までパラディ島のことを思い、フロックなりの信念で動いていました。 フロックの行動ですが人を意図的に撃ちませんでした。私怨で攻撃したのではないのです。悪魔を蘇らせなかったリヴァイとか、裏切ったジャンとか対立する思想のハンジを撃ってもよかったはずですが、そうではなかった。あくまで足止めのために飛行船を狙ったのです。そして、最後死んでいきました。 フロックなりの信念に基づいて行動を理解したジャンとハンジはフロックを攻めていません。一方的に悪とは断罪せずに、「確かに君の言う通りだよ」と言っていました。

フロックの運

129話「懐古」でガビに撃たれたフロック。海に落ちたはずなのに生きていたは、フロックの名前の由来である、思わぬ幸運やまぐれという意味が思い返されます。船にしがみついて、最悪のタイミングで登場しましたが、唯一の操縦士であるオニャンコポンを狙ったか、燃料タンクを壊そうとしたのです。それは思った以上にダメージを受けていて、ハンジたちは計画的には行動できなくなりました。 本来は、人が集まっていないときとか、隠れて行動するべきでしたが出血多量で体温も低下している状態で一晩中、船にしがみついていたフロック。飛行艇を狙って、ギリギリ成果を出せたという状況でしょう。

15代目団長アルミン

キース→エルヴィン→ハンジ→アルミンと、調査兵団の団長は移り変わっていきました。 団長を任命されたときの目は85話「地下室」でエルヴィンの代わりに生き残ってしまった時同様に託されたものの大きさに怯えています。エルヴィンの代わりに団長として作戦を決めてエレンを止める。できれば殺さずに…そして、パラディ島の未来を守るというのしかかる重圧があります。

ハンジと「調査兵団団長」論

ハンジがアルミンを選んだのは意味があります。ハンジ自身が調査兵団団長の経験する上でハンジ自身も、107話「来客」で「エルヴィン…あんたの唯一の失策だ…何で私なんか団長にしたんだよ…」と苦悩しました。 だからこそ、アルミンに「調査兵団団長に求められる資質は、理解することを諦めない姿勢にある。君以上の適任はいない」とハンジさん伝えました。

ハンジさんが団長になった理由ですが、現実的な事情もあったでしょう。消極的な理由としては、ミケなど幹部の兵士が死んでいて、中でもハンジは古株である。リヴァイは、戦闘する兵士としての活躍ができると。漫画的にもリヴァイは責任ない立場の方が自由に動けるという面もあったと思います。 積極的な理由としては調査兵団的な発想です。72話「奪還作戦の夜」でエルヴィンが「知りたいなら見に行けばいい、それが調査兵団だろ?」と語ります。そしてハンジもまた、108話「正論」で「わからないものがあれば理解しに行けばい、それが調査兵団だろ?」と言います。知的好奇心と目的のために危険を厭わず行動する精神がハンジにもあります。他の古株の兵士が生き残っていたとしてもハンジが適任だったと思います。 ハンジさんの功績はキヨミやマガトと外交も行い、さらには統率力もある。127話「終末の夜」の場面では調査兵団としての私情に流されず冷静に方向性を示したのが印象的です。さらに「虐殺はダメだ!!」という意思もありましたが具体的な作戦は示すことはできませんでした。それでも挑み続けるというのが調査兵団らしいです。

違う側面から見ると兵団自体や上層部幹部もいたので責任を一人で背負うべきだったのか疑問はありますが、その後は、時間が迫ってい為、仕方なかったのかもしれません。57話「切り裂きケニー」でエルヴィンから「次の調査兵団団長はハンジ・ゾエお前だ」と言われた時は壁内の状況が大きく変わっていく中(王政編)、エルヴィンは自分なりの答えを見つけられる人物として、ハンジを信頼していました。期待していたのはエルヴィンのようなみんなを率いるリーダーシップや特別な作戦、というわけではなかったのです。

アルミンにハンジさんが期待するものは「理解することを諦めない姿勢」です。アルミンもエルヴィンのようなリーダーシップはないし、ハンジのような外交力はない。打算的な計算の上で相手をコントロールするようなゲスい交渉は可能かもしれませんが…。 アルミンの「理解することを諦めない資質」が調査兵団を突き動かしていくことを期待しています。エルヴィンの代わり、という呪いから解かれたアルミンなりの調査兵団団長のとしての動き方が注目です。

進撃の巨人の世界と地名

「進撃の巨人」の世界はアフリカ大陸を反転した世界です。
地名も元ネタがありそうです。
カリフア軍港→アフリカ
スラトア要塞→アトラス山脈
他にも地名に関しては元ネタがありますので見てみてください。(地名の元ネタ)

イェレナ発言

イェレナがエレンの行き先を語ります。エレンに裏切られ安楽死計画が遂行できずエレンの願望である地鳴らしが発動した今、嘘を言う利点はないので真実を語ります、おそらく嘘は言っていないでしょう。
そして「ジークは間違えていない」と認めてほしいと言います。イェレナという人物にとって大事なのは「考え、信念」ということです。
ハンジは「無力だった」と語る部分は否定も肯定せず、あくまでもイェレナの言葉を認める、という返答をします。

