こんにちは、タキです。
今回解説するのはマンガ大賞受賞の話題作「BEASTARS(ビースターズ)」です。
ビースターズをまだ見たことがない人、一度見たけどなんとなく見るのを辞めてしまったという方のために、
・どんなマンガなのか
・苦手な人がいる理由
・作品の周辺情報
・どんな風に楽しむか
をネタバレ無しで語っていきます。
目次
漫画『ビースターズ』とはどんな漫画か?(ネタバレなし)
まず、ビースターズの概要についてです。
この作品には人間がいません。擬人化動物ものですね。
舞台は、草食動物と肉食動物が共存している学園。
主人公は肉食動物、ハイイロオオカミのレゴシです。
ビースターズのあらすじ
物語は、全寮制のチェリートン学園でアルパカのテムが何者かに食い殺されるところから始まります。
肉食動物と草食動物が共存する世界では、動物を食うのは禁止されています。
ハイイロオオカミのレゴシは、そんな中でアルパカ殺しの犯人に疑われます。
果たして彼は犯人なのか?
…という感じ。
まず、この作品の面白いところは、擬人化した動物達が一緒に暮らしているという設定。
特に、重要なのが草食動物と肉食動物が共存しているという点ですね。
彼らは、同じ学園で暮らす友達であり、クラスメイトです。
部活動もやっていて、仲も良いです。
動物によっては、種族を超えた恋愛もあります。
そして、外せない要素としては、「食う」と「食われる」という関係があること。
肉食動物にとっては、草食動物のクラスメイトたちは、友達であると同時に、捕食する、食べる対象なんですよね。
ビースターズが苦手、嫌いな人がいる理由は?
そんな、ちょっと変わった設定を持つBEASTARSですが、たぶん「苦手」な人も一定数いると思います。
いくつか理由があります。
- 表紙やタイトルを見ただけだと何の話か分からない。
- 少女漫画っぽい絵柄が受け付けない。
- 恋愛要素はあるけれども、少女漫画的な王道展開じゃない。
- 萌えない。
などですね。
実際私も最初はじめて流し読みしたときは、面白さがわかりませんでした。
特に「何の漫画かよく分からなかった」からですね。
ということで今回は、BEASTARSの面白い要素や、どんな漫画かを紹介します。
漫画「ビースターズ」は面白い?ジャンルと作品の中身について
ビースターズのジャンルは学園もの(青春、恋愛、成長あり)
まずビースターズのジャンルとしては「学園もの」ですね。
キャラクタたちの思春期特有の悩みが描かれていますし、主人公レゴシと、ヒロインのハルというウサギの種族を超えた恋愛も見どころです。
更にはレゴシは17歳ということもあり、さまざまな事件と共に肉体・精神が成長していきます。
つまり「青春、恋愛、成長」という学園もののポイントを3つをしっかり抑えた作品なんですね。
ビースターズのジャンルは擬人化獣もの
そしてもう一つ「獣」ものであるという点も重要です。
言い換えると、擬人化動物ものですね。
動物一匹一匹に個性があるため、モブキャラがいないです。
各キャラクタの動物特有の個性が活かされる群像劇となっています。
ビースターズの社会派な一面
また、社会派な一面もあります。
キャラクタたちが獣になることで、より人間の食欲・性欲という本能や、人間の醜さ・性格が際立ちます。
人間ってこういうものだよね、社会ってこういうものだよね、と考えさせられる作品です。
ビースターズとはどんな物語?話の軸は3つあります
そんなBEASTARS全体を貫く話の軸は3つあります。
肉食動物と草食動物の恋
1つ目が「恋愛」ですね。
主人公のオオカミのレゴシと、ウサギのハル。彼らの恋愛は成立するのか?という問題。
レゴシは恋愛経験がほぼ無い狼。
一方でハルは生存戦略として色々な動物と寝て自分の身を守ってきた女性でもあります。
この二人の恋愛経験の差、そして食べる・食べられるという動物としての宿命、異種族の恋愛に向けられる数奇の目。
これらを乗り越えられるのか?という話。
英雄ビースターに誰がなるのか?
2つ目が「ビースター」に誰がなるのか問題。
動物の英雄的存在「ビースター」の座を手に入れるのは誰かというのが作品の最終的なゴールの一つですね。
というか、タイトルもビースターズですし。
この辺りについては、また別途ネタバレ有りの考察動画で語ります。
ミステリ要素
3つ目が「ミステリ要素」です。
推理漫画のように、謎解きできるための材料が与えられているわけではありません。
しかし、第1話で殺されたアルパカのテムを殺した犯人は、主人公レゴシの周りで日々ひょうひょうと生きているんですよね。
そんな犯人は誰なのか?
この点も作品を中盤まで引っ張る一つの読むモチベーションになります。
ビースターズのおもしろことはたくさんある
以上の3つに加えて、他にも面白い要素は沢山あります。
- 獣世界のディテールの細かさ。
- 多様性のある世界で、イメージで他者を語る問題。
- 食欲と性欲にどう向き合うのか問題
- 男性が見誤る女性の考えと、女性から見た男性の得体のしれなさ。
- 思春期が「汚い」大人の世界に立ちいる問題。
などなど。
詳しくは別の記事で。
ビースターズの概要・周辺情報
作品の周辺情報を語ります。
ビースターズの作者は板垣巴留
作者は板垣巴留さん。2016年デビューの女性漫画家です。
週刊少年チャンピオンの読み切りの短編「BEAST COMPLEX」を掲載後、BEASTARSを連載開始しました。
表に出るときは、鶏の被り物で登場します。あと、個人ブログでは自身をカッパで描いていましたね。
一番好きな映画は「ブラックスワン」というアーティスティックな映画。
この映画も面白いので、BEASTARS好きなら見てみると良いですよ。
ただし落ち込むこと間違いないので、精神が元気な時にどうぞ。
ビースターズは「このマンガがすごい」2018年男編で第2位
BEASTARSはデビュー作ながら、「このマンガがすごい」2018年の男編で2位に入賞しています。
板垣巴留は範馬刃牙シリーズの板垣恵介の娘
その後、実は範馬刃牙のシリーズでおなじみの板垣恵介さんの娘ということが判明します。
コネや親の七光りと言われるのが嫌だったので、結果が出るまでその事実は伏せていたそうです。
また、2019年にアニメ化もしています。
パルノグラフィティという漫画で家族の日常について描いています(こちらもかなり面白いエッセイです)
ビースターズを見る方法(アニメとマンガどっちが良い?)
最後にBEASTARSのマンガとアニメの違いについて語ります。
どちらも良い作品になっているのですが、優れたところがそれぞれあります。
ビースターズのマンガの利点
まず、漫画のほうが、心理描写が細かいです。
キャラクタを深堀りして、エピソードも語られていますし、物語世界がより豊かです。
また、各話の終わり方が、羽海野チカさん的、3月のライオン的。
非常に詩的で、余韻が残る終わり方なのが、印象的です。
ビースターズのアニメの利点
一方でアニメの方は少女漫画っぽい絵じゃありません。
絵が苦手で漫画を読んでいないという男性の方は、アニメを見ると良いですね。
戦闘シーンや動物の本能むき出しなシーンはアニメならではの演出で、かなり迫力もあります。
また、マンガの膨大な内容をアニメに収めるために、いくつかの描写・エピソードがカットされています。
作品世界を短時間で知りたい方はアニメから入るのもありだと思います。
以上でBEASTARSの解説を終わります。
作品の深い考察についてはまた別の記事で。
以上、タキでした。