アニの「愛情」

131話で突如発生した恋愛空間。
アニは「何をするべきか?」「本当にこのままでいいのか?」と自問自答しながらも自然とアルミンの方に目線がいきます。
無意識に目で追ってしまう、それをミカサもは一瞬で気づきます。オーバーリアクションなのが面白いです。
今までの「生きる目的」は「父親と再会するため」と明確でした。しかし、父が死んでしまったと思っている今、「生きる意味」を求めているのかも…と思うとアニの人間らしさを感じます。

テーマ「愛」

「進撃の巨人」において愛は重要なテーマです。
カルラのエレンへの愛(親子愛)
ファルコのガビへの愛(恋愛)
ウーリのケニーへの愛(友愛)
「暴力、憎しみ、怒り」から「愛情、許し、話し合い」に転換していく重要性を感じます。後半では恋愛における愛情という面が多く描かれています。

傷心しているジャン

アニの戦線離脱に対して「正直頼りにしてたからな」と落ち込んでいます。戦力を失って落胆しているだけではないかもしれません。
このジャンの構図は34話「戦士は踊る」で自分の好きなミカサがエレンを2人きりで看病する状況になった時と似ています。アニとアルミンの恋愛がうまくいきそうで落ち込んでいるようです。直前にミカサが「アルミンこれでよかったの?」に対してしらを切るアルミン…。ちなみにコニーは何も気づいていないようです。

ライナーすぐ自己犠牲しにいく

ライナー離脱後のアルミンの活躍は知らないだろうけど、信頼はある
ライナー「エレンを止める切り札はお前しかいない!!ここは俺が!!」と言いますがハンジさん(諫山先生)「ダメに決まってるだろ!!」が即座に止めるという流れが面白いです。死にたがりのライナーですがなかなか殿を務められないようです。

アニのライナーへの恨みの変化

①許せない!

マーレの戦士たちがパラディ島に潜入しますがマルセルが食われるという非情事態に作戦変更して帰ろうとするアニを制して、作戦実行を告げたのはライナーです。そこでアニにボッコボコにされます。
フザケンナー状態だったアニです。

②嫌い、殺したい!!

「兵士」として104期生たちと戯れるライナーを様子を見て激怒してます。
その後、マルコを「殺せ」「戦士であることを証明しろ」と語る。ライナーこそが兵士モードだったのでどの口が言う…という場面です。そして、後に97話「手から手へ」でアニから「吐きそう。それ以上、顔を近づけないでくれる?」と直接的な表現で嫌われてます。キライナー状態のアニ、もはやそれ以上の嫌悪です。

③許し…

【1】127話「終末の夜」では、マルコを殺したのは自分だとアニの発言を遮って庇いました。実際にジャンにボッッコボコにされる訳ですがその様子をアニは見ていました。
【2】今回の謝罪
「すっと謝りたかった」「お前もベルトルトも故郷に帰って家族に会えたのに謝ることすらおこがましく思える」と全面的に謝罪していました。
結果として、アニのシカタナイナーでアニとライナーの「和解」が描かれていました。

進撃の巨人132話『自由の翼』の感想・ネタバレ

進撃の巨人132話『自由の翼』の感想動画

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132話『自由の翼』
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1 COMMENT

リケジョのお婆婆

タキさん、解説有り難うございます。この解説を見て、何故こんなにハンジさんに魅力を感じるのか言葉に表したくて作品を読み返してしまいました。一番は、彼女の動機が普遍的でぶれが無いことです。第52話の中で「皆を早く安心させてあげたい」、「人同士で争わなくても生きていける世界にしたい」が、巨人研究へと進み、巨人を倒す兵器と陣形の開発、人的資源を失う事の無い巨人討伐機完成と形になったこと。巨人の成り立ちを知ったことで、壁の外=海の向こうの世界からしたら自分達が巨人になることが出来る立場であり、自分達が見ていた巨人そのもの、世界の脅威である事を理解した。そして世界の人に自分達を理解して、わかってもらうにはどうしたら良いのかを見つけるために、第108話の正論で「会いに行こう」、「わからないものがあれば理解しに行けばいい」、「それが調査兵団だろ?」に繋がる。彼女は巨人討伐を人力で行う時代から生き残ってきた、おそらく20年近く所属していたと考えられる年代だけど自分で考え、組み立て、本心で理解する自由な発想の大人で、相手の気持ちに寄り添える人。ところが、周りは自分よりも年代が若く、思考も幼いが実績を作ったことによる第三世代の団員と旧世代の上官達に囲まれて、その発想と戦略が理解されない。力から智慧へと戦いの場、戦わずに世界との調和を図るにはどうしたら良いのかの戦略を見極めるための情報を得る事をしているのに、未だに武力に頼ろうとする社会と一人で戦っている。その状況が「私の無力さ」となった。しかし、「人同士で争わなくても生きていける世界にしたい」の信念が理念となり、立場が異なる人とも団結した。そして託された想いを繫ぐ事ができた。働いても評価されず、欲しかった人と想い会える場を持たせて貰えなかった始祖ユミルとの対立軸のように感じられた次第です。タキさんにより、ハンジ姐への自分の受け止めを言葉にできて、この作品は色々な思考ができると改めて感じました。有り難うございました。

